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幸せ

 暖かい日差しと、爽やかな風が気持ちのいい昼すぎ。

 商人の集う街で、シオンとロイドは店を出していた。建物があるわけではなく、定期的に開催させる市で露店を出しているのだ。

 この日に合わせ、染物や織物・石細工などの故郷の特産物を中心に商品を集め、移動してきた。

 シオンたちは、故郷はあってもそこに留まることのない、小さな商隊をしている。


「お客さん、持っていかれたね」


 先程から売れていない商品を見下ろして、シオンは呟いた。朝のうちは売れていたが、昼食の時間になり、飲食を扱う店へ客が流れている。しょうがないことだが、目標金額を考えると、少しばかり焦る。


「この時間は仕方がないさ。大丈夫だよ、うちの商品はいいものが揃ってるんだ。もう少ししたら売れだすよ」


 穏やかな口調で言うのは、ロイドだ。

 ロイドは身長の高い、十人並みの容姿をした四十半ばの男性だ。少し大きな目が垂れている以外は、特徴もない。けれど、彼の持つ優しさや懐の深さなどが笑顔や言動に現れていて、魅力的だと思う女性は少なくないだろう。


「そうだね、父さん。今のうちに商品の並べ替えしておこうか。もっと手に取りたくなくような、見やすい配置に。高い商品も、もう少し置いていいかも。うわっ」


 在庫を取り出し棚へ並べていると、柱の金具に髪が引っかかった。後頭部で一つにくくっていた髪は、乱れて頬にかかる。


「大丈夫かい? 怪我は?」

「大丈夫だよ、ありがとう」


 心配そうなロイドに、シオンは微笑んで問題ないことを伝える。しかし顔にあたる髪は、邪魔でしょうがない。

 紐をとき結び直そうとすると、お客が店の前で立ち止まった。結び直すのを止めて、商売用の笑みを浮かべた。

 ロイドも頬笑みながら歓迎する。


「いらっしゃいませ」


 ロイドがシオンより親しみやすい笑みで声をかけているのに、客の男はじっとシオンを見つめていた。不躾な行為なのだが、人懐こい笑みを浮かべているせいか、それほど気分を害することはない。

 シオンも頬笑みながら、男をそれとなく観察した。

 年は二十代半ばだろうか。シオンは一般女性より頭一つ分身長が高いが、男はさらに一つ分高かった。だらしなく開かれた襟からは、太い首と厚い胸板が見えている。それに見合うように、腕や足にも筋肉がつけられているようだった。

 腰には大ぶりの剣が下げられていて、傭兵を思わせる風貌だが、そうではなく、貴族だろうとシオンは考える。

 装飾の少ない服だが、とても上質な布で出来たものを纏っている。普段に着るには、考えられないほどの値段だろう。そして男は、黄色みの強い短い金髪に、深い蒼の瞳をしている。金髪碧眼は、王族や貴族に現れる色だ。

 一人で街を歩き回り、感じのいい笑みを浮かべている貴族。

 いいお客になってくれるかもしれないと、笑みが不自然にならないようにシオンは努力する。


「お前さん、美人だな」


 がっしりとした体型と男らしい顔つきから想像したそのままの太い声で、男は賛辞を口にした。

 身内以外からそんな賛辞を受けたことのないシオンは、数度瞬きをしてから、また笑みを作る。


「ありがとうございます、お世辞でも嬉しいですね。でも、珍しい色合いだからじゃないでしょうか。そんなこと言われたの、初めてですよ」

「腰まである長い白銀の髪。紅い目。小麦色の肌。確かに、珍しいな。けど、美人とは関係ないだろ。切れ長の目に、高い鼻筋、広い額。あげればきりがないほど、魅力的な顔してるぜ。お前さんのまわりには、甲斐性のない男ばっかりだったんだろ。女を素直に褒めれないような、な」


 男は、片目を瞑った。気障な仕草に、シオンは少し頬が熱くなる。


「ありがとうございます」


 照れはあるものの、ここまで褒めてもらって否定するほど、シオンは自分を捨てていない。素直に感謝した。


「年はいくつなんだ?」

「少し前に十七になりました」

「成人して二年かい。若いのに落ち着いてるから、年が分からなかったんだ。気分を悪くさせてたら、すまない」

「いいえ、とんでもありません」

「親父さんにはあんまり似てないようだから、母親似かい? お袋さんもさぞ美人なんだろうな」


 男はシオンとロイドを見比べる。色はもちろん、顔も全く似ていない。

 それもそのはずで、シオンとロイドに血の繋がりはない。幼いころ家族と死に別れたシオンを、ロイドが引き取って育ててくれたのだ。

 それをわざわざ説明する気もなく、二人はあいまいに答えてやり過ごした。


「お前さんがあんまり美人だから、話しこんじまった。コレ、貰えるかい?」


 男が指さしたのは、先程並べた蝶を模った髪飾り。丈夫で希少な木を使った、珍しい意匠のものだ。それを黒く彩色し、色の濃い赤瑪瑙がはねの部分にいくつか嵌めこまれている、一番値段の高い商品だった。

