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7話 スライム焼却?


スライムの生息地は、ゴブリンと戦った森と同じ場所だった。

あの時はゴブリンの生息地付近に行ったが、今回はスライムの生息地へ向かう。

スライムは森の入り口付近にいるとの事で、前回はあまり注視して見ていなかったが、今回は森の入り付近を歩いてスライムらしき物体を探した。


「アレね」

歩き始めて、しばらくするとシラメがその物体を見つけた。

緑色のドロドロした液体状の生物。

決まった形が無いのか丸まったり、伸びたり四角になったり三角になったりと何とも愛らしい生物だった。


「とりあえず、切り裂いてくるわ」

「は?ちょっと待」


俺が言葉を言い終わるより先にシラメは動いていた。

人の話を聞かないやつだ。もしアレが見た目と違い毒とか持っていたら、俺たちにはそれを治す手段はないのだ。


「硬化」

シラメがそう言うと、シラメの手が刃物の様に鋭く尖った。

アレで腹を貫かれたのだと思うと、気が気でならない。


「セェイ!」

気迫を込めた刺突がスライムを襲う。刺突によりスライムの身体に穴が空いた。


「セェア!」

そのままスライムの身体を両断した。


しかし。スライムはすぐに散り散りになった身体と合体し、元の形に戻っていた。


「ハァ!?意味わかんない!」


「セェア」「トウッ」「オンドリャァ」「カッ消えろ!クソスライムガァ」


おー怖い怖い。

シラメが何度もスライムを両断するも、スライムは直ぐに形を戻す。

そしてスライムは人の口みたいな物を作り、ニヤニヤと微笑んだ様に見せていた。


このスライム、シラメを煽ってる......。

馬鹿だな。シラメを煽るのは絶対ヨクナイ。


「ちょ!マコト!どーゆーこと?」


倒せないと判断したのか、こちらまで戻ってきたシラメに襟首を掴まれ、ガンガン揺すられる。とても苦しい。


「お、落ち着け」

「そうね。で?どう言うこと?」

「つまりだな。スライムは魔法もしくは炎を纏った攻撃でしか倒せないんだと思う。クエスト用紙に書いてあっただろ?」

「あーそーゆーことね」

「というわけでリタイアするしかない。帰るぞ」

「はぁ。これだから底辺は。頭を使いなさい。頭を」


シラメが頭を指でツンツンと刺してくる。うん。その硬化解除しようね?危ないよ?


「ヒール」

俺の頭は無事に治った。まあ少し刺されただけだから......少し刺されただけね。この感覚が変なんだよなぁ。あいつと共にいると感覚が狂う。


「あーごめ!刺さってた?解除っと。成る程ねー。火でしか倒さない......ねぇ?」

シラメが悪魔の様に微笑むと、踵を返して街へと向かった。


「帰るのか?」

「ええ。戦略的撤退よ」

「左様ですか」


戦略的撤退と普通に聞くと、負け犬の遠吠えに聞こえるのだが、こいつが言うと何ともまあ恐ろしく聞こえる。


★★★★★★



「こんにちはー」

街へ戻るや否やシラメは道具屋を訪れていた。道具屋を利用したことはないが、シラメは受付嬢のチルさんから色々情報を貰っているらしい。


道具屋はムンタウンの商店エリアと呼ばれる場所の中にあり、建物の看板には【道具屋】と書かれており、何ともわかりやすい。


そこに来店すると俺はその商品に目移りしてしまっていた。

ポーションやハイポーション、解毒ポーションなど、ポーション類から鉄の剣や鉄の盾など、簡易的な武具も置いてあった。


「おお!凄いな」

「ホントね。ポーションあればマコト必要ないんじゃない?」

「お前なぁ。ポーションは金がかかるけど、魔法は金がかからないから利点はあるだろ」

「そうかなぁ」


本当にやめてくれ。俺を役立たずみたいに扱うのは。回復薬なんて何の役に立つんだよって思ってはいるよ。だってポーションがあるなら好きなタイミングで飲めるし、魔法より役に立つのは分かるよ?

現に俺。クエストでほとんど役に立っていないしな。


シラメの子守的な?


