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13 きっと、あれだ

 中に入れるわけにはいかない。


 スミソはドアの前で武器を水平に構えている。

 自身、パリサイドの肉体を持っているが、そのパワーを引き出す術をまだ会得しているわけではない。

 彼らから見れば玩具としか言いようのない、地球人類の武器。

 それに、スミソに合う装甲はない。

 対抗できるとは思えないが、これでも無いよりはまし。



 スゥが立ち上がった。

「スゥ、ちょっと!」

 まさか、中に。


 スゥは短剣を手に取り、ドア横のスイッチを押そうとする。

 そんなことをすれば、たちまち、パリサイドの姿がドアに浮かび上がる。

 地球ではすでに使われなくなった装置だが、パリサイドの世界ではまだ実用されている。


「実体はないから、手出しはできないかも」

「だめよ!」と、チョットマは止めにかかる。


 スミソは一歩下がったが、武器は構えたまま。

 立体映像だからといって、安心できるはずもない。

 部屋の中が相手にも見えるわけだから。



「だめだって!」


 チョットマはスゥの手を押さえるが、スゥは柔らかく微笑んだ。

「こんな夜中に訪ねてくるのは、パリサイドじゃない。でしょ」


 普通、パリサイドは夜中に出歩くことはしない。

 しかも、今日は双戯感謝祭。

 彼らの慣習に反している。


「きっと、あれだと思う」


 アギのパリサイド?


 太陽フレアが襲う地球から救出された人類の一分類、知能の人アギ。

 パリサイドによって、その身体を与えられた人々もかなりの数が宇宙船に乗り込んでいる。

 イコマもその一人。

 スミソの場合は、ロア・サントノーレで瀕死の状態に陥った時にあるパリサイドの好意によって、その身体を得ている。



「そんなこと、わからないじゃない!」

「もしパリサイドなら、プリブのこと、聞けるかもしれないでしょ」

「でも」


 そうこうしているうちに、訪問者がまた言った。


「お詫び申し上げたいことがありまして……、それにご相談したいことも……」


 あ、と思った時には、スゥがスイッチを押していた。


「他の人に聞かれたくないでしょ。そんな話」

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