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1話 バッドステータス


俺と、しら...しお....女は異世界の森の中にいた。

あの神様が送り先はできるだけ人目のないところにすると言っていたので、仕方はないと思う。


でもな?


「ねえ真君。街はどっち」

「お腹空いた」

「やばいじゃん!スマホ動かないよ」

「やばいトイレ。トイレどこ!?ここでやるよ?真君?こっちみないでね?」


なんなんっだ!この女!彼氏に振られた?理解できてしまうよ!

まずは俺に謝れ!俺を殺したのはお前だぞ!ああそれと、わがまま言い過ぎだ。

んで、スマホだと。異世界だから当たり前だ馬鹿か。


んでトイレがどこって。森にトイレはない。んでここでやるから見ないでってか。


うん?



うーん?



ハ?


なんか音が......聞こえる。


落ち葉にあたる水の音。そして何かが吹き出す音。女の「はぁ」という息。



「ぬあぇ!!?!?!」

俺は咄嗟に振り返りそれを目に入れてしまった。

この女......マジで森で花を摘みやがった。


花を摘み終わった女と目があった。

「あ......すまん」

「なっ......み、み、見るなって言ったじゃんかァアアアアアアア」

女は近くにある石を俺に向かって投げつけてきた、痛い。だがこれは甘んじて受け入れよう。

流石に俺もデリカシーがなかった。いちおうこの人も女だからな。


「ごめんって痛い!痛いからやめれ!死ぬから!マジ死ぬから!」

甘んじて受け入れるなんて無理だった。本当に痛い。当たり所によっては本当に痛い。

地球にいた頃でも石を投げつけられるなんて事無かったし普通の威力がわからない。


もしかしたら、ジョブが戦士のため、威力が上がっているとかあるのかもしれない。

いいなぁ戦士。


「お前さ、女なんだから流石に考えて行動しろよ」

「はいはい。んでどこ行く?」

「街まではあの神様がまっすぐ太陽の出る方向へ歩けって言ってたから東へ行けって事だろ」


俺は女に背を向け、女が下着を履くのを待ちながら、今後の方針について話を進めた。現実として2人は共にいなくてはならないので、離れて動くのは無理。片方が死んだらどうなるかも定かではない、道連れ死の可能性だって、大いにある。


それは絶対嫌だ。転生後の世界でも道連れで死んでしまいましたなんて、俺の人生救えなすぎる。


つまり2人で生き延びつつ、この女をどうやって切り離すか考えなければならない。1キロは離れられるのだ。

あとはバッドステータスについても一度やって見てもいいかもしれない。

事と次第によっては離れてもいいかもしれないしな。


「イッ」

あれ。頭が痛い。急に頭痛?


「ゴェェ」

え?何だ?俺の目の前に汚い液体が溢れていた。どういうことだ。俺は今嘔吐したのか?


何でだ。俺は今まで平気だった。元気だったはずだ。

何があった?魔物から攻撃?いや近くに魔物はいないし、あの神様は比較的安全なところへ送るって言っていた。


腹が痛い。激痛だ。


「ォエエエエエ」

俺は再び嘔吐した。腹の中のもの全部出るんじゃないか。これ。

死ぬ。やばい。頭痛、腹痛、嘔吐。身体が動かない。

転生前に食べていたであろう物たちが吐き出される。


異世界のウイルスでも拾ったか?そうだとしたら、症状出るの早すぎるだろ!

「助けてくれ」

俺はそう言って後ろを見ると、女はその場から消えていた。


「え」

俺の口から出た「え」はそれと同時に別の物体も口から吐き出した。


「ぇおぇええええええ」


そ、そういえば、神様がなんか言ってたな。ステータスといえば、自分にしか見えないステータス画面が表示されるようにしたって。


「ステッボエガァアアアアアアア」

ステータスと言う前に溢れ出る液体。酷くなってる......。

視界がクラクラしてきた。

もう腹の中の空なんじゃないかな。


「ス、ステ......ェタス」


【名前】

マコト

【ジョブ】

回復師LV1(神譲)


【アクティブスキル】

ステータス(神譲)


【パッシブスキル】

言語共有(神譲)

文字理解(神譲)

回復量アップ(神譲)

魂の誓い(神譲)


【現在の魂の誓いによるバッドステータス状態】

嘔吐(呪)

腹痛(呪)

頭痛(呪)

思考遮断(呪)


【魔法】

ヒール



なるほど。なんとなくだがわかった。


【現在の魂の誓いによるバッドステータス状態】


つまりこれはアレだな。


「クソ甘ァアアアアアアア!とっとと戻って来やガルネェエエエエェエエエエ」


叫びながら俺は最後の腹の中の物を吐き出した。



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