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3 単独行動は慎むようにって

「まあ、座って」


 イコマは、冷静に穏やかに話せ、と自分に言い聞かせて、二人に椅子を勧めた。

 腰を下ろすチョットマの緑色の髪が、ふわりと大きく揺れた。

 舞い上がった髪は、ゆっくりと小さな肩に、背に落ちていく。


 この船の重力は、地球上に比べて半分ほど。

 「あけぼの丸」でのそれは地球より少し小さい程度だったが、パリサイドの世界ではもっと小さいのかもしれない。

 宇宙空間を飛び回る彼らにとって、重力は極限にまで小さい方が都合がいいのだろう。


 天体による引力がほとんど働かない宇宙の只中。

 ダークエネルギーだけが渦巻く、暗闇の世界。

 船の中で、どのようにして重力を生み出しているのか知らないが、パリサイドはそれを自由にコントロールしている。



 あけぼの丸が地球の重力圏から離脱し、全員が母船スミヨシに移乗してから、ひと月足らず。

 太陽系の黄道に直角に進路を取っている。

 惑星が居並ぶルートではない。


 すでに太陽から約0.15光年ほども離れた地点を航行中。

 黄道に沿って飛んでいるなら、太陽系惑星群やカイパーベルトは遥か後ろに過ぎ去り、オールトの雲さえも通り過ぎようとしている計算だ。

 すさまじい速度である。

 かつて、神の国巡礼教団が地球を飛び立った時の艦の性能に比べて、革新的な進歩である。



「で、隊長は?」

「うん。暫くは単独行動は慎むようにって」

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