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21、魔道具店の準備1

 まずは既存の魔道具店に置かれている品とその価格を調べることにした。

魔道具を作ることはできるが実際に流通しているものがどのようなものか鑑定で得た知識しかもっていない。

だから事前の調査と根回しは重要だ。私が魔道具店を始めたことによって影響を受ける人たちもいるだろう。

この世界に迷惑はかけたくない。ちょっと慎重になってしまうのは神様の影響かな。

ミナオサでは魔道具を扱っているのはミナグ商会以外には商業ギルドと討伐ギルドとフラカ武器店とフラテ防具店とミグル雑貨店だけだということだ。その商品は全て他の町や王都から運ばれてきているということだ。輸送は持ち回りで行っているが運べる荷物は限られているために種類も量も少なくなってしまうという。価格は町のなかではどこも同じだということだ。収納袋も使って輸送しているが他にも輸送が必要なものがあるので難しいところだ。生活をするには魔道具より大事なものは多く存在する。


「この町で生産できればいいのですがほとんどの魔道具工房は王都にあります」

「そうですか」

「タカシさんは工房も造られるのですよね」


 この町で生産できれば価格も安くなり多くの人が使えるようになる。

そして豊かな生活が出来るようになるだろう。

特に弱者の生活向上に貢献できたら嬉しい。


 そんなこんなでミナグ商会で魔道具を見せてもらっている。

そこで気がついたこと・・・。

魔道具を使うには魔力が必要だということ。

当たり前だ。いや、だから魔力がない人には魔道具は使えない。

だから必要な魔力をもたない人は魔石を利用する。

魔石は鉱山から採掘したり魔物の体内から得ることができる。

そのような魔石を調達してくれるのがハンターだ。


 この世界の人たちは魔力を保有している。

僅かであっても魔力がない人はいない。

しかし、多くの人が魔道具を使える量の魔力を待たないようだ。

一般人の魔力の平均は3だという。

それに対して一般的な照明の魔道具は10分で5の魔力を使う。

魔力があっても絶えず魔道具に触れて魔力を供給するのは現実的ではない。

だから魔石を組み込みそこからの魔力で魔道具を使う。

魔石の魔力がなくなったら魔力を注ぎ込むことも出来るがそれだけの魔力をもつ人は貴重だ。

だからハンターの集めてくれる魔石には価値がある。

私の作ってきた魔道具のように自動で大気や大地などから魔力を回復するということは出来ないようだ。

大体にして私の作っている魔道具には魔石が組み込まれていない。

それでも魔力を貯蔵できる。

私の作っている魔道具に比べて魔力消費量がとてつもなく多いというのも感想だ。

照明の魔道具で考えれば30倍も魔力を必要にしている。


 魔力0の私は此処にある魔道具を使えないか?

いや、私は魔道具を持っているのでそこに貯蔵している魔力を利用できる。

今だって身につけて魔道具からの魔力を使えば3000ぐらいは魔道具に魔力を簡単に流し込むことが出来る。


 照明の魔道具は本体が金貨十枚程度だった。しかしこれに6時間使える魔石をセットすると金貨三十枚は必要になる。

交換用の魔石も必要になるだろうし、魔力が空になった魔石への魔力の補充も必要だ。ランニングコストを大変に高いものになりそうだ。


 収納の魔道具も見せてもらった。

2立方メートルの容量で金貨十二枚。

但し出し入れに一回10の魔力が必要でさらに毎日10の魔力を供給しておかないといけない。

供給しておかないと中身がなくなってしまうらしい。

こりゃ大変だ。

だからオプションで魔石付きの収納袋が多く使われている。

但しこの魔石は特殊で希少なものだそうだ。特別な鉱山から産出する特別な鉱山魔石だそうだ。

魔石を付けると金貨200枚が必要になる。

王都でも金貨180枚になるという。

収納袋をよくみると魔方陣が描かれていた。改めて照明の魔道具を見るとこちらにも魔方陣が描かれていた。

私の作っている魔道具には魔方陣はついていない。


 「ご存じだと思いますが、魔道具には魔方陣が必ず必要ですからこれを扱える魔道具師は希少なのですよ。そして魔道具師の家系で魔方陣の重要な部分は門外不出ですので魔道具の生産は限られております。簡単な魔方陣は公表されているといえ、タカシさんは独学で魔道具をつくられておられるようで感心しております。」

 「いやそれほどでも。」


 私の作っている魔道具は特殊なものということか。

これって不味いということかな。

魔方陣のない魔道具って魔道具として認めてもらえるか疑問だ。

これって私の作った魔道具を販売出来るのかな。修理もするつもりだったけどこちらもアウトかも。


 「そういえば最近魔方陣が隠蔽されている魔道具が出ているのですが、かなり高性能で人気が出ています。魔方陣が『ブラックボックス』の入っていて中を確認できないので修理もその工房でしか出来なので儲けているようです。」

 「へー、そんなものがあるのですか。一度見てみたいですね。」

 「買い換えの時に引き取った壊れた魔道具に『ブラックボックス』のついたものがあったはずです。お見せしましょうか。」

 「お願いします。」







お読みいただきありがとうございます。

評価や感想をいただければ幸いです。

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