307 真相10 「神」との闘い
「あてずっぽうで言うと、その三人に加えて、ホトキン」
ライラの夫、オーエンの右腕。技術者。
彼は最後の最後まで必要だったろう。
オーエンはキョー・マチボリーを無力化した。
キャプテンとしての意識が及ばないスペースを、いたるところに確保した。
キョー・マチボリーはそれを認めている。
背中の出来物や内臓にできた腫瘍を例にしてね。
そしてやがて、オーエンはこの宇宙船のあまたのシステムを手に入れた。
しかしアギであるオーエンができないこと、物理的に何かをしなければいけないこと、それは技術者ホトキンの担当だったはず。
そして東部方面攻撃隊の数人を含めた百人ばかりの役割だったはず。
アギという言い方、なんだか懐かしいね。
と息を抜いたつもりだったが、誰も微笑みさえしなかった。
「グラン・パラディーゾが起動される数日前から白い霧は姿を消した。ロームスは察知していたんだ。オーエンがあのような方法で攻撃を仕掛けてくることを」
だから霧はどこかに避難した。
グラン・パラディーゾを破壊するために、ステージフォーの連中を操るだけの量を残して。
オーエンも黙っちゃいない。
ロームスの目論見を阻止する。
兵のエネルギーパットを一気に放電させるという手を使って。
僕らの知らないところで、オーエンとロームスの戦いは始まっていたんだ。
ロームスはどこに退避したのか。
パリサイドのあの星なら、一網打尽。
オーエンの思惑通り。
結局、ロームスが死滅したかどうか。
知らんし、知りようもないけどね。
今のストーリーだって、僕の完全な憶測。
真実を問いただす相手、もういないから。




