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【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常  作者: ニキニキちょす
国内無双編

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魔力が戻った男のディセン

 やっとだ。


 「あー⋯⋯これこれ」


 広い湯船に浸かり、黄金に輝く液体を顔にかけ。


 「これよ、マジで」


 伸びをしながら天井を見上げる。


 そう。

 ディセン。


 以前は少しの量を掛け続けるのを行っていたが、今は違う。


 一発で湖一つ分レベルを変えられる。

 ⋯⋯とりあえずここからしばらくは忙しくなるのは目に見えてる。


 エリクサー風呂。

 身体に良い成分しか入っておらず、無駄な毒素となるものは排出され、肌の劣化を戻すどころか細胞をすべて活性化させる。


 抽象的だが、つまり結果だけ言えばその体の最も絶好調の位置に戻るということだ。


 肌荒れという概念は無くなり、アレルギーや病気の心配はなくなる。


 それは湯気から鼻や口から体内に入るとそれが循環しては体内細胞や神経、全ての回復、即座に成長細胞が動く。


 これはアスリートが嬉しいだろう。

 結果が一瞬で出るものだし。


 まぁ人類がこれを欲しがるのも当たり前だ。


 これがあるだけで見た目の劣化は無くなるのだから。


 そして今、それを自分だけが独占している状態。


 さて、幾らになる事やら。


 




 「あれ伊崎くん」


 「どうも、今日は様子を見に来ました」


 ⋯⋯そう。今までちょくちょく来る必要があったが、これからは一括で変えられる。


 ──"水質改善(ディセン)"。


 アニメのようにエフェクトは出ない。

 だから別に木村さんが気付くことはない。


 「かなり大幅に変えたので、しばらく見なくても安心ですよ。


 鰻の方はどうです?」


 「もう準備は出来ています。

 効能は明らかですが、薬膳ほどで止めておかないと後で面倒になりますからね」


 「ですね。

 謳い文句はそうした方が良いでしょう」


 「あ、そうでした」


 思い出したように木村さんがスマホ見て何やらやっているのだが、結局ポケットから紙を取り出して確認している。


 「まだスマホ慣れしてないですか」


 「え?あぁ、お恥ずかしいところを見せました⋯⋯はは」


 「いえいえ、いきなりの変化は慣れないでしょう」


 「伊崎さんは若いから順応が早いですね」


 ⋯⋯遥か過去に触ったんでね。


 「それで何かあったんです?」


 「あ、いえ。以前裏の取引でかなりの金額を回しているという話をしたのを覚えていますか?」


 「あぁしましたね」


 「発案は私で、決定したのは会長なのですが、今後優先権を得る為の会を作ったんですよ」


 「ウチの品物をって事です?」


 無言で小刻みに頷き、笑いながらメモを見せてくる。


 「既に大企業10グループ以上が加入しており、入会金1000万円という額にも関わらず、これまた裏金として凄い金が動いています」


 ⋯⋯優秀だ、木村さん。

 天才やろ。


 「流石ですね。懐は温まるんじゃないですか?」


 「あはは。それは既に伊崎さんから頂いてるものから使っていますから問題ありません。


 伊崎さんにお知らせしておく。ということもあるのですが」


 と、木村さんが近付いては耳打ちしてくる。


 「色々な方が接待をしたいそうです」


 「⋯⋯そういう事ですね?」


 「そういう事です」


 木村さんと邪な問いかけにウインク。


 「つまり、俺がその接待を受けに行ってもいいということで」


 「はい、もちろんです。こちらとしても伊崎さんが精神的にも立場的にも、行ってもらったほうがいいと思いまして」


 「まさかこんな子供が率いてるプロジェクトだと思わないでしょうからね」


 苦笑いで返す木村さん。


 「しかも、芸能界の重鎮たちから直々だそうです。


 お礼らしいですよ」


 そ⋯⋯そりゃあ行くしかないねぇ!?


 「行きましょう!」


 「場所と日時を後で送ります」


 「あ、そうだ⋯⋯うちの護衛も行かせても?」


 「勿論です。大事な媚先ですから」


 石田。たっぷり楽しめや。

 モデルの卵から事務所で燻ってる女たちから有り難い接待⋯⋯一緒に堪らん時間を過ごそう。


 「そうだ」


 「どうしました伊崎さん」


 「これは事業とは関係ないのですが、木村さんの判断を仰いでから決めようと」

 

 「⋯⋯是非私であれば」


 そう。一番のアドバンテージであり、これからソレを巡って世界中がまだ軽視しているモノがある。


 今ならまだ間に合うだろう。

 少なくともモノさえ分れば錬金術で作成できる。


 





 「あれ、お帰りー!湊翔くん!」


 「ただいま〜!理沙ちゃーん!」


 ぐへっ。

 やわらけー。


 「あっ! もっと挟んでやるー!」


 「埋もれちゃう〜」


 と、そうだ。


 「ねぇ、理沙ちゃん」


 「どうしたの?」


 俺の女には──エロくいてもらわないとな?


 「うわ、あのエロガキ⋯⋯またなんかやろうとしてるぞ!」


 見ていた石田が突っ込んでくる。


 「エロガキ言うな!」


 「事実でしょう!?」


 「あっ、なら⋯⋯今度芸能事務所から接待してくれるらしいけど、石田の分無くそうかなぁ⋯⋯。


 これから話題になる卵とか、もしかしたら有名人が来るって言ってたのになぁ」


 「⋯⋯いやぁ伊崎さん、よく見たら輝いて見えますねぇ! 


 何か普段からされてるんですか?

 あ、肩でも揉みましょうか」


 「石田にしては上手いな。そのまま頼むよ」


 と、俺は理沙ちゃんと近くでムスッとしてる佐藤さんにボトルを一つずつ渡した。


 「⋯⋯私も名前で呼んでほしいんですけど」


 ヒューと口笛を吹く。


 「衣里ー!」


 「変わり身早いなあのエロガキ」


 そうしてこの後、衣里と理沙ちゃんからあのボトルは何だったのかと激詰めされるまで二時間はかからなかった。


 ──モテるって辛いなぁ。

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