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1話 その3

「そういえば能力の紹介、してなかったわね。ちなみに私は治癒よ」


 楓が言った。


「紫苑が幻覚、水樹が転送、瞬間移動みたいなやつだ。で、藤が浮遊と心読だ」


 フクジュがまとめて言った。


「フクジュ先輩は?」


 綾香が訊いた。


「………」


 フクジュはなぜか黙った。


「フクジュは手を触れずに物を動かす能力よ。ザ・超能力ね。

 ちなみに効力は身体に触れている物と、視界に入っている物で、生き物は対象外よ」


 楓が代わりに答えた。そして続けた。


「会長なのに力が弱いって気にしてるのよ」


 楓が言った。会長いじりを楽しんでいるようだ。


「余計な事を言うな!」


 フクジュが叫んで、また1人で落ち込んだ。


「どうせオレは弱いさ…。大事な時も足引っ張るだけさ…」


 楓はそんなフクジュを楽しそうに見て、海咲と綾香の方を向いた。


「2人の能力は?よかったら教えてもらえないかな?」


 その質問には綾香が答えた。


「楓先輩と同じ治癒、それと無効化です」


「無効化?」


「えっと……、説明するの難しいんで、見てください。

 紫苑君、もう一回能力使ってもらっていいかな?

 そのあと、まわり見えてるか質問してみて」


「?わかった」


 紫苑は能力を発動させた。そして訊いた。


「今、藤ちゃんは何してる?」

 

 いきなり名前を出された藤乃はビクッとして読んでいた文庫本を閉じた。


「本を閉じました」


 綾香は答えた。そして続けた。


「何で会長は筋トレしてるんですか?」

 そっちを見ると、確かにフクジュは筋トレをしていた。少し前には落ち込んでいたはずなのに。


「ほんとに見えているのか!紫苑の能力は結構強いのにな!」


「フクジュと違ってね」


 フクジュの後に楓が間髪入れずに言った。フクジュはまた黙って落ち込む。


 他のメンバーはそれをいつもの事と楽しそうに見ていた。


 それを見ながら紫苑は能力を解除した。


「じゃあ、どうして始めは使わなかったの?

 使えば無理にここに来る事もなかったんじゃないの」


 楓が訊いた。


「それは海咲が何も言わなかったし、敵意も感じなかったからです」

 

 楓はそう、と呟き、海咲に話をふった。


「海咲ちゃんは?」


「……幻剣」


「幻剣?」


 紫苑がおうむ返しに訊き返した。


「見えない剣を呼び出すんだって」


 海咲ではなく、綾香が答えた。


「見えない剣?」


 今度はフクジュが訊いた。海咲は任せた、と言うように綾香を見たので、また綾香が答えた。


「正確に言うと靄みたいなものが見えるんですけど。斬れ味は多分日本刀以上はあると思います」


 メンバーは何とも言えない表情で聞いていた。

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