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141 搭載エネルギーのほぼすべて使い切る計算

 翌夕。

 ミッション関係者の会合が開かれることになっていた。


 ベーダディメンジョンに向かうことになっている、ンドペキ、スゥ、チョットマ、スミソ、その関係者としてスジーウォンやコリネルスはじめ隊員数名、そしてイコマとレイチェルが呼ばれていた。

 その後、ささやかな前夜祭が催されるという。

 こちらにはライラやアヤなど、地球人類の主だった面々も招待されていた。



「今日の会議、荒れるかも」

「なんでや」

「アイーナが迷ってるみたいやねん」

「ミッションを? 昨日はやる気満々やったけど?」

「うん。やる気はあるねんけど、明朝でほんまにええのかどうか。不安があるみたい」


 ユウが顔を曇らせた。

 太陽系離脱後、これにかかりきりだったし、ヴィーナス亡き後、その責任者でもあったユウ。

 まだ多忙は続きそうだ。



「一からやり直しになるかもしれへん」

「えっ」


 どんな不安が?

 アイーナに思うところがあるのだろうが、昨日の口ぶりからは想像できない。


「こっちは、チョットマが不安なんやけどな」

 ベータディメンジョンに向かうチョットマにもしものことがあれば。



「実はね、このスミヨシと星。すべての交信、途絶えてるねん」

「ふうん」

「目では見えるけど、という状態。昨夜のうちに、宇宙船は少し移動したけど」

「えっ、そうなん?」

「太陽と地球との距離くらい」

「気付かへんかった」

「グラン・パラディーゾを安定的に起動させるためにね。でも、これは既定の行動」

「なるほど」



 延期する場合は、ユウの予想ではかなり先になるという。

 今、グラン・パラディーゾは完全に停止しているわけではない。

 刻々とかなりのエネルギーを消費している。

 不安要素が払拭されてから、となると、浪費するエネルギーがどの程度になるかわからない。


「きっと、足らなくなると思うねん」


 スミヨシは巨大な宇宙船で、それこそ莫大なエネルギーを搭載しているが、グラン・パラディーゾの運転には、宇宙船を宇宙のはるか彼方まで何度も往復させるに匹敵するエネルギーが必要になるという。


「元々、今回の短時間の調査だけでも、搭載エネルギーのほぼすべて使い切る計算やねん」


 それは分かる。

 次元移動するための扉を開くのだから。

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