46 瞳は時々瞬きするだけで
「地球人類のようにはいかない。パリサイドは」
寝込んでいるチョットマを囲んで、ユウがンドペキと話している。
ライラも駆け付けてくれている。スミソやシルバックも心配顔だ。
アヤのことは心配だが、総出で探してくれているスジーウォン達やスゥに任せよう。
イコマはチョットマの手を握り、祈っていた。
「地球人類はすべての病気を克服したけど、パリサイドはまだ」
ユウによれば、地球では見られない身体異常がいくつかあるという。
「宇宙空間に漂っている無数のウイルス。解明されきってはいないのよ」
「チョットマは病気なのか?」
ンドペキは憔悴した顔だ。
アヤの捜索から、急遽戻ってきた。
「そうとも言えるし、違うかもしれない。あなたやスミソが罹った症状も、本当に病気なのかどうかもわからない」
「うーむ」
「としか言えないのよ」
「じゃ、薬は?」
「ない」
「ない! でも!」
「チョットマの状態と、あなた達の状態は違う」
チョットマは目を開けたままピクリとも動かなかった。
眠っているのだろうか。意識を失った状態だろうか。
あるいは、意識はあるが身体が動かないのだろうか。
「俺たちの声、聞こえているのか?」
「少しはね。目も少しは見えていると思う。判断できているかどうかは別にして。彼女は今、病気と闘っているのよ。意識の奥底で」
「ウイルスと?」
「さあ。わからない。発見されていないから。いずれにしろ、こういう状態を抜け出す薬はないのよ」
「おい! じゃ、どういうことになるんだ」
ユウがふうと溜息をついた。
「待つしかない」
「……なんてことだ……」
「チョットマを信じて。きっと回復するから」
そう言って、ユウはチョットマの額に手をやった。
「大丈夫よ。みんな、ついてるからね」