「新人かい?」

店の奥から、店主であろう初老の男性が出てきた。


「ええ。ねえ店長!木箱を5つ貰えるかしら?」

「うん?」

「はて?木箱とな?」


俺と店主は全く同じ反応をした。木箱を何に使うんでしょうかね。

すり潰す?でも5箱って。


「売り物としては無いが、捨てる用の物ならあるんじゃがいいかの?」

「ええ、構いません。いくらですか?」

「最初から捨てる物です。差し上げますよ。新人の冒険者さん頑張ってください」

「ありがとねー」


おお太っ腹!というか俺が荷物持ちなんですね。そりゃそうか。それ以外役に立てないもんな。


5つの箱を持ちながら、街を出て先程のスライムのいた場所まで戻った。


「お、まだいるじゃん!」

シラメは1匹のスライムを見て、そう言った。

スライムの違いが俺にはわからないが、シラメには煽られた恨みがあるのか直ぐに見つけていた。

スライムとスライムで「また来たのか笑」とでも言いたそうな顔を作っていた。


「それでどうするんだ?」

「木箱の蓋を開けて、スライムを箱の中に入れていって」

「え?」

「見本見せるわ」


そういうとシラメは煽られたスライムの方へ歩いて行くと、スライムを鷲掴みにした。


「切れなければ、持てるのよねぇ。あらあら逃げてもよろしいのですかぁ?死んじゃいますよぉ〜おほほほほ」

悪魔の顔をするシラメに鷲掴みにされたスライムは、ニヤニヤと笑いながら、その身体を分裂させた。


「あら?自分から入るとはいい子ね」

スライムが落ちた先は、木箱の中だった。手に残ったスライムの身体を木箱の中に叩き込むと、シラメは「ザマァ」と笑い、木箱を閉じた。


「このようにやります」

「あ。。。うん。はい」


木箱を開け、スライムを掴み取り分裂した身体が木箱の中に入るのを確認して、手に残る残骸を箱に入れて蓋を閉める。


これをどのように扱うのか。何となく予想できるが、しないでおいた。


5箱分のスライムを箱に詰め終わり、箱を持って帰ることにした。

スライムが入った事で少し重さを増したため、シラメが2つ、俺が3つを持って街まで戻った。


中には生きたままのスライムがいるのだが、街に持ち込んでもいいのだろうか。


「さあ!討伐よ!あのスライムだけは許さないわ」

笑顔のまま、スライムを街の中へ持ち込むシラメ。

俺はその後を付いて行きながら、きっといけないことをしているんだろうなとわかりつつも気づかないフリをした。


だって気付いちゃうとさ、止めないといけないじゃん?嫌だよ。シラメのこの顔。止めようもんなら俺が仕留められかねない。



「ここよ」

そう言ってシラメに連れて来られたのは、この街にある銭湯だった。

この街には銭湯は一箇所しかないため、お風呂を利用しようとなると自然とここに来ることになる。


「風呂に突っ込むのか?これを」

「は?なに言ってんの」


俺の予感はどうやら外れたらしい。

でも銭湯に来てスライムを倒すとなると、他に何かあるのか?


「お風呂に入るのにお金がかかるでしょ?そんなの意味ないじゃない。だからねこっち来て」

シラメは最もな事を言い、銭湯の建物の裏手に向かった。


そこには大量の薪が置いてあり、大きな薪風呂釜は現在も火を上げて風呂を沸かしていた。


「まさか」

「お、気づいたわね。そういうことよ。ほらバレないうちにやっちゃうわよ」


そういうとシラメはスライムが入った木箱を、薪風呂釜に放り込んだ。


(助けデェェエエエ)


......


「気のせいよ。アイツらが言葉を発するわけないわ」

そう言ってシラメは次の箱を放り込む。


(ウゴァアアアアアア)


......


「五月蝿いわね。静かに死ねないのかしら」

そのままシラメは残りの全てを、釜に入れ終わると、俺の番になった。


「はあ。やるしかないか」

俺は無心で釜の中に箱を投げた。


(ァアアアアアアア)

(ナンデデスガアアア)


「気のせいだな」

「気のせいよ」

お互いに納得していると、薪風呂釜の中から5つの緑色の魔石が飛び出して来た。

それを回収して、そのままギルドへ向かった。






「お疲れ様でした。ではこちら報酬の銅貨5枚になります」

受付嬢のチルさんに、スライムの魔石を渡し、報酬として銅貨を受け取りいつも通り帰ろうとした時だった。


「あ、マコトさんシラメさん少しお待ちください」


チルさんに呼び止められた俺は、スライムの倒し方について怒られるのかもしれないと思い、恐る恐る振り返る。


「えと、明日毎月恒例行事のギルド総会を行うので朝から冒険者ギルドに来てください」


次話の更新は明日になります。

よろしくお願いします。

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