10 連行されるほどの、なにを……
それにしても……。
歩みを速めながら、ンドペキは再び、あてもない思考を弄んだ。
自分でもわかっている。それが悪い癖であることを。
かつて、マトの身を恨み、サリを殺して、という妄想に憑りつかれていた日のことを、今でも思い出すことがある。
あの日から、俺たちは……。
さまざまな出来事があり、今はこうして、思ってもみなかった境遇にある。
そういえば、イコマと意識を同期していたころ、ユウがこんなことを言った。
パリサイドの身体を、呪われた身体、だと。
あれきりそんな話はしていないが、イコマとはしているのだろうか。
ンドペキは舗装に目を落とし、別のことを考え始めた。
一体あいつは何をしたんだ……。
思考はプリブのことに移行する。
連行されるほどの、なにを……。
最近のプリブは……。
プリブだけではない。
地球から救出された誰もが、これといってすることのない日々を送っている。
時折、サワンドーレのような講師役のパリサイドから、授業を受けるだけ。
プリブはスミソと共に、チョットマの付き人を自任し、世話を焼いているだけの毎日ではなかったか。
そんな男がどうして。
スジーウォンの悩みは痛いほどわかる。
プリブとは何者かと問われれば、元ニューキーツ東部方面攻撃隊の隊員である、としか言いようがない。
今回のことが、攻撃隊と何ら関係はないと、言い切れるはずがないのだ。
陽が昇れば、新たな動きがあるのだろうか。
そしていつも心から離れないのは、ベータディメンジョンに残してきたパキトポークたちのこと。
エネルギー渦巻くあの次元で、無事にいるだろうか。
相変わらず巨体を揺すって、人々をリードしているだろうか。
ヌヌロッチとはうまくやっているだろうか。
ん?
ンドペキは立ち止まった。




