39 ただ、慣れていないだけ
かなり歩いて、スジーウォンとシルバックと行き会った。
「アヤちゃんは?」
「見つからない」
隊員三十名ほどで辺りの街路をくまなく見て回ったという。
「街の人にも聞いてみたんだけど」
シルバックがすまなそうな顔をした。
「エリアを広げてまだ探してるけど、一旦、スゥに報告しようと」
パパが深々と頭を下げた。
「ありがとうございます」
「あ、イコマでしたか」
地球から救出された者は、まだパリサイドの見分けがつかない。
スジーウォンもそう。
チョットマとて、パパだけは見分けがつくものの、背格好が、なんとなく目の辺りが、という程度で心許ない。
「アヤがいつも迷惑ばかり掛けて。エーエージーエスの件から始まって」
「とんでもない。彼女が参加してくれて、とても助かってるし、皆が喜んでます」
パパは、また頭を下げた。
「では、僕は探しに行ってきます。チョットマは、ンドペキの元へ行っておあげ」
「でも」
「ンドペキやスミソが目覚めたとき、君が目の前にいる方がいいだろ」
「じゃ、イコマさん、私が案内を」と、シルバックが言ってくれた。
チョットマは久しぶりにスジーウォンと二人きりになった。
以前から厳しい人だと思っていた。毒舌でもある。
ハクシュウが死んだことによって、それに磨きがかかり、一方、女性らしさも覗くようになった。
苦手というわけではない。彼女の優しさは身に染みている。
ただ、慣れていないだけ。
並んで歩きながら、少しぎごちなく話しかけた。