 男が使うはずもないので、姉妹に渡すのか恋仲の人に贈るのか、どうでもいいことを考えながら、釣り銭と商品を渡す。

 男は金を袋に入れた後、髪飾りをシオンの前に差し出した。

 傷でもあったのかと見てみるが、細緻なつくりが美しい、欠陥など見当たらない上品な髪飾りだ。

 訳が分からずにいると、男が喉を鳴らして笑う。


「お前さんに贈らせてくれ。今でも十分美人だが、着飾れば姫さんみたいになるぞ」


 会ったばかりの、そしてこれから会うことなどない相手から、受け取れるはずもない。返品されずに上手く断るにはと考えていると、ぎこちなさなど微塵もない手つきで、耳元に飾られた。

 本来とは違う使い方だが、差し方が上手かったのか、落ちずにとどまっている。


「思った通り、似合うな。店先で悪かった。じゃあな」

「あ、待ってください!」


 シオンは呼びとめるが、男は首だけで振り返り手を軽く振るだけで、人込みに消えてしまった。

 髪飾りを手に取り、隣のロイドに見せる。


「父さん、どうしよう」

「う~ん。お客様が買ったものだしね。それをどうしようと、僕には何も言えないな。せっかくだから、使えばいいさ」

「そう言われても……」


 シオンは一度も髪飾りを使って髪を結ったことがない。詳しい使い方も知らなかった。いつも長い前髪ごと、後頭部で縛り上げるだけだから。

 もう一度棚に置くことははばかられて、自分の荷物の中にしまいこむ。


「さっきの男の人、少し変わってたけど、感じのいい人だったね」


 砕けた雰囲気が多くの人間を惹きつけそうな男を思い出し、シオンは気分がよくなるのを感じる。

 商売をしていると、常識を知らないような客もいる。ときおり見る貴族は、だいたいがそういった人間だった。先ほどの男は逆で、好感が持てる人物だ。


「ああ。若いのに、見る目がある人だったね。娘を褒めてもらえると、嬉しいものだ」


 本当に嬉しそうなロイドに、シオンは呆れながらも頬が緩んだ。

 シオンは人懐こい笑みと、高い商品をあっさりと買ってくれたことに対して言ったのだが、ロイドは娘を手放しで褒めたことを言っているのだ。

 照れ臭くて、何も答えずに白銀の髪を縛り上げる。


「さっきの髪飾りは使わないのかい? 僕もよく似合っていたと思うよ」

「使い方が分からないから、また今度にする」


 動きやすさだけを考えたくくり方をしていると、自分を呼ぶ声が聞こえる。


「シオン姉ちゃ~ん」


 通りに出ると、弟のカインが手を振りながら歩いてきている。もう片方の手には、シオンとロイドの昼食があるようだ。

 シオンより四歳年下のカインは、ロイドと血の繋がった息子だ。誰が見てもそうだと分かるほど、二人は似ている。ロイドが子供の頃はカインのようで、カインが成長すればロイドのようになるだろう。

 カインの後ろには、アリシアがいる。

 アリシアは、六年前から一緒に商隊を行っている一人だ。背中の中ごろまである、波打つ赤い髪に、シオンより鮮やかなつぶらな赤い瞳。年は三十半ばだが、きめの細かい肌には衰えが少なく、小柄な彼女は年齢より若く見られることが多い。

 好みの差があるとはいえ、アリシアを可愛いと思わない人間はいないのではないだろうか。


「カイン、人の名前叫びながら歩かないでよ。恥ずかしいでしょ」


 昼食を受け取りながら、年齢より幼い行動をとる弟を、軽く頭を叩いて叱る。それほど怒ってはいないので、カインは誤魔化し笑いを浮かべるだけだ。


「これがすっごい美味しかったから、早く姉ちゃんに教えたくてさ。食べてみて!」


 差し出された丸いパンを、口にする。甘味と旨味があって、美味しかった。


「あ、本当だ。美味しい」

「だろだろ? こっちもうまいよ!」


 甘さがもう少し抑え気味ならもっと美味しいだろうと思ったが、喜んでいるカインにわざわざ言うことはしなかった。勧められたものをロイドにも渡しながら、また口にする。


「ところで、ライラはどうしたんだい?」


 ロイドが食べ物を受け取りながら聞くと、アリシアが微苦笑を浮かべた。


「ここから少し離れた、装飾具店をずっと見ているわ。動こうとしないから、先に昼食を届けに来たのよ」


 ライラは、アリシアの娘だ。数日後には成人を迎える。

 蜂蜜色をした指通りのよい長い髪に、青天を思わせる大きな青い瞳、雪のような白い肌。小柄な体が守ってあげなければと思わせる、可愛らしい少女だ。

 色だけでなく顔のつくりもアリシアとは似ていないが、血は繋がっている。ライラ自身も会ったことはないらしいが、父親に似たのだろう。

 シオンはアリシアやロイドから説明してくれるまで、聞きだすつもりはなかった。カインは深く考えずに、アリシアを母と慕っているだろう。カインの母親は、彼が四歳の時に亡くなっているのだから。


