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184 真相1 謎の端緒

 イコマは大きく息を吸い込んだ。

 とうとう、この日が来てしまった。

 プリブ事件の真相を語る日が。


 彼は死んでしまった。

 チョットマを助けるため、宇宙空間に飛び込んで。


 あの時、ようやく駆けつけてきたユウが、暗い宙に漂うプリブを助け出した。

 しかし、宇宙線が降り注ぐ極寒の世界に十分以上も放置され、血まで凍った状態だった。


 もう、幸せな結論にはなりえない。


 できればこの解説という役を誰かに代わってもらいたいくらいだ。

 しかし、誰もが何らかの傷を負い、何かと戦い、何かに苦しめられた中で、自分だけが何の役割もなく、何ができるわけでもなく、ただただ右往左往していただけ。

 その自分が語れないとあっては、ンドペキやスゥ、アヤやチョットマ、ユウやレイチェルに、そしてライラやプリブに申し訳ない。




 どこから話すべきだろうか……。

 やはり……。 


 マスカレード。

 仮面舞踏会。



 めくるめくとはああいうことを言うのだろう。

 ただ、雰囲気に呑まれるというのではない。

 心を揺さぶられるというのでもない。

 意識が吹き飛ばんばかりの幸せ。


 チョットマが楽しそうに踊るのを三階の貴賓席から眺めるだけだったが、イコマにとって、あれは忘れることのできない一夜となった。

 プリブが拉致されたのは、その翌日。




「チョットマとスミソがプリブが逮捕されたといって駆け込んで来てから、僕が調べたこと、知ったこと、そしてそこから生まれた仮説については、すでに話した。まだそれほど日は経っていないので、覚えてると思う」


 パリサイド星への上陸を翌日に控え、イコマは当時まだ行方不明だったアヤを探して、この宇宙船スミヨシに残ることを話した日である。

「その夜、いなかった人もいるので、要点だけ話しておこう」

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