休日
それから、休日の際は真奈の病室に訪れるようになった陽。
そんなある日の話。
「それで? 他には何人ぐらいいるの?」
病室のベッド座って足を組み、爽に尋ねた。
「把握している限り、この身体には約五人いるね。主人格の陽は除くよ。キミが知ってるのは僕と前に会った竜ぐらいだよね」
確認をするように聞く爽。
「ええ、そうね。竜には前に会ったよ」
そんな爽に真奈は答える。
「そうだね……一応、僕たちのことを話しとこうか。僕は爽、人格たちのまとめ役みたいなものかな」
「はい」
相槌を打つ。
「そして竜。あの子は昔にできてしまった人格だね。それから陽、あの子はトラウマにより僕たちを生み出してしまった」
「……そうですね」
少しずつ、下を向いていく。
「僕は詳しく知らない。だからひとりひとりの話を聞かなければならない。さらに心を開かせなきゃならないんだ」
爽は俯いてしまう。
「わたし、頑張ります」
その声で爽は頭を上げた。
「ああ、僕たちを救ってくれ」
落ち着いた笑顔で真奈を見つめる。
「はい!」
「と。まあ、そんな気張らなくてもいいさ。休日に遊ぶってぐらいが丁度いいだろうし」
「そうですか?」
爽に言われて少し落ち着く真奈。
「ああ。そうだ、今日は竜と遊んであげてよ」
「この前あった子ですね。病院は苦手そうでしたけど……」
その言葉で不思議そうな顔をした。
「そうなのかい? 趣味嗜好はみんな別だからなあ」
「そうですよね……。そうだ、屋上で遊びませんか?」
「屋上? ああ、陽と夕方に会っていたところだね」
「はい。あそこなら貸し切りにできます」
真奈が言ったその言葉に爽は驚愕する。
「そうなのかい?」
「ええ。言い方は悪いけど、私たちは被検体みたいなものだからね。ある程度は病院が融通を効かせてくれるんだ」
「なるほどね……」
自然に口調が変わる真奈。
そんな真奈を爽は気にしない様子だった。
「病院に連絡しますね。ちょっと待って下さい」
「ああ」
病室に備え付けてある電話から真奈は電話をかけた。
話し終わり、電話を戻す。
「それじゃ屋上に行きましょう。先に、竜に変わりますか?」
「ん、ああ。そうしようか」
爽は目を瞑る。
瞼を開くと何も映らない目。
「竜?」
呼びかけた真奈。
「なあに?」
「今日は一緒に遊びましょう?」
その言葉に竜は首を傾げて告げる。
「うん、いいよ!」
「何して遊びますか?」
「えーとね……」
病室の中で遊びの内容を考える二人。




