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自力で帰還した錬金術師の爛れた日常  作者: ニキニキちょす
国内無双編

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Have the night of your life.

 作者です。

 昨日レビューを頂きました。


 いつも皆さんの言葉は何でも嬉しく、深夜にもかかわらず迷惑にならない範囲で踊りました。


 良い意味で恐怖を覚えました。滅茶苦茶。

 言ってる事がまんますぎて(笑)


 本日最後の方から異世界語が出るのですが、セリフとカッコを併用するので、変だったらご指摘してもらえたらと思います!


 翻訳作業なので意訳になります。

ーーーー


 




 それから。

 さすがに飯に行こうと言われたのだが、ガッツリ拒否。


 木村さんもそうだったのか、俺の感じから色々理解してくれて──俺は速攻レッツお好み焼き。


 今後何かあったら木村さん、お願いは1個くらいは話を聞いてやろう。


 最近フラグという言葉を思い出した。


 あのオバサンから察するに、俺が毎日世界中から何か言われるようになるのは目に見えているのだが、女とヤッてようが、金の取引をしていようが──あなたが何かあったら俺が何でも中断して助けてやる。


 家族の状態異常だの、木村さん自体の病気だの、見た目を変えたいだの。


 俺は何でもできるからな。

 任せろ。それくらいさすがに危なかった。


 あの会長の目が──これ以上ないくらいキマっていた。 


 あれ⋯⋯食べながら何を聞かれるのか分かったもんじゃない。


 「紗季はどう思ってるんだ?」

 

 帰り間際。

 なんて聞かれそうになって別の意味で動揺が凄い。


 やめてくれ。

 色々な意味で恥ずかしい。


 その後俺はどうすればよかったんだ?

 

 "隅々まで知ってます!"

 とか言えば良かったんだろうか。


 ⋯⋯俺でもヤバイのは分かる。それはごめん。





 「お兄ぃ!それやり方違うぅ!!」


 「えっ?ごめん」


 皆は何百年も前の食べ物の作り方を覚えているのだろうか。


 俺はこのお好み焼きなる食べ物。

 名前は思い出せているのだが、作り方とか見た目を全く覚えていない。


 感覚で作ろうと一生懸命励んだのだが、結果は見た通りの大惨事。


 「お兄ちゃん下手くそ」


 ギクッ。

 弟に負けた。

 

 小学生の弟は綺麗な円型の食べ物が完成している。


 だが、俺のは歪な形だ。

 しかも、周りに散乱している。


 人生の中で、こんなにも上手くいかないのは初めてだ。


 「湊翔も苦手なことがあるのか。少し人間味があって良かった」


 イジメです?やめてください、父。


 「そーくん、大丈夫よ! ママに任せなさい!」


 母よ。やっぱり俺の親です。

 頼もしい。


 ありがとうございます。


 「それにしても、湊翔が本当にあのパンフレット通りの高校に入るなんて予想してなかったな」


 「そうね。会長さんが来た時に初めて現実感が出てきたわよねぇ」


 「ママ、お兄ぃの高校って凄いの?」


 食べ進めながら俺の話題。

 母は嬉しそうに俺の高校を語ってくれる。


 「そうよ!あまりでかい声じゃ言えないけどねぇ?


 ちょっと周りのママ友に聞いたら、土地を所有しているお金持ちとか、お医者さん、弁護士の人が当たり前らしいの。


 大企業の部長さんくらいでも、行けても頑張ってるくらいにしか見られなくて⋯⋯ってお隣の麗美さんが言ってたわ」


 「うへぇー弁護士、お医者さん?どれも凄いハイスペじゃない?」


 チラッと父を見る南。


 「南、あまりパパを見ない」


 それに気づいたのか父は恥ずかしそうにふいっとそらす。


 「お兄ぃが大出世だ。私が妹じゃなかったら好きになってた」


 「あら南、男はお金じゃないわ」


 「分かってるけど、学校のイケメン達は彼女出来てもすぐポイッてするじゃん? 


 だったらお金あればまだマシかなって」


 いや母上?黙ってないで何か返してあげて。

 んっ、やはり地球の飯は美味いな。


 衛生管理がきちんとしてるし、味を変える必要がない。


 あとは何より、愛情という一番必要な調味料がものが入ってる。


 「お兄ぃ、学校入ったからって彼女取っ替え引っ替えしないでよね?」


 「勿論」


 爽やかに返したのだが、全く信用していない顔だ。

 ⋯⋯よく分かったな。


 「最近のお兄ぃからは、ダメ男臭が半端ないんだよねぇ」


 「あら南?そーくんはお仕事もしっかりしてて家族も大事にしてくれていい息子よ?ねぇ、アナタ」


 「あ、あぁ!」


 母上、イジメないであげて。

 父も一生懸命なんだから。


 「むぅー。なんかお兄ぃからは色んな女の香りがするんだよね」


 クンクンと服を嗅がれては、やっぱりと言うように頷いている。


 察しがいい。

 確かにベッドでは何人も女と寝てるから、染み込んでるわな。


 女こわ。



 

