表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/309

49 そうね、やっぱり、あれかな……

 イコマはチョットマの瞳を見つめ続けた。


 キラキラしているが、一点に静止して、時折瞬きをする。

 チョットマの歌の先生、一つ目のお姉さんが、心に沁みる歌の数々を唄ってくれている。




 Ah Ah

 だから、だから、そばにいて



 誰もが固唾を飲んで見守っている。



 お!

 チョットマ!



 瞳が揺らいだ。

 と、ゆっくりまぶたを閉じ、そして開いた。


 瞳が動き、目が合った。



「……パパ……」

「気がついたか」


 頬が動き、少しだけ微笑んだ。


「先生……、ありがとう……」


 一つ目のお姉さんが、ああ、あなた、いつも、わたしのそばに、と唄いながら、唇をチョトマの頬に押し付けた。




「さあ、チョットマ。聞いてただろ」

 チョットマがわずかに頷いた。

「楽しかったことを聞かせてくれ」

「うん……」


 しかし、チョットマは苦しそうに顔をゆがめた。



「まだ無理か?」

「ううん……」



 ユウの唇が、大丈夫と動くのを確認して、イコマは続けた。


「最近あった出来事を。楽しかったことを思い出すんだ。いいね」

「わかった……」


 チョットマの唇が見る間に赤みを帯びてくる。



「ゆっくりでいいよ。他のことは考えず、その時のことだけ思い出して」


 今度は少し強く頷いた。




 楽しかったこと……。

 そうね、やっぱり、あれかな……。


 たどたどしい話し方だったし、時折顔を歪めるが、ライラが差し出したソーダ水のストローを咥えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