15話 報告と来訪
「ええと、何の用でしょう」
現在俺達はコボルト討伐クエストの達成を、報告するためにギルドに来ていた。
ギルドの受付でいつも通りチルさんを探したが、見当たらず別の受付嬢の女性に話しかけた。
「コボルト討伐クエストの達成報告に来ました」
「そうですか。では魔石を」
「はい」
俺は鞄(ただの袋)から魔石を取り出して、カウンターの上に乗せた。
コボルトの魔石が5つと、ちょっと強いコボルトの魔石も出した。
ちょっと強いコボルトとコボルトが別個体の可能性も考え、シラメに頼んで一匹多くコボルトを倒してもらった。
ちなみにルーファスの働きは獲物を引きつける係を担当してもらえたため、今回は俺の被害は少なく済んだ。
ルーファスの回復と、魔石剥ぎ取りである。
「ええと、コボルトの魔石5つは確かに受け取りました。それで......こちらは?」
受付嬢がちょっと強いコボルトの魔石を恐る恐る指差しながら、質問して来た。
そんなに怖がらなくても怪しいものではないんだけどなぁ。
「ええと、ちょっとだけ強いコボルトを倒したて魔石にしたらそれが出てきたんです。俺もあまり詳しくはわかりませんが」
「少し調べますね」
「え?出来るんですか?」
「まあ、受付嬢になるには解析スキルは必須ですので、というか今日は静かですね。シラメさんは?」
解析スキルなんてものもあるんだな。俺も覚えられたら覚えたいがスキルの習得の方法なんて知らないしな。
シラメか。シラメは今は......。
「お腹空いた」
「我慢するのじゃ」
「毎日夜ご飯しか食べないっておかしくない?」
「なぬ?お主らそんなに貧乏な暮らしをしておったのか?妾は毎日3食食べとるぞ?」
「なんで!?ズルイ!私も食べたい!奢って!」
「いーやーじゃ!鎧の修理代の事を考えるとそんな無駄遣いしてられんわ」
「あっそ、ならもっと穴増やそーかな。硬化」
「な、な、な、な、な!何でも奢っちゃるわぁッ!」
「最初からそう言えばいいのよ。というわけで、マコト報告行ってきて、私はご飯食べてくる」
「というわけでしてね?酷くないですか?俺も毎日夜ご飯しか食べてないんですよ?」
「あ、あらら。それはまた大変ですね。それで何処で食べていらっしゃるのですか?」
「あそこ」
俺はそう言って、ギルドのフードコートを指差した。
そこには、大量の皿を机に積み重ねるシラメと目の前で肩を落として、暗い顔をするルーファス。その周りを冒険者達が見学していた。
「え。アレですか?てっきりフードファイターの方かと......あれ?というかその会話だと3人目いません!?」
「ああ。増えたんですよ。というかよく知ってますね。俺のパーティーメンバーの人数」
「有名ですし?ヤバイ新人が現れたと」
「なるほど。ヤバイは悪い意味ですよね。あそこに座ってるフードを被って鎧をつけて、金槌を机の横に置いている女の子が新メンバーです」
俺がルーファスを指すと、受付嬢は俺の指先を見て、口を開けたまま固まっていた。
「ええと。どうしましたか?」
「アレはルーファスっていう名前の人では......ありませんよ、ね?」
「そうですが」
「ははははですよね違いますよね。......うぇえええええ!?ルーファスを仲間にしたんですか?あの自爆魔法使いを?」
「まあもういいんです。シラメの矛先が別れるならもうそれでいいって事にしました」
「何ともまあ。悲しい理由ですね」
哀れんだ目で俺の事を見ないでください。悲しくなりますから。
「ああそうだ。解析結果ですが、コレはですねコボルトナイトと呼ばれるコボルトの上位種ですね。ランクDクラス相当の敵であり、熟練された武器捌きはスキルも使うと出ています」
コボルトナイトね。
ランクDだから強かったのね。やっぱり逃げるべきだったよな。
スキルってのは俺がくらったあの斬撃だろう。気づいた時には身体が斬られていた。
「ですが変なんですよ。コボルトナイトという種はですね。巣を守る護衛役なんです。つまりその辺の森にまで出てくるようなモンスターじゃないんですよ。あ!ええと......攻め込みました?」
何を心配しているんですかね。この人は。俺達ならコボルトの巣まで行きかねないと?んなことするか。
「普通の森にいましたよ。あのですね。死にかけたんですよ?というかギルドとして危険じゃないですか。下位のクエストにそんな強いモンスターが出てきたら安心して行けませんよ」
「そうですね。これはギルマスにも相談しておきます。何せもし本当なら森で何かが起きている可能性がありますから」
ギルマスか。シャニィさん......。迷惑はかけたくないんだがな。
「その話聞かせて貰ったよ!」
あ?
突然ギルドの扉が開き、4人の男女が入ってきた。
ギルドの中にいた皆がそちらを見る。ギルドは静寂に包まれ、そして間も無くして大歓声が起きた。
「うぉおおおおお!フィーア・ドラゴンズじゃねーか!」「何でここにいるんだ!?」「ちょっと待って!白の勇者様よ!」「王国Sランク冒険者が何でこんな街に!?」「キャァアア」
「ええと誰ですか?」
俺は口を大きく開けて、周りとは対照的な反応をする目の前の受付嬢に聞いた。
「Sランク冒険者チーム。フィーア・ドラゴンズの皆さんよ」
ギルドに入ってきたのは、王国Sランク冒険者チームだった。




