19 かけがえのない地球に関わることだから
「ノブは時間について、どう思う?」
「時間の流れが場所によって違うってこと? アンドロの次元みたいに」
「全然。焦点がずれてる」
「だろな」
「空間の概念と同じ。人間が感じられる時間の流れはひとつだけ。でも、実際は違う。時間と空間は切っても切れない関係にあるのよ」
「つまり、時間の流れも二十七あるってこと?」
「そのとおり」
これがパリサイドの一般的な理解だという。
目には見えないし、人には感じることもできないが、ユリウス宇宙を含むこの次元には、二十七の空間軸があり、時間軸があるという。
「この母船内にもね」
「なるほどねえ。といっても、実感ないな」
「今、私たち、どこを移動してると思う?」
「ん?」
「この船は今、特殊な航行モードに入ってる。さっき言ったアコーディオンの尾根の上を大股で渡り歩いているようなもの。次元の隙間じゃなくて、この次元内にある特異な境界線上、ということね」
「じゃ、あれはどうなる? アンドロの次元は」
「全くの別次元。太陽系や銀河系のあるこのJ次元じゃない」
「ふむ」
「別宇宙の数はある程度は想定されているけど、別次元の数は誰も知らない。そもそも、無数の宇宙は、それぞれが属する何らかの次元の海に浮かんでいる泡のようなもの」
「多元宇宙とはいうけど、それを内包する次元の数たるや、それこそ無限ということだな」
「それぞれの次元に、私たちが知っている宇宙というような空間があるかどうかは別だけど」
はあ、もう面倒になってきた。




