俺って魔王ポジってま?
「あーっ」
昨日の夜。久しぶりに佐藤さんと理沙ちゃんとしちゃった。
まーじで気持ちよかったぁ。
腰が軽い軽い。
あ、別に何回でもいいよ?
「今日も行きますかね」
「お気をつけてー」
「アタシも無理〜」
背後にいる二人は、腰が抜けて動けなくなった佐藤さんと理沙ちゃん。
「理沙ちゃん、出てる出てる」
そう、ナニとは言わないが。
「伊崎さん、どうぞ」
「おう」
後部座席に乗り、綺麗なお姉さん方の生足の上で寝る。
「あー、佐藤先輩としたんじゃないんですかぁ?もうっ」
やべ、男の体力って無限なのよ。
おいそこ、膝の抜きで振動させない。
あー、てか足イイ匂い。
神すぎる。
「行ってきまーす」
車を背に、高校に入る。
教室に入ると、全員の視線を浴びるのだが、全く関係ないので無視して机に突っ伏す。
多分、入学式のアレだろう。
「やーい、やい」
「主人寝てる〜」
色欲の塊め!
寝ている俺になんてことするんだ。
ありがとう!ペットが働くのはサイコー。
⋯⋯っと金持ち学校。
どうやら俺が寝ていたところで教師からなんとも言われない。
素晴らしい。
これが権力と金を持った男の末路である。
てか芸能事務所でも作ろうかなぁ。
いいよなぁ。
女優とか呼んで、酌させて。
羨ましがられてぇ〜!
ていうか、上手いこと行けば、色々⋯⋯。
思い出すだけで下半身が。
⋯⋯そんな妄想をしていると、学校の時間は速攻で終わり。
「あ、あのっ!」
「⋯⋯ん?」
男だか女だか分からん。
「もし良かったら⋯⋯!」
と、受け取ってしまった。
何だコレ。
分からぬまま紙切れを開けると。
「おや?俺はいつからモテるように?」
恐らくエインのID。
今丁度エイン民とか流行りだしてる頃だよな。
「えぇ、あのオバサン当たってんじゃん」
モテるとか、表に出るとか。
「まぁいいか」
俺の一覧に加えてやってもいいか。
JKから言い寄られたらしゃーない。
おばさん達は文句言ってるのおかしいだろ。
冷静に考えろよ。
ロリコンってなんだよ?
昔は14歳で子供産んでたろ?
人間のルール的に勝手につくったまやかしだろ。
恐らくだがだぞ?
女が年下を好きだって男を嫌悪する理由。
多分、女はリードされたりする受け性質だから、年下を好きになる理由がない。
守ってもらえないから。
だけど男は違う。
守る側で、食う側だろ?
オバサン好きになったってしゃーないだろ。
そら若い方行くわな。
それに若い方が遺伝子不良も起きないし。
勝手に人間の作ったやり方で人類史の進化が進むわけねぇだろって話。
異世界ではもっと酷いぞ。
これは本当。
王様が15歳の側室持ってて俺も思わず笑った記憶あるわ。
俺にくれよって。
*
「今日もお疲れ様でした」
「そっちもな。忙しかったろ」
「まぁそうですね」
「星はどうだ?」
あれからアイツを見てはいないが、引きこもり陰キャ性質だからな。
アイツから心を開いてくれるまで──じっくり氷解するのを待たないと。
頬杖をついて外の景色を眺めていると。
「ご主人!!」
「ん?」
その僅か数秒。
車が突如急ブレーキと共に横転する。
「おっ、まじかよ!⋯⋯なんだ?」
「伊崎さん!何かの襲撃のようです!
風間組ではない様子です⋯⋯」
車から出ると、頭から血を流した石田が片腕を持ち上げながら出てくる。
「っ、伊崎さん?」
「じっとしてろ」
イメージするだけで、出血は止まり、骨折も軽くなる。
「え?なんですかこれ」
「俺の家に伝わる家宝の技だ」
目が信じていない。
まぁそりゃそうか。
「石田──逃げれるか?」
「⋯⋯しかし伊崎さんは!?」
と、心配そうに見つめる石田を数秒見つめ。
「"龍司"。お前を信頼して言ってる。逃げれるな?」
「っ! 分かりました!!」
瞬時に判断した石田は、走って逃げていく。
「ご主人! アイツ!」
リビの示す先には⋯⋯ん?
「通せ──雷脚」
感覚がもう迫ってると。
その場で両膝を折り、首を傾げる。
「⋯⋯ほう?」
頭上を走る雷一閃。
鼻息を吐いて俺は一気に距離を取るが。
「纏え──雷閃」
「っ、流石に速いな」
一瞬のブレにも付いてくるか。
これは常人の速度ではない。
つまり。
「⋯⋯話題の退魔師か」
まさに雷を纏った木刀が俺の傾げた虚空を通り、二度三度避けて頃合い。
横蹴りを噛ます。
「んっぐ──!!!」
距離が離れた。
足に魔力を通し──文字通り翔ける。
「は、はやっ!!
我が存在の助けを──雷鳥!」
「⋯⋯ん?」
死角である二方向から電撃が飛んでくる。
跳躍して避けたつもりが、電撃は回って俺まで追尾してくる。
凄いな。
追尾機能があるとは。
結構構築するの大変だと思うが。
捻って着地と同時、俺は人差し指を立てて軽くいくつかの方向へと軽く払う。
当然見えてはいないだろう。
悪魔ですら見えなかったんだから。
と、そこでだ。
「伊月!!結界を!」
⋯⋯ん?今度はなんだ?
俺の放った斬撃を、結界とやらの力で弾き、雷鳥とやらが男に戻っていく。
「あぶねぇ⋯⋯」
男はかなり若い。
手には木刀。
だが、あの木刀は虚構だろう。
さっきの威力。
あれは普通ではない。
「やっぱあの星読みの巫女は外さないねぇ」
もう一人、突然現れる。
転移まで使える人間がこの世界にいるとは。
ピッチピチのズボンに黒いスカジャン。
顔はかなりギャルっぽい。
「お前らは? 俺は名乗らないが」
尋ねてみると。
「こっちも一緒だ! お前、悪魔王だな!?」
「⋯⋯ハァ?」
何をチンプンカンプンな事言ってやがる。
「その両手の感じ、悪魔を二匹も従えて!
サキュバスがそんなエロい体をしているということは、それだけ精気を吸わせたって事⋯⋯ヤバっ、エロい」
「馬鹿伊月!」
コントを見せられているのか?
まぁいい。
「ひとまず、俺は悪魔王でないし、乗車していたもう一人は少なくとも一般人だ。
どう責任取るつもりだ?」
「大丈夫だよ。その辺はしっかりするさ。
身体の治癒、精神的なケア⋯⋯こっちが全負担さ」
殺していいって事だな?
「舐めてるな。少なくとも、俺の仲間に手を出した人間はイヌにさせるのがこっちの世界での常識だ。
それか女を全部寄越せ。
お前らの女を全員孕まして俺の子供を産ませてやる。
まぁまぁ強く産まれてくるぞ?」
「「悪魔王⋯⋯言うことがめちゃくちゃだな」」
いや、お前らの言い分の方がよっぽどだと思うが。
「行くぞ!伊月!」
「おう!」
頭上から迫る二人の退魔師。
それを見上げる俺。
俺って悪魔王?魔王?
⋯⋯なんでこのポジなんだ?
それってマ?
ネットで学んだぞ。




