13話 神域魔法使いルーファス2
「ハイじゃあまずは履歴書見せて」
一体何が始まったというのだろうか。
俺は今部屋のベッドの上に、胡座をかいて座っている。
目の前の椅子に座るシラメと、テーブルを挟んで対面に部屋を訪ねて来て暴れまわった女の子が座っている。
「これじゃ」
「んじゃ確認するね〜」
履歴書あるのね。
履歴書なんてこの世界にはないと思っていたが、どうやらあるらしい。
それにこの子の態度が大人しくなったというのもあり、非常に話が進めやすくなっていた。
まあ殺されかけたし、そりゃ大人しくなるか。
「裁判長!この者嘘をついておりますぞ!」
何やらシラメが演技を始め、俺に先程の渡された履歴書を見せてきた。
ーーー
【名前】
ルーファス・リンクメール
【二つ名】
自爆魔法使い
【ジョブ】
神域魔法使いLV -150
【アクティブスキル】
ステータス
ターゲット回避
戦線離脱
装備解除
戦術的撤退テレポート
など
【パッシブスキル】
攻撃魔術強化
防御力UP
防御力超UP
防御力極UP
防御力超極UP
防御力神UP
回避率UP
回避率超UP
回避率極UP
回避率超極UP
回避率神UP
神の呪い
神の怒り
など
【魔法】
初級魔法(雷)(火)(水)
中級魔法(雷)(火)(水)
上級魔法(雷)(火)(水)
超級魔法(雷)
究極魔法(雷)
神域魔法(雷)
など
【装備】
(武器)ミョルニル
(盾)アキレウスの盾
(頭)アイドス・キュエネー
(鎧)ガヴァーチャ
(手)ヤールングレイプル
(足)オデュッセウスの靴
ーーー
へぇしっかりとした履歴書だな。
なになに?こいつの名前ルーファスって言うのか。それでジョブが......神域..魔法使い?
「魔法使いだと!?この見た目でか?」
「だよねー。騎士とか戦士の見た目だから絶対嘘ついてるよね」
なるほど、それで嘘だと言ったのか。しかしなあ。レベル150ねぇ。ありえないほどステータス強くねえか?
何故こんな奴が、俺たちなんか初心者のパーティーに入りたいんだろうか。
「嘘ではないわ!それはギルドが正式に発行しておる履歴書じゃ!嘘などつけぬ!ほらその証拠にギルマスの印鑑があるじゃろ!」
そう言われて履歴書を見ると、裏面に印が押してあった。
「この見た目で魔法使いねぇ。それもレベル150って。俺達に何の用なのか知らないが、茶化すなら帰ってくれないかな」
「そーねー。レベル150で私らのパーティーに入りたいなんて、怪しすぎるわよねえ。まあでもいいんじゃない?面白そうだし」
まーもう!この子ったら雑よねぇ。
「ダメだろ。普通に考えて怪しいからな。俺殺されかけてるから!」
「妾も殺されかけたからお相子じゃろ!それに妾の鎧が......鎧が。ガヴァーチャは決して貫かれることがない鎧なんじゃぞ。それをああもたやすく。お主一体何者なんじゃ」
ルーファスが穴の空いた部分を、触りながらシラメを見る。
シラメは何気ない顔でそれを聞いていた。
「ん?ただの突きだけど」
ガヴァーチャってのは鎧の名前だな。へぇ。履歴書には装備している物も表記されるのか。
てことはハーデスのフードってのがこのアイドス・キュエネーってやつか。
んで背中の金槌がミョルニルで、籠手がヤールングレイプル。盾は今は持ってないけど履歴書登録時には装備していたのだろうか。
なんとなくだが、ものすごく強い装備なのはわかる。
まあでもね?どれだけ強かろうと、俺は見逃さないよ?
パッシブスキルにあるその禍々しい二つのスキル。
【神の怒り】【神の呪い】
絶対ロクなことにならん!
こんなもう見るからにアウトだろ。なんだよ神の呪いと神の怒りって、一発レッドカードだ。
お帰り頂こう。
「神の怒りと呪いについて、弁解は?」
「なんじゃ?ああ。それかの。それはななんか神様から道具奪ってたら呪われた。あと神様が道具くれるって言うから言ったのに、何やら契約がうんたらいうのでな。めんどーくさいので、欲しい道具だけ貰って帰ったら神の怒りに触れたのじゃ!ぬはははは」
一応聞いてみたが、アウトですね。
何を言ってるのかわからんが、とりあえず神様がブチギレ出るんだろうな。
んできっとその盗んだ物がこいつの装備なんだろう。
バラバラな装備だが、きっと神様達の大切な物だったに違いない。
「アハハハハハッ!さいっこう!いいわよ!仲間にしてあげるわ!それに鎧を穴あけちゃったのは悪いと思ってるし」
「あ?おおテメェさんよ。リーダーは俺なんだろ?却下だ!却下!面白いからって何でもかんでも拾うんじゃない!」
シラメが笑いながら、テキトーに許可しようとしたので、俺はベッドから降りてシラメにキツくあたった。
しかしシラメは俺に絶対言ってはならないことを言った。
「役に立たないじゃん。マコト」
「あー。はい。左様ですかー。そーですね。俺は役に立たないですよね。あぁもうなんでかなぁ。俺だって必死にやってんのになぁ。もーいいですよー。勝手にやってくださいよ。はぁ。所詮回復役なんて置物ですもんね。ははははは」
溜まっていたものが崩壊した。
そうだよなぁ。
「あーあー。もーいいや。
なんていうか、もう何でも来てくれって感じがして来たな」
俺はふらふらとルーファスの元へ行き、ルーファスの肩を掴み涙ながらこう言った。
「ようこそ。地獄へ」
俺はそのまま床に倒れた。
「ぬは......は、は。よ、よろしく頼むぞ!妾はルーファス・リンクメール。ルーファスと呼ぶがよい!......。お主の名前は?」
「その変な奴がマコト。私がシラメよ。よろしくルーファス」
「よろしく頼むぞ!」
そう言って、2人は握手を交わした。
もう色々タイミング的に言う気も失せたが、履歴書見ていて気がついたのだが、レベル150の数字の前についてある【−】このマークなんなのか。
もう嫌な予感しかしないが、見なかった事にしよう。
ルーファスはレベル150の神域魔法使いなんだ。
もうそう言う事にしておこう。




