45 どうも、解せない
ライラがまた不満顔をみせた。
「それにしても、どうも、解せないね」
「なにが?」
「スゥの奴」
チョットマとスジーウォンの顔を交互に見て、
「あいつ、おかしいと思わないか」と、声をひそめた。
思ってもみなかった言葉に、チョットマは驚いた。
「おかしい?」
「何か、隠していやがる」
そうだろうか。
スジーウォンは我関せずという顔をして、装備の点検を始めている。
「大体、いつからンドペキを好きになったのか知らないが、あれほど世話を焼くとは」
ニューキーツの洞窟を提供したことを槍玉に挙げている。
「それはまあいいとしよう。もっとおかしいのは、こっちに来てから」
チョットマには、何がおかしいのかわからなかった。
「このところ、あたしはあいつと一緒に行動することが多い。商売する部屋を一緒に探しにね」
「おかしい? どう?」
「知りすぎている」
「何を?」
「街を。パリサイドのことを。そう感じる」
黙っていると、
「ハハハ。あたしよりスゥの方が物知りだっていいじゃない、って顔してるね」
「そういうわけじゃ……」
「年寄りのやっかみさ」
ライラが今日初めて、嬉しそうに笑った。
ライラは、レイチェルに知らせてくると言い残して部屋を出て行った。
ついて行くというチョットマを押し留めて、カプセルをポケットに滑り込ませた。
「頂いていくよ」
まだ、粉は残ってるからね、もし倒れるようなことがあったら、気を失う前に試してみるさ、と。
ライラが出ていくと、急に力が抜けた。
チョットマはまた、ほんとによかった、と呟いた。
と同時に、足元がぐらついた。
あ
目の前が暗くなり、膝に痛みが走った。
スジーウォンの声が聞こえた。大丈夫か!
そして、身体がふわりと宙に浮いたような気がした。




