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156 地球からわざわざついてきて

「いったい、どういうつもり!」


 ユウの声に、部屋中が動きを止めた。


 唯一、反応があったのはライラのみ。

 イコマはライラが短い吐息を漏らすのを見た。


 沈黙が部屋の空気を支配した。

 その間もレベルは上がり続け、とうとう8に達した。



 ユウは、スゥやスジーウォンに向かって言ったのではない。

 天井を仰ぎ見ている。


 その姿勢のまま、目を血走らせている。

 キョー・マチボリーではない。

 他の誰か。



 ロームス。

 スタッフからそんな声が漏れた。

「違う!」

 微動だにせず、ユウがその意見を退けると、またライラが小さな溜息をついた。



 そうだ。と、イコマは思った。

 ロームスではない。


 その意識に操られていたステージフォーは、このミッションを阻止しようとしていた。

 グラン・パラディーゾを破壊しようとしていたのだ。

 暴走させることではない。

 いや、同じことだろうか。

 ならば、ユウの今の反応は何だ。




「地球からわざわざついてきて、何が目的!」


 地球から?

 ついてきて?


 イコマが考えを深める前に、突然、部屋の中を突風が吹き抜けた。



「ぐっ」

「わっ」



 書類が舞い上がったかと思うと、さらに一陣、強烈な風の圧力を感じた。

 イコマの身体も横倒しになった。


「なんだ!」

「チクショウ!」


 倒れた人々から恐怖と驚きの叫びが上がった。

 何が起きたんだ!

 もちろん、風が吹くようなところではない。



 風はそのひと吹きだけで収まったものの、部屋の中は混乱の渦の中にあった。


「怪我人はいないか!」

 起き上がったスタッフが互いに声を掛けあっている。

「持ち場に戻れ!」

「ユウ!」「隊長!」

 イコマとスタッフの声が重なった。



「ユウ!」


 部屋の中央に立っていたユウの姿がなかった。

 書類や椅子や、様々なものが散乱し、家具が一か所に押し寄せられていた。


「ユウッ!」

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