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夢世


空には重力に逆らって様々なものが自分勝手にプカプカと浮かんでいる。



飴玉やクッキーといったお菓子に鉛筆や三角定規、目を凝らして見てみると本物かは定かではないが拳銃や刃の大きなナイフ………



カワイイ物から物騒な物までなんだって浮かんでいた。


一体どんな理屈で浮いているんだろうか?



………まあ、考えたところでわかりゃしないだろうさ。


理屈とか原理とかあってないようなもんだろうしな、ここは。


なんたって「夢」の中なんだから………









―――――――――――――――――――――



「今回の夢はなんだろな~。 ピンチの女子高生を救出? 世界の危機を阻止するために奮闘? それとも某アニメの必殺技の修行とかか~」



浮遊物の覆いつくす空を見上げる少年は呟いた。



「でもなんで毎日毎日おんなじ場所の夢なんかみんだろ? なんか意味があんのかな………誰かからのSOSとかな~」


特に誰に聞かせるでもなく、強いて言うなら自分に言い聞かせるように言う。



意味があるのか考えてもみたがこの場所の夢を見はじめてかれこれ1ヶ月にもなるが同じような内容がループするだけでメッセージじみたものを感じたことはない。



「………ってか今回はなんにも起こんないのかね~。 誰も来ないし、平和だ。 ……………あっでもこれ新しいパターンかも」


いつもなら色んなとんでもネタを抱えた人々と出会って忙しく駆け回っているのに今回に限っては、緑の芝生が生い茂る丘で浮かんでいた飴玉をなめながらゴタゴタした空を眺めるのみなのだ。


「なんかここの方が目覚めた後の現実より落ち着くよな~…………ってこれ現実逃避じゃねーか。 しっかりしろ、俺!!」


なんて言って頬を両手のひらでパンパンと2回叩いた。


夢の中で気付けってどーよ………って思いながら目を開けた。


「………っのうお!? だ、誰!?」



目を開けた先にはさっきまで気配すら感じなかったというのに何故か女の子が立っていた。


あまりの驚きにより声裏返った………


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