「ライラみたいに可愛い子が、あんまり長く一人でいるのは危ないよね。カイン、迎えに行ってきて」

「え、俺一人で? 姉ちゃんも行かないの?」

「店を放って行けって?」


 能天気なカインの考えに、シオンは呆れてしまう。

 アリシアは商品を勧めるのが苦手だった。人見知りというわけではないので店に立つことはできるが、柔らかな雰囲気の二人だけだと、よく変わったお客に絡まれているのだ。成人もしていないカインは対象外。

 ロイドは上手く対応するし商品も勧めるが、一人では不安だろう。

 そんな考えが見抜かれたのか、アリシアはそっとシオンの背中を押した。


「少しくらいなら大丈夫よ。せっかくだから、三人で見てきたらいいわ」

「そうだね。たまにはいいんじゃないかい、息を抜いても。シオンにはいつも助けられているしね」


 ロイドも賛成するが、シオンは少し複雑だった。

 助けられていると言うが、やれることをやっているだけで、本当に良い結果を出しているかは判断できない。それに、家業を手伝うのは家族として当たり前だった。それを放っておいて遊ぶのは、抵抗がある。

 どうしても歩き回りたいわけではないので、店にいると答えようとしたが、ロイドとアリシアを見てやめた。

 正式に結婚はしていないが、二人が想い合っているのは明らかだ。例え店の中だろうと、たまには二人きりになりたいのではと、頷いた。


「じゃあ、忙しくなる前には帰ってくるから」

「行ってくるね~」


 お金を持ってカインと店を出る。見送られた後で振り返ってみると、二人は楽しそうに笑い合っていた。一人でいる時よりも、何倍も魅力的な表情だった。


「二人は本当に仲がいいね」


 弾んだ声でカインに話しかけると、大きく頷いてくれた。


「だね。なんか嬉しいよな!」


 花が咲いたような、明るい笑顔。それにつられてシオンも笑みが浮かぶ。

男の子に向ける言葉ではないと分かりつつも、それが可愛らしく、シオンより頭一つ分背の低いカインを撫でる。


「ちょ、やめてくれよ、姉ちゃん!」


 柔らかい茶色の髪をかきまわすと、カインは唇を不機嫌そうにとがらせているが、手をのけようとはしなかった。嫌がるふりだろう。

 シオンは頬が緩むのを感じた。からかえばもっと面白い反応が返ってくるだろうが、自重して乱した髪を直してやる。


「それにしてもさ、ライラってああいう光ってるの、ほんとに好きだよな。何がいいんだろ」


 心底分からないらしく、カインは腕を組んで悩んでいる。


「ライラに限らず、女の子は好きだと思うけど」

「え、姉ちゃんも好きなの? 興味ないと思ってたけど」


 とても意外そうな反応だ。シオンは今まで進んで装飾具をつけたことがないのだから、当たり前だろう。

 しかし、興味がないわけではない。動きを制限されるのが嫌だったり、手入れが面倒だったりと購入しないが、見るのはとても好きだった。


「好きだよ。でも自分でつけるより、人が綺麗につけてるのを見る方が好きかな」

「あ、それはちょっと俺も分かる!」

「お祭りでアリシアさんとライラが着飾ってた時は、本当にきれいだったよね」


 以前立ち寄った村で行われていた祭りに、折角だからと普段しない格好で、参加していた二人。多くの人が振り返って見惚れているほど、美しかった。

 その様子を見ているだけで、シオンは幸せな気分になれたのを思い出す。


「そうだね。あ、あそこだよ!」


 カインが指さした先には、じっと商品を見ている少女。ライラだ。


「ライラ、買いたい物があったの?」

「あ、シオン。うん、これがいいなって思うんだけど……」


 ライラの気に入っている物は、リングブローチだった。小さな花型で金メッキが施されている。五枚の花弁の頂点には小さな赤い人口石がはめ込まれているが、あまり目立つ意匠ではない。

 シオンはその横にある、変形型のハートリングの方がライラには似合うのではないかと思った。リングの輪郭からわざとはみ出て装飾された、細やかな花や葉が小さいながらも華やかだった。


