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3話 その4

第2生徒会室の外、土の通路に出た。


「たしかここの・・・この部屋だ」


 福寿は第2生徒会室からふたつ隣のドアを開けた。

 中はバレーボールコート2面分くらいの大きさの体育館のような部屋になっていた。

 壁はコンクリートのような素材で、地面はグラウンドのような土と砂で出来ていた。


「おっと、上履きだとあれな部屋だった。グラウンドシューズ持ってきた方がいいな」


 福寿がそう言い、各々自教室に1度戻ることになった。




「さて、改めて。使い方教えてくれ!」


 靴を履き替えて再集合した後、福寿が言った。


「教えるのはあまり得意じゃないから、見て覚えて欲しい。

 綾香」


 海咲は綾香を呼んだ。


「実戦形式の?」


 呼ばれた時点で何をして欲しいのか察したようだ。


「そう」


「わかった、身体強化と直接攻撃でいいかな?」


「多分それくらいがわかりやすいと思う」



「えっと、左手に持ってるのが身体強化で、右手にリング状にしてるのが直接攻撃の結晶です」


 綾香が使う結晶を説明した。


「ぼくが使うのは防御用」


 海咲が補足した。



「まず、身体強化しますね」


 綾香がそう言って左手に力を込めた。


「発動」


 一瞬、綾香を光が包んだ。


「これで身体強化されてます。次に直接攻撃を使うので少し離れますね」


 そう言いながら海咲と共に少し離れた場所に移動した。

 海咲と綾香はお互い2メートルほど離れた位置で向かい合うように立った。



「やっ!」


 綾香がダッシュ、というよりもひとっ飛びといえる速さで距離を詰めた。

 攻撃の結晶も発動させているようで、右手が赤く光っている。

 そのまま一気に振り上げた右手を海咲の胸元に叩きつけた。


 ずしゃああああっ


 その勢いで海咲は1メートルほど後方に引き摺られ、砂塵が舞った。


「まあ、こんな感じ」


 砂塵が落ち着いたあと、海咲がそう言った。

 割としっかり砂埃を被っていたはずだが、海咲の服は汚れた様子は無かった。


「こんな感じ、って・・・」


「速すぎてよく分からなかった・・・」


「・・・・・・」


 紫苑と水樹が言った。

 福寿は呆気にとられているようで無言だった。

 藤乃はあまり表情を変えずにそれを見ていた。


「直接攻撃は身体強化と組み合わせることで威力が上がる。

 藤や水樹の場合は死角に回り込んで使えたらいい感じになると思う」


 次に紫苑の方を向いて、


「防御は何も考えずに発動したら全身をカバーするような状態になるけど、さっきのようにどこに来るのか分かっていれば範囲を狭くすることで効果が上がる」


 海咲が防御用の石を胸の前に持ってきて発動させると丸いバリアが視認できた。

 そしてそれをコンコンと叩いた。


「使ってみればわかると思うけど今日はもう遅くなるし、また明日、かな」


 綾香が時間を確認して言った。

 もう外は暗くなっている時間だった。


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