296 真相2 プリブはどこへ行った
「そんな状況の中、耳寄りな、というか、関連しそうな情報が入って来ていた。ユウから聞いた話」
ヴィーナスという市民中央議会の議員が殺されたという情報。
「その女性は、オペラ座で殺されたという。しかも、僕たちが楽しんだマスカレードで」
人気のあるアトラクションだから、知っている人も多いだろう。
マスカレードは一週間に一度しか開かれない開催時期固定のアトラクション。
僕とチョットマ、そしてプリブが楽しんだ。そしてスミソ。
ちょうどその日、その夜、同時刻に、ヴィーナスは殺されたことになる。
正直に言おう。
最初にチョットマが発した「逮捕された」という言葉に惑わされた。
でも、当時、疑問に感じたこともあるんだ。
「オペラ座は誰でも出入り自由」
使用中のブースはオペラ座の廊下から消え、普通、他人はそのブースに入ることはできない。ドアが壁と同化してしまうから。
中央議会の議員ともなれば特別な、例えばVIP用のブースなどがあるのかとも思ったが、聞いたところ、そのような配慮はない。
つまり、ヴィーナスは自身がマスカレードに参加している時、同じく参加している人物に、その仮想的に作られた空間において殺されたことになる。
しかし、そんなことが可能だろうか。
可能。
特殊な条件下においては。
で、プリブが殺人事件の容疑者として拘留されたという考えを持った。
「しかし、それは的外れだった。なぜなら、ヴィーナスが殺されたその方法、つまり手口」
ソウルハンド。
一部のパリサイドが行使できる「武器」。
人の精気を吸い取ってしまうというおぞましい能力。
プリブがそんな力を持っていたはずがない。
「結局、プリブの行方探しは全くもって行き詰ってしまった」




