襲われた村
ついた村を見て私たちはその場を動けなかった。
それほどに衝撃を受けたからだ。
村は崩壊していた。
「ここが一番近いところだったのに…!」
レンが唸った。
「とりあえず人がいないか見てまわろうよ。」
私が提案するとレンは頷いた。
しばらく歩いていると突然背後から怒鳴り声が響いた。
「おぬしら!何しに来たんじゃ!!」
レンと私が振り返ると険しい顔をしたおじいさんが立っていた。
「この村に何の用じゃ!」
私はおじいさんの迫力に気圧されしゃべれなかった。
しかしレンはおじいさんの質問に律儀にこたえている。
「とりあえず宿に泊まろうと思ってこの村に来ました。」
レンがそう言うとおじいさんは表情を柔らかくした。
「泊まるだけならわしの家にに泊まらせてやるぞ。」
「え…?だって…。」
私とレンは顔を見合わせた。
「わしの家だけは無傷でのう。村の住民は皆わしの家に避難している。」
こっちじゃと手招きしておじいさんは歩きだした。
一応ついていった私たちは村が大変なことになってるのを改めて思い知った。
家は崩れ、木は倒れている。
しかしおじいさんの家だけはどこも壊れていなかった。
そしておじいさんの家に足を踏み入れた。
これが冒険の第一歩になるなんて知る由もなし