「こっちのほうが似合いそうだけど」

「え、そうかな?」

「ライラはあんまり凝ったものを持ってないから、たまにはいいと思うけど」

「確かにそうなんだけど……」


 ライラが戸惑うようすなのは、それが気に入らないのではなく、値段の問題だろう。手が出ない訳ではないが、気軽にというわけにはいかない。


「これ、ください」

「え、シオン!?」


 驚くライラに、購入したリングブローチを付け替える。華やかな美少女であるライラによく似合っていた。


「よく似合うよ。可愛い」


 シオンは、ライラがさらに可愛らしくなったことに満足する。


「そ、そうかな。ありがとう。でも、こんなに高いの……」


 ライラは少し赤くなった頬を指で隠しながら、照れ臭そうに笑う。けれど、値段のことを気にしてしまうようだ。


「もうすぐ誕生日でしょ。少し早いけど、その贈物っていうことで。お気に入りのリングブローチも壊れてたし、ちょうどいいよ」


 ライラの右手首にある腕輪は、ずっと身につけていた、リングブローチの一部を使ったものだ。壊れてしまったので、カインが細工をして形を変えている。


「ちぇ、ライラばっかりずるいなぁ」


 頭の後ろで手を組んで、不機嫌そうにしているカイン。今度はふりではなく、本当にライラが羨ましいのだろう。


「あら、カインもリングブローチが欲しかったの?」


 ライラがからかうと、カインは顔を真っ赤にする。


「ちが、そういう意味じゃないって! 分かってるくせに、意地悪だ!」


 慌てるカインに、ライラは小さく笑っている。

 それが口喧嘩を呼びそうで、間に入る。


「ライラだけっていうけど、あたしはカインに魔術に関する書物をあげた記憶があるけど? それ、どうしてるわけ?」

「うっ! え、え~と、読んでるよ!」


 体を硬くするカインは、嘘がつけない。

 カインが魔術の素質があると言われたことがあったので、才能を伸ばせばいいと本を贈ったが、ほとんど目を通していないことは、一緒に暮らしているのだから分かっている。


「相変わらず、嘘が下手ね」


 ライラも呆れているようだ。


「俺、学問は苦手なんだもん」

「学んでいて損はないと思うけど、カインがその気じゃないなら、別にいいよ。今度は細工道具を贈るね」

「ありがと、姉ちゃん!」


 先程まで気まずそうにしていたのに、すぐに嬉しそうにする。自分の感情のまま、次々と代わっていく表情。とても素直だ。


「もう、シオンはカインに甘いよ」


 シオンの腕に抱きつきながら言ったライラの言葉。事実だけれど、全てではない。


「そうだね。でも、あたしは二人に甘いつもりだけど?」


 その言葉に、カインとライラが顔を見合わせて、少ししてから笑った。シオンも微笑む。


「あ、そうだ。シオンに見せたいものがあったの! こっちに来て」


 ライラに腕を引かれて、別の店へ移動する。

 連れてこられた店も装飾具を多く扱っているようだが、先ほどとは違い、宗教のモチーフが多い。

 天空神・アルノーウィンがこの世界を創造した場面を描いたもの首飾りや、慈愛神・ライラリアーネが人々を助ける場面のブローチ、各宗教の象徴を主にした指輪など、様々だ。

 その中で、あまり目立つ場所に置かれていないにも関わらず、シオンの目を引く物があった。

 闘神・ゼグラナドの象徴である花をモチーフにした紋章だ。花弁も葉も茎も白い純白の花、リクカ。現存しないが、唯一、謝罪の言葉が添えられる花だ。

 異世界から来た神であり、一般的には他者と争うことを好む強きものであるとされるゼグラナドを信仰する者は少なく、その花をモチーフにした装飾具は珍しい。


「あれ、シオンの生まれ故郷で信仰してた、闘神の象徴だよね?」


 自信があまりないようにライラに問われ、シオンは頷いた。

 焼かれた生まれ故郷は、全員がゼグラナドを信仰している神官の村だった。


「そんなに値段も高くないし、どうかなって思ったんだけど」

「……いや、いいよ」


 闘神信仰は、多くの人たちが考えている争いを好むようなものではなく、障害や困難や自分の弱い心と闘うというものだ。

 それらの教えは立派だと思うが、シオンは生まれ故郷を失った時から、神を信じることもすがることを止めてしまった。

 いまさら象徴を持とうとは思えない。


「でも、ちょっと懐かしかったよ。さ、そろそろ戻ろうか」


 踵を返し、自分たちの店に戻る。

 父とアリシアが迎えてくれ、隣には弟とライラがいる。皆が微笑んでいる。

 こういう時に強く思う。

 この幸せがずっと続けばいいと。

 生まれ故郷をなくした悲しみが、何気ない日常を、幸せだと感じさせてくれる。絶望を乗り越えて、得たものの一つだった。


作中である”唯一謝罪の花言葉が添えられる”とは、この世界でということです。

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