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19話 魔族の気配


「全く。なんの騒ぎだ?」

私がギルドマスター室で仕事をしていると、ギルドの方がとても騒がしくなっていた。

ギルドマスター室はギルドの2階にある。

1階がギルドカウンターなどメインの場所であり、こちらへはそう来る人もいないのだ。


だからたまに人恋しさにギルドへ顔を出したりはするのだが、今回はそんな理由では無い。

騒がしいなんてものじゃない。


狂乱だ。


私がギルドマスターを務めているこの街のギルドが変なのは知っている。だが今日は一段と異常だ。

見に行かなくてはならないだろう。


「今日は何が起こったのだ」


私は独り言を呟き部屋を出た。





「やめ!イヤァアアアアアアア」

紫色の髪の女性に抱きつかれ、逃れようとするマコト殿。


「すまん。血飛んじまったな」

「いえもう。気にしないでください」


血だらけのジャケットを着た青髪の青年と、血だらけの受付嬢のシフォン。


「えー精霊見せてよ〜」

「イヤ。しつこい。」

「可愛いなぁ〜」


女の子にベタベタと触るシラメさん。それを剥がそうとする赤毛の女の子。


「あ、待ちなさい」

私は目の前を通り過ぎようとした空間を掴む。

何もないはずの空間だが、手を伸ばしそこを掴むように手を動かすと何かを掴んだ。


「ぬっ!やめんか!この力を見破るとはお主何者じゃ!ぬ?シャニィではないか」

「ルーファス。何の騒ぎだこれは」

「妾は何もやっとらんぞ」

「その何故か穴の空いた鎧に穴を増やされたくなければ、説明して」

「なんじゃ?妾を脅すと言うのかの?甘いのぉ。これは神具なん.....じゃ、、よ?」


グジャという音と共に、ルーファスの鎧の肩の部分が凹んでいた。

シャニィは鎧をその握力で凹ませたのだ。


「わ、わかったわい!話す!話す」

「そう。物分りが良くて嬉しいよ」

「ちなみにじゃが何日間仕事詰めじゃ?」

「1週間程だ。まだまだ働ける」

「お疲れじゃの」

「話して」

「はい」

(馬鹿じゃろ!シャニィは昔から疲れると若かりし頃のヤンチャな性格が顔を出すのじゃから、仕事の把握をせんか!)

