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14、16日目 ドラゴンがいる?


 最近体力がついてきたと思ったが上級鑑定の自己鑑定を使ったらで体力が1000を越していた。

この世界の最大値について詳しくは分からないけどかなり大きい値だよね。

私がこの世界転移してきた時の値が20だった。僅かな期間で50倍以上に成長してしまった。

強い魔物を多く討伐したのが影響しているのかな?

1km先の川までちょっと速足で歩いて2分かからずに行けるようになったし、この前は剣をうっかり落としてしまってビックボアを素手で軽く倒してしまった。

飛竜や地竜は流石に剣で倒した。

頑丈になって体力がついたのはいい事だと思う。

体力が上がり体に見えない鎧のようなものを纏っているようだ。

鎧といっても全く動きを阻害しないのだが。


 今から行く町はハリオ大陸フレイア王国ミナオサだ。

ミナオサ辺境伯の治める領都らしい。

街道まで340km、さらに街道を30km進まなくては着かない。

静止衛星からの情報だと森を出るまでの340kmのうち330kmは獣道しかなさそうだ。

川まで魔力車で移動してそこからは小型高速飛行船で約320kmを移動する。

そしてそこから歩きで街道まで出て再び魔力車で移動する予定だ。

『土木作業用ロボット』に川までの道を作ってもらってある。

魔力車も小型高速飛行船も使わないときは『無限収納』の中だ。


 朝9時に川の近くの広場から小型高速飛行船で出発した。

私の『マップ作製上級』は静止衛星からの情報からかなり正確な情報が入っているが小型高速飛行船で移動することにより、さらに詳細な地図が作ることができる。

時速150kmで進み、後20kmで目的の草原というところで気配探知によって草原での争いが分かってしまった。

静止衛星からも最新の情報を受け取ると30名ぐらいの人間にレッドドラゴンが襲い掛かっていることが分かった。

さてどうするか。

余り関わりたくないが見捨てるのも嫌だよね。

あとレッドドラゴンには興味があるしね。

おそらくプラズマ弾なら簡単に倒せると思う。

でも何となく剣で倒したくなった。

うーんどうしよう。

結界もあるし剣で倒してみようかな。

小型高速飛行船から出て飛行魔法で近づくことにした。

飛行魔法の方が小型高速飛行船より速度が出る。

小型高速飛行船は当然『無限収納』に入れた。

低空で飛んで現場の1km手前で着地して走った。

着地してから1分で草原についた時には建っているのは5人だった。


「加勢します」


剣を抜いてドラゴンに近づいた。


「もう無理だ。君は逃げなさい」


騎士風の男が叫んだ。


「ドラゴンを倒してもいいですよね」

「ああ、いいけど無理だ。あれはレッドドラゴン。国の騎士団100人で挑む相手だ」

「やれますよ」


近づいて飛行魔法を併用して飛び上がり首に一閃。

首が落ちた。

首が太かったが簡単に落とすことができた。

地竜を倒したときにも思ったが本当に切れ味のいい剣だ。

いい魔道具を創ることが出来た。


「「「「「え、」」」」」


みんな唖然としている。

おいおい、唖然としているような暇はないよ。

急がなくては行けないのは怪我人の救助活動だ。

いちいち治療をするのは面倒だから、


「エリアハイヒール」


まとめて治癒魔法をかけた。

ハイヒールでは部位欠損までは治療できないが行動は十分出来る体力も回復しているはずだ。

怪我をして倒れていた27名が動き出した。

死者はいないようだ。

良かった。


「ありがとうございます」


近づいて来たのは女騎士だった。


「大丈夫ですか」

「はい、お陰で助かりました。申し遅れました。私はミナオサ辺境伯の娘、アリサ フォン ミナオサと言います」

「あ、スズキ タカシ。いや、タカシ スズキです」

「家名をお持ちなのですね。家名を先になるというのは変わっていますね。外国ではありますけど。タカシ様は外国の方ですか?」

「まあ、そうなりますね」


その時、私の気配探知が警鐘を鳴らした。

もう1体のレッドドラゴンが近づいている。

距離は15km。


「すみません、もう1体レッドドラゴンが来たようです」

「え、早く逃げなくては」

「倒してしまいましょう」


ライフル型にした銃を出した。

距離は8kmまで近づいた。

使うのはプラズマ弾だ。

他の騎士たちはドラゴンを見て絶望的な顔をしている。

約5kmまで近づいたところで銃を撃った。

連射で3発。

弾はドラゴンの頭部にあたり、ゆっくりと森に落ちてきた。

鑑定では絶命になっている。

さあ、回収に行くかな。

ここで倒したドラゴンは所有はどうなるのだろう?


「えーと、このドラゴンの所有はどうなりますか?」

「あ、はい、当然タカシ様のものになりますがここだと運搬にすごく費用がかかると思います」

「あ、大丈夫です」


レッドドラゴンを『無限収納』へ入れた。


「え、収納魔法?収納の魔道具?」

「あ、魔道具の方です」

「そんな、国宝級の魔道具を持っているなんて。どこかの王族ですか?」

「いや違いますよ。一般人です。もう1体のドラゴンも回収しに行ってきますね」

「あ、はい」


5km先に落ちたドラゴンの回収は往復で15分ぐらいで完了した。

そして草地に戻ると辺境伯令嬢の一行は出発の準備が終わったところだった。


「ドラゴンは諦めたのですか?」

「いいえ、もう回収してきました」

「え、そんなに早く」

「はい」

「え、まあ。あのジャンプ力ですから当然ですね」

「ところで皆さんはドラゴンと戦うためにここに来たわけではありませんよね」

「ええ、この森でなければ手に入らない薬草を探しに来ました。見つける前にこんなことになって、一度帰ることにします」

「その薬草の名前はは?」

「ハイフレアライトという薬草です」


うーん、持っているよ。


「えーとこれですか」

「え、は、はい」


近くにいた薬師が呼ばれ、確認をした。

間違いがないようだ。


「では差し上げます。どのくらい必要ですか」

「1株あれば十分です。こんなに高価な薬草を分けてもらってよろしいのでしょうか。お幾らでしょうか?」

「無料でいいですよ。予備も考え3株持っていってください」


私の所では沢山生育している薬草だよ。


「タカシ様はこの後どうされる予定ですか?」

「町へ行こうかと」

「ミナオサですか」

「はい」

「では一緒にいかがですか」

「えーとまだ森で採集したい物があるので」

「それではミナオサに着いたら領主の館をお訪ねください。お礼をさせていただきます」

「いいですよ」

「そうはいきません」

「はあ、急がれているのですよね」

「あ、はい」

「では後日」


令嬢一行が去った後、草原外れに転移点の設定をして街道に向けて魔物や獣を倒しながら進んだ。

令嬢一行に追いつかないように2km以上の間をおいて進んだが森の出口に着いたのは夕方だった。

令嬢一行は馬車で街に向かったようだ。

おそらく5km先の野営地で野営をするであろうが。

仕方がないので森の入り口に転移点を設定して転移で拠点に戻ることにした。

お読みいただきありがとうございました。

評価や感想をいただければ幸いです。

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