40話 決着
「さ、大技行ってみよー」
などとほざくシラメとそれを聞いて、ここぞとばかりに前にでるルーファス。
「任せておけ!妾はマコトがおれば怖いものなしじゃわ!」
そんな事を胸を張り堂々と言うので、何をし出すのかと思えば、詠唱を始めた。
「雷鳴よ轟け、獄炎の如き雷で妾の魂を焼き焦がせ。さあ!裁きの時だ。ミョルニルよ。その真価を我に見せよ!」
ルーファスがそう唱えると、ルーファスが手に持つ金槌が紫に発光し爆破した。
「ぬう。失敗じゃ。マコトヒールを頼む」
何かの技かと思えば、ただただ自爆し丸焦げになったルーファスが煙の中から出てきた。
「何してんだお前。ヒールヒール」
俺はルーファスにヒールを使い、ルーファスを回復させるとルーファスは再び胸を張って叫ぶ。
「雷鳴よ轟け、獄炎の如き雷で妾の魂を焼き焦がせ。さあ!裁きの時だ。ミョルニルよ。その真価を我に見せよ!」
「ふぎゃ!」
再び詠唱をしたルーファスの持つ金槌が紫に発光し爆破した。
「ハアハア。ふふふ何度だってやってやるわ。妾に従うまでな。そんなわけでマコトよヒールを頼む」
煙から出てきたルーファスは先程同様、ボロボロの丸焦げになっていた。
そして軽く意地になったルーファスは、もう一度やるためにヒールを要求してきた。
「なあルーファス。成功率は?」
「ミョルニルの50%以上の解放は50回に1度くらいしか成功せんが?」
2%くらいか。
スマホアプリのレアガチャでいうなら最高レアリティ排出率くらいか。
レアガチャ1回につき、死にかけるこのガチャは引くべきでは無いと思う。
「ヒール。やって見なさいな」
「おう!わかるではないか!ゆくぞ!雷鳴よとど、ふんぎゃぁ!」
詠唱の途中で金槌が紫に光り爆破した。
金槌もこう何度も何度もやられるとは思ってなかったんだろうな。
全部聞くまでも無いって感じの反応だったな。
「何じゃこれは。金槌自ら妾に反逆するとな。ええい!よかろうて。引き当ててやろうぞ!雷めっふんぎよあああああああ」
一人で爆発し続けるルーファスを、周りの連中は面白そうに見ながら笑っていた。
フィーアの二人も笑い始める始末。
そしてお菊でさえ笑っていた。
俺はもう悲しいよ。
この馬鹿は。本当に何やってんだよ。
「ヒールヒール」
俺は無心で丸焦げのルーファスを回復させた。
「隙ありね」
「あっ」
目の前では、取り押さえていたお菊に逃げられるアージ。
「あっ」ってなんですかね。貴方はSランクならそのミスはしちゃいけないでしょう!
というかそうなったらルーファスの努力はどうなるんですかね。
「はあやっぱり信頼できるのは仲間よね。ね?マコト」
シラメが首を横に振りながらこちらを見てきた。
「うん?」
「加速」
シラメはそういうとスキルを使い、スピードを上げアージから逃れたお菊を殴り倒していた。
「隙ありね」
「ちっ」
シラメは直ぐにお菊の腕を、背中に回して押さえつけた。
「マコト来て」
「え?」
「早く!」
「お、おう!」
俺はそう言われたのでそこに何も考えず行ってしまった。
「はい」
俺はそう言われ、押さえつける担当を変わっていた。
「え?。ちょま!ハァアアアアアアアアア?」
「さ!ルーファス敵はマコトよ!一気に叩きのめしちゃって!」
ルーファスの所に戻ったシラメが物騒な事を言う。
ルーファスはキラキラと目を輝かせながらこういった。
「マコトなら信頼できるのぉ!これは滾ってきたわ」
「離しなさい!」
「ごめんなさい。無理です。離したら俺多分貴方に殺されますよね?」
「ええ。もちろんよ」
「ほらぁ。じゃ離したく無いですよ。つーか離さなくても死ぬかもしれません」
「は?どうしてよ?」
「まあ見ててくださいよ。うちの狂人達を」
「は?どういう」
「雷鳴よ轟け、獄炎の如き雷で妾の魂を焼き焦がせ。さあ!裁きの時だ。ミョルニルよ。その真価を我に見せよ!」
その瞬間、空が曇り紫電の雷がルーファスの金槌を打った。
ルーファスの金槌ミョルニルは紫電の雷を纏い、そこから全てを覆い尽くすような覇気を発していた。
「来たか」
ルーファスは金槌を構えてそういった。
成功した。
俺はそう思いながら、その技を見たことがないため、どのようにして攻撃するのか不安になって来た。
俺巻き込まれないよね?
「はーいみなさーん。危ないですので、この人の後ろに集まって下さ〜い」
そんな俺の不安なぞなんのその。シラメは周りにいた冒険者や住民を一斉にピュートの後ろに集めた。
「ピュートだっけ?任せたわよ!」
「ええと。何を?」
「守ってね」
「ええと。彼はいいのかい?」
ピュートは俺の方を見ながらそういうが、シラメは俺を見て、笑いながらいった。
「あーマコトなら大丈夫よ!頑丈だから」
「は?ちが、ああもう!動かないでもらえます?」
シラメに言おうとした途端、お菊が逃げようとするのでそれを無理矢理抑え込む。
「あなたはいいの?仲間にこんな風に扱われて」
「そう思うなら攻めてこないで欲しいですよ」
「それは無理ね」
「はぁ。話ができないとはこの事ですよ」
「フルガードパーフェクトバリア」
ピュートがそういうと周囲を守るように、分厚い透明の壁が展開された。
「ルーファスお願い」
それを見たシラメがルーファスに合図を送ると、ルーファスはニヤリと口を歪めこちらを見た。
「心得た!ゆくぞ!ミョルニルよ!爆雷轟殺破(半)!」
ルーファスは飛び上がり俺達の上にまで来るとそれを振り抜い......
「なギャアアアアアアアアアあああああああ」
空から百以上の雷がルーファスを撃った。
どういうこっちゃ。
空から雷に撃たれ丸焦げになったルーファスと、バチバチと雷を走らせるミョルニルが落下してくる。
俺達めがけて。
「へ?」
「ねえまさかあれ」
俺とお菊はきっと同じ事を考えていることだろう。
この攻撃はきっと。
いや確実に。
振り抜くことがスキルではなく。
これからそのスキルが発動され...。
「いやぁああああああああああああ」
「うわあああああああああああああ」
俺とお菊の絶叫を最後に、二人にミョルニルがぶつかった。
周囲一帯を巻き込んだ爆発は、その近辺にあった建物を破壊して、その場所にクレーターを作った。




