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ソファベッド  作者: 中島 世期 seki
1章 猫にマタタビ:僕の憂鬱
40/88

40話 半狂乱

「天十郎」重たく怒ったような口調で夏梅はまっすぐに

「目薬を差し終わって満足したでしょ。いつまでパンツをはかずに裸のままで、おっぱい掴んで私を抱きしめているの?」


「えっ?」



【天十郎はひどく驚いて下を見た】


 僕も驚いた。こいつは気が付いていなかったのか?天十郎は反目しながらも、蒲みたいに夏梅を拒絶しているようではなさそうだ。


「お前、なんでブラジャーをしてないのだ」

「知るか!関係ないでしょ。私の自由だ」

「ブラジャーくらいしておけよ。胸元のぽっチはダメだ」夏梅は馬鹿にしたように笑い。怪訝そうな顔して

「?乳頭?の事?」

「乳頭って言うな」

「乳頭は乳頭でしょ。他になんて言うのよ」

「それは刺激的だ」

「天十郎だって筋肉盛り上がって、乳頭がポチってなっている」夏梅はニヤリと笑い。天十郎の乳頭を指先でつまんだ。


「夏梅、やめろ!」過激になってきそうな二人を気にして、後から追いかけてきた蒲が口をはさんだ。蒲の叫びに近い声を無視して、天十郎が夏梅を抱いた腕に力を込めているようだ。


「いや、俺と蒲はいいけど。お前、子供が出来たら困るだろ」

「はあ?いや出来ないだろ」

「俺だって雄の本能あるからな、好きじゃなくても生殖本能で出来るからな」天十郎が夏梅にからだをすり寄せた。

「天十郎なんか裸のくせして、パンツとブラジャーと、どっちが無礼よ」 

「裸は慣れの問題だろ!お前が慣れればいい!」

「そうか、慣れたらいいのよね。じゃあ、君たちみたいに裸で歩くかな」



【夏梅が天十郎を突き飛ばし、興奮気味に服を脱ぎ始めた】


「二人とも、やめろ!そんなに仲良く喧嘩されると、生殖本能だとわかっている俺だって我慢が出来ない!」蒲が突然に叫んだ。天十郎は蒲を見た。蒲はかなり怒っている。


「夏梅、いい加減にしろよ、天十郎の雄を刺激するな、やっちゃうぞ」

「蒲、むかつく!やれるものならやって見なよ。天十郎を刺激されたくなかったら、君たちもっと謙虚に暮らしなさいよ」

「俺は夏梅の刺激にはほとんど反応しないけど、天十郎は違うのだから少しは配慮しろ」

「配慮って何をどうすればいいの?蒲は私にどうして欲しいのよ!蒲、あんた達のねちっこい痴話げんかに巻き込まないで!」

 夏梅は半泣き状態になった。


 蒲は天十郎が夏梅に興味を抱き、幼稚園児並みにかまう事に苛立ち、嫉妬で夏梅に対して牙を剥こうとしている。夏梅は愛されもせず、雄の本能の対象として責め立てられる痛みで半狂乱だ。何も悪くない夏梅の痛みを感じた僕は、つらくなり、天十郎を見据えた。


 それに気がついた蒲が下着を脱ぎかかっている夏梅に、「夏梅、ごめん、天十郎と話すから興奮をするな」と、飛び掛かって止めた。


 その様子に、天十郎がいたたまれないように立ち去った。僕は冷ややかに蒲を見つめ、少し様子を見ようと考えた。なにより、夏梅が嫌がりながら、妥協が出来ているようだ。それに、声に出してあらがう事が出来る相手のようだから、大ごとにならずに済むかもしれない。


 夏梅への対抗心から、弾みで一緒に住み始めた天十郎だが、ひょっとしたら何も知らない天十郎の存在が、抑止力になる可能性を秘めているのかも知れないと、思い始めていた。

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