50話 学校
「久しぶりだなぁ!サボリ魔が何しに来たんだ?」
はい初日から絡まれましたっと。
誰だこいつ。ベルの友達か?
それともベルはいじめられっ子だったのか?
触らぬ神に祟りなしだ。
無視しよう。
現在学校に来ていた。
騎士養成学校らしく、魔法や剣、社会に歴史など様々な授業があるとカノが教えてくれた。
カノが入っているシラメは学年が一つ上らしく、登校して早々に別れてしまった。
もう一人の仲間、ルーファスはというと飛び級をした優等生ということで、歳下なのだが同学年だ。まあクラスが別なのだが。
クラスは学年毎に4クラスあり全3学年である。
俺のクラスは1-3だ。
カノから聞いた情報を頼りに教室に行くが、初っ端から絡まれてしまったのだ。
「無視すんじゃねぇ!」
金髪オールバックの男に背中を蹴られた。
俺は暴力を振るわれるとは思っていなかったため、攻撃に無抵抗のまま机に顔面ダイヴした。
「ヒャハハハハハハハハ!ダッセェ!俺様を無視すんじゃねーよバーカ」
イッテェなおい。
三下みたいな台詞どうもありがとう。
まあやり返しなんてできないんですけどね。
俺は回復専門だから。
「ヒール」
俺は一瞬で傷を回復させた。
そういえば、スキルポイントを振ってスキルを習得できるんだっけか。
また今度試してみよう。
一つくらい攻撃系スキルを持っていても損はないだろう。
「はあ。どこの世界にもいるんだなあ。ああ言う奴」
俺は自分の席であろう空席に座る。
クラス全員が席に着くのを待ち、空いた席が俺の席作戦は無事成功したようだ。
「マコト君。今日はどうしたの?いつもあいつの言うこと聞いて問題は起こさないようにしていたのに」
席に座ると、俺の前の席の亜麻色の髪の美少年が話しかけて来た。
顔は可愛いが、制服が男物たったので、美少年だと判断した。
「ええとすまん。誰?」
「え。何それ冗談?流石にその冗談は詰まらないよ」
美少年の顔がみるみるうちに曇っていき、先程までの笑顔が消えた。
「あ、ええと、アレなんだ!記憶喪失!昨日まで休んでたのは記憶喪失だったんだ!」
テキトーに言い訳をしたのだが、嘘ではない。ベルの記憶無いしな。美少年はキョトンとした顔をして、俺の前でピストルのような形を指で作って俺の胸に当てた。
「嘘だと思ったけど、これは本当みたいだね。心臓を撃たれて平気でいるのはそれが真実だという事だからね」
ん?
心臓を撃たれて?
何も撃たれてないが。
「そ、そうなんだ、だから色々教えてもらえると助かる」
「了解!じゃまずは自己紹介だね。僕は、アルロード・ザルナック。アルロードって呼んで」
「よろしく、アルロード」
「先ずは学校について説明しようと思っだけど、やりながら覚えていった方が早いよ。ほら授業だからこの話はまた後で」
アルロードはそう言うと、前に向いた。
キーンコーンカーンコーン
間も無くして、チャイムが鳴り、教壇の前に先生であろう白髪の男性が入ってきた。
「起立!礼」
この辺は地球にいた時と同じで助かる。
「それでは授業を始める、教科書38ページを開いてくれ」
教科書はカノに持ち物を用意してもらっていたので、その辺は揃っている。
まあシラメに「ちょっと!勝手に動くな!」って言われて言い合いをしながらだが。
「そしてこの火属性というのは......」
うん。よくわからない。
空が青い。
いい天気だなあ。
「ト!」
「マコト!」
「うえ!?は、、はい!?」
「何をぼーっと空を見ている!この問いにお前なりに答えろ」
空を見ていて、先生に呼ばれていたことに気づかなかった。
教室からクスクスという笑い声が聞こえて来て、恥をかいた。
とは言っても問題はなんだ?
いや例え問題が分かったとしても答えられないだろうけど。
「もう一度聞く。神域魔法について自分の見解を述べよ」
あ、はい。
「クソ魔法」
ほんっっと!クソ魔法!ルーファスの使う魔法にロクなもんはない!
魂を代償にとか、肉体をとか!
俺は周りが静まり返っていることに気がついて、先生を見た。
「後で教員室に来なさい。話しがある」
「は?ええと、何で?」
「お前は何を言ったのか分かっているのか!神域魔法は神の域に達した者のみが行使できる、最大の魔法だ!それをクソ魔法などと!口が裂けても言えぬわ!」
「俺が見た事のある神域魔法使いはそんな感じでしたけどね」
「それはお前んとこのルーファスの事か?もういいわかった。ルーファスのバカさ加減はよく知っている。アレが近くにいれば基準も自ずと変わってしまうか」
先生はそう言うと黒板に向き、チョークで字を書き始めた。
現状のルーファスの悪評=メリンの悪評って事だよな。
やっぱ師弟か。二人共神域魔法を使いと言う立場にありながら頭のネジが吹き飛んでるような奴らだからなあ。
そんなこんなで1限は終わり、2限目は騎士学の授業と言う事で、教室から移動してコロッセオのような場所に来ていた。
「2限目を始める!」
「「「はい!!」」」
坊主の男が腕を組みそう言うと、生徒達は大声で叫んで整列した。
「ではまずは準備体操だ。二人一組でやるように」
坊主の男は担任のようだ。
騎士学の担当はこの坊主か。
筋肉は控えめだが、内に秘めた闘気を感じる。......嘘だけど。
ただのハゲたジジイにしか見えねぇ!
「マコト儂の頭に何かついとるか?」
しまった目があってしまい、話しかけられた。
「ええと剃り残し?」
その瞬間、生徒達の表情が凍りついた。
「たわけ者が!これは自然消滅じゃああああああああああああああ」
坊主は叫び、剣を抜き襲いかかってきた。
「は!?ちょ何やって」
「準備運動じゃよ!」
「嘘つけ!殺すつもりだろ!」
「なんでそんな事がわかるんだい?」
「シラメと同じ匂いがしてんだよ!」
俺は全力疾走で逃げ、坊主が剣を持って追いかけてくる絵面は教育なんてものではなかった。