ルーファスは心で叫んだ。


そうしてルーファスはことの全てを話した。

ちなみに何故マコトやシラメと仲間になったのかも聞かれたので、今は関係ないじゃろと言ったがそこも話せといのでルーファスはそれも含め話した。


「なるほど。このクソガキ共が」

シャニィの口から漏れた言葉は、この人の事を最近知った者からすればありえない言葉だろう。

シャニィは続いてその美しい赤髪のポニーテールを外し、髪を前からかきあげた。


「逃げるが勝ちじゃ」

ルーファスはアイドス・キュエネーに魔力を通して透明化しようとした。

しかしルーファスは足を進めようとしても、その場から離れられなかった。


「ええい!離さぬか!ぬぁああああ!やめんか!」

「面倒だ、マコトの所任せる」

「ぬえ?」

ルーファスの身体を持ち上げ、シャニィはマコトも紫髪の女目掛けて、ルーファスをぶん投げた。


「ヌァアアアアアアアアア」

ドコォンという破砕音と共にルーファスは二人に直撃した。

「いったぁ〜ちょっと何!いい所だったのに」

「助かった......のか?」


何が起きたのかわからない二人は、目の前で落ちているルーファスを見て、え?これが飛んできたのか?と思った。

「ええと。何が起きた?」

「妾はもう知らん......マコト。ヒール」

「ん?何だかよくわからんが無理だ。MP切れだから」

「ぬぁ!?しまったァアア」

「マコト君って言うのね。いけるわよ。だって粘膜接触で私のMP送り込んだもの」

「......ヒール」


黙ってヒールを使ってみると、全然普通に使うことができた。それにMP切れで怠かった感覚はなくなっていたので、本当にMPが回復したようだ。


「ぬえ。今のはなんじゃ?なんの会話じゃ?あの紫色のベールの中で何が起こったのじゃ?」

「あら?知りたい?そりゃもうねっとりとくちゃくちゃとたのッ」

「なな、な、な、な、何言ってんだあんた!」


俺はヒューラの口を押さえてこれ以上、話さない様にした。



ドゴォオオオオオオオン


という破砕音が再び聞こえた。

ギルド中が静まり返り、その音の元を見た。



「テメェら!ウッセェんだよ!次から次へと。テメェら全員纏めてあの世に送ってやろうかッ?このチ○かす共!」



え。


俺は夢を見ているのだろうか。

俺の目の前で、声を荒げているのは雰囲気は違うがシャニィさんだ。

髪は束ねてないし、なんか目付き怖い。

服装は白色の丈の長い服と白色のゆったりとしたズボンなのだが。

いつも閉めている前のボタンは全て閉めておらず、その服に変な文字が浮かび上がっていた。


【天上天下唯我独尊】

【堕魔羅星流】

【滅殺・圧殺・撲殺】

などなど。

ヤンキーやん。

怖いよ。


「おいテメェら!いい加減にしねーとブチ殺すぞ」


「あれ?姉さん?久しぶりっす!」

「ああん?」


そう話しかけたのは、アージだった。


「テメェか。なんだよここになんか用か?」


知り合いなのね。姉さんて何ですか。

そして俺は現実を直視できませんよ。俺の知ってるシャニィさんは何処いづこへ。


「んー王国から派遣されたんすよ。姉さんはギルマスやってんすよね。その性格止めるために王国離れたんだと思ってました」

「あ?ギルマス知んねーよ。つかテメェ変なもん連れてくんなよ!」

「変なもん......ああ。姉さん彼狙いっすか?すんません。アレ今のうちのメンバーなんすよ」

「は?ち、ちげーし!てきとー言ってんじゃねぇ!」


そう言って頭を叩かれたアージはなんだが嬉しそうだ。

何なのだ。


「久しぶりシャニィさん」

また話しかける人物。鎧の団長さん。なんて名前だっけ。


「チッ。ピュートも来たってことはテメェらが派遣されたのかよ。ウゼエ」

「迷惑かけないつもりだったんだけど、いきなりかけちゃったみたいで、すみません」

「わかってんならさっさと帰れ」

「それはできないんだ。問題が生じた。少し話がしたい。いいかな?」

「アァン?ウッセェ」


シャニィさんは軽く団長さん......ピュートを殴るとピュートが軽く宙に浮きそのまま壁に激突した。


「イテテ......久しぶりにくらったなこれ。衰えてないみたいで安心した」

「そーかよ!んで何の用だ」

「なるほど其方もこちらの実力を見たかったんだね。そりゃそうか。もう7年くらい会ってないからね。単刀直入に言うよ」

ピュートは立ち上がり、皆の視線を集める中で大きな声で言った。


「この街の近くに魔族がいる」




ーーーーーー


ムンタウン在住とあるCランク冒険者


「ふぁ〜今日も一日頑張るか」


男はベッドから降り、狭い部屋の中にはベッドとクローゼットしかなく、この部屋では寝て起きるしかしていないのだろう。


男は部屋を出てた。

ここは宿屋の一室だ。

部屋の前には別の部屋があるし、隣にも別の部屋がある。

部屋を出て、少し左へ歩いて行くと階段があり、それを降りると受付がありそこを通り外へ出るのがいつもの行動パターンだ。


今日も同じ様に、剣を腰のベルトにはめ、盾を持ち、防具をつけて部屋を出ると部屋の前に便箋が落ちていた。


「またか」

男はそう呟き便箋を拾う。

またかという言葉からそれが今日だけのことではないことが伺える。


「また街の前にいるとか書いてんのか。いったい誰だよこんなことするやつ」


男はそう言って便箋の封を開けた。


ーー


あたしメリー。


今あなたの後ろにいるわ。



ーー


と書かれていた。


それを読んだ途端男の体に寒気が走る。

男の表情から動揺が伝わってくる。


「じょ、冗談だろ」

男は震えながらも、冗談だとわかっていながらも自分の背後に勢いよく振り向いた。


「ほら誰もいな.....うわぁあああああ」


「あたしメリー。さようならお兄さん」


目の前にいたのは金髪の可愛い女の子だった。


そこで男の意識は......命は絶たれた。


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