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180 顔の感触が…… 手の感触が……
イコマはおぼろな意識のままに目を覚ました。
固い平坦なところに仰向けになって倒れている。
ユウはどこに……、アヤちゃんは……、チョットマは……。
辺りは真っ白。
何も見えない。
白い暗闇……。
なんとか手を持ち上げ、目を擦ろうとした。
ん?
違う……。
顔の感触が……、手の感触が……。
誰かそばに……。
手を床に這わせた。
何かに触れた。
摘み上げると、それは小さなキュービクル。
固く冷たい……。
それを握りしめると、再びイコマは意識を失った。




