感謝のミモザ剣
「感謝のミモザ剣」
私はXというインターネット空間で感謝するためだけに生まれた
他の感情は持ち合わせていない
今日も近所のジジイが私のビックマックセットを持ち逃げしたが
全然キレてないから
いつも通りだから
いつものように教会に祈りを捧げに行く
「熱心ですね」
教会の神父が私を褒める
「祈りはたいして時間がかからないでしょう
この後お茶でもしませんか?」
神父がナンパ
怒りという感情を持ち合わせていない私としては
拳を握りしめ眉間がひくひくと動く感じだった
「感謝感謝デリシャッシャー」
私はいつものように感謝を言葉で表した
「ふっ。不器用な人ですね貴方は」
何を根拠に不器用?私こう見えて茶道と華道と習字とピアノを
習ってるんですけど?!
「貴方が怒るのも無理はありません。職務怠慢ですものね」
「自覚がおありのようですね、身の振り方を考えたほうがいいですよ」
私は心の防御結界マイティ・シールドを展開した
「多少は心得があるようですね」
神父は螳螂拳のような構えをとった
私はちらりと腰に差している剣を見た
『ミモザ剣』
相手に感謝をするときに使う剣だ
具体的にどんな時に使うかを私はまだ知らない
物心ついた時にはすでに私の腰には『ミモザ剣』が
装備されていたからだ
何これ呪い?
その一瞬のスキを神父は逃さなかった
「ホテルの予約は済んでいるのです!二名様ご案内!!」
それ大声で叫ぶの最早犯罪じゃない?
私はスマホを冷静に取り出した
「神父様。ここは一つおいしいカツ丼で手を打ちましょう」
素早いブラインドタッチでカツ丼屋に電話をかける
「時間にルーズなのは良くないですよ!!」
私は神父に連れ去られた
途中警察に見つかったが
「神父様いつものですね!お疲れ様です!」
警察の言い分がそれだった
どういう治安の悪さなのこの街は
K S T I R
腐っている
「さあホテルまであと僅かです!準備体操はお済ですか?」
まずい。このままでは年齢制限に引っ掛かる
私は『ミモザ剣』で縄を切った
体制を立て直し『ミモザ剣』を構える
どんな時に使えば分からなかったが乙女の貞操の危機だ
多少の無茶は許される感じじゃない?
駄目だったわ。銃刀法違反で捕まったわ
「おいしいカツ丼を食べることになるのは私だったみたいね」
「おい!神父様がお見えになったぞ!立て!」
私は面会室に連れていかれた
「ここから出る方法は一つだけです。私の愛人になりなさい」
愛人?!妻じゃなくて愛人?!
いやあんたにそういう感情一切ないんだが?!
「この街では私がすべて!正義なのです!!」
自力で脱獄はストーンフリーでもない限り無理だ
私は大人しく愛人になることにした
神父は金を持っていた
茶道と華道と習字とピアノの習い事も許してくれた
しかし私の腰には再び『ミモザ剣』が装備されていた
この現代でこんなでっかい剣何に使うんだ・・・・!!
私の感謝道に終わりは無かった




