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3話 その2
学校近くの裏山のような場所。
その頂上付近の泉のそばで海咲が寝転んでいた。
風が優しく撫でるように通り、ゆったりとした時間が流れていた。
「今日は平日だけど学校は?」
寝転んでる海咲に声がかかった。
「・・・体調不良で休み、ということになってる」
海咲は起き上がることも、声の主の方を見ることもせずに答えた。
「体調不良?また能力使いすぎたの?」
声の主は海咲の隣に座りながら訊いた。
「いや、ちょっと結晶を作っておこうと思って。
体調不良はただの口実」
そう言いながら身体を起こした。
「結晶をねー。
たしかに結晶作るならここが最適だ。
今日はもう時間あるから手伝おうか?」
「大丈夫。もう終わらせてるから」
海咲は立ち上がりながらそう言った。
「そっか、もう帰るの?」
「うん、十分休めた」
「余裕があったらまた、こっちも手伝いに来てね。
海咲ちゃんみたいな戦力はいつでも大歓迎だから」
その声を聞きながら海咲は山を降りた。