 

 「ここまで送る必要はなかったのに」

 「そうだよ!お兄ぃもまだ未成年だよ」

 「そーくんもしっかり帰るのよ?」


 お好み焼きのお店は実家の方が近く、タクシーで行くのをお見送り。


 歩いて帰ると言い出した二人に俺は無理やりタクシーに乗せたのだ。


 ふざけるな。

 俺の家族を歩かせるなんてあってはならない。


 「湊翔、当たり前だが、頑張るんだぞ。陰ながら応援している」


 「うん、頑張るよ」


 やっぱり運動部とかに入ってる女とか抱きたいな。


 イイ感じに都合のいい女が欲しい。

 

 向こうの女たちとこっちの女は結構差があることに気付いた。


 まぁそれは今いいか。


 「勉強だけじゃなくて、人間関係も気をつけるんだぞ?これでも父さんは昔モテたんだからよく分かる」


 「え?パパがモテたって本当!?ママ!」

 

 「そうよ。パパ昔は"イケメン"で"お金もそこそこ"あったのよ」

 

 ⋯⋯へぇ。そうだったのか。

 俺は兄弟の中でも似てないし、父さんに似たのか?


 でも別に父さんと顔が似ている感じもしないんだよなぁ。


 「ほら、運転手さんもお仕事だからそろそろ」


 促して、俺は手を振る。


 「そーくん、何かあったら連絡するのよ!」

 「お兄ぃ、学校でイキれてる!ありがとー!」

 「お兄ちゃん今度ゲームしよ!」


 ふっ。またな。


 タクシーで帰っていく家族を見えなくなるまで見送り、俺はポケットに手を入れ、ゆっくり遠回りながら徒歩で帰る。


 



 

 向こうの女は、結構差があるのだが、スタイルが良い女がかなりいた。


 こっちのように肉付きがイイ女は貴族や懐の良い商家の娘のみ。


 普通の一般女は飯がそこまで食えるわけではないので、細い。


 しかも、ある意味平等か、あるいは差別とも言うのか。


 女でも容赦なく肉体労働も強いられている。


 だから、足腰強い女が多かったし、全体的に引き締まっている女が多かった。


 顔も良いしな。


 言ってしまえば、こっちの女は商家の娘のような女がいっぱいいて、運動機能がない女が多い。


 だからよくも悪くも、理沙ちゃんみたいな女の方が体が疼く。


 佐藤さんは正直、筋肉トレーニングを始めたら無敵だと思う。


 と、かなりの距離を歩いたか。

 夜空を見上げ、ながら歩きで今の生活を振り返る。


 ⋯⋯中々悪くない。


 平和で、お金もあって、人に恵まれてる。

 最近の俺は自分じゃないみたいだ。

 

 この感情はあっちにはなかったものだ。

 だからか──。

 最近恐怖を覚える。


 "居なくなったらどうしよう"


 ヒュュウと。

 夜風が自分の襟足を刺す。


 自分の顔が昔に戻ったような錯覚に陥るくらい、思い出したくもない⋯⋯だけど懐かしい記憶が次々と出てくる。


 女に甘えられて、部下と毎日無邪気にイジってイジられて、問題を起こして走り回って。

 

 だけど頭に過る。


 "いつまで?"


 「⋯⋯らしくないな」


 っと。


 「そうだ」


 紙袋から箱を取り出してパカッと開ける。

 母から入学式の祝いでプレゼントを貰った。


 両親が必死に貯めてくれたお金で購入してくれたそうだ。


 やはり、家族というものは良いものだ。

 

 無意識に頬が緩む。

 笑みが湧く。


 開けると何処のブランドかはわからないが、上等な長財布とカードを入れる小さいモノが出てきた。


 それと。メッセージカード。

 

 "湊翔。お前が金持ちになろうと、何かあったら父さんと母さんはお前の味方だ。些細なモノだろうが、使ってくれると嬉しい"


 "そーくん、入学おめでとう!毎日家に帰ってくるのよ!"


 「⋯⋯⋯⋯ふっ」


 その時だった。工事現場の通路辺り。

 

 重い音と共に、両手で添えていた財布が次の瞬間真っ二つに斬れたのだ。


 普通の人間なら、本来過程は見えないだろう。


 だが、俺には見えている。


 縦形状の黒い斬撃。

 珍しく肉体が動かず、スローモーションで斬れていくのを眺めるしかなかった。


 生地が破れ。 

 斬れた破片が宙を舞う。

  

 「⋯⋯あ」

 

 ポタッと。

 無残にも、地面に財布の破片が。


 「あぁ──」


 魔力で戻す?

 違う。これはプレゼントであって、戻したらそれは記念のものではなくなってしまう。


 同じものだが、似て非なるもの。

 価値はその瞬間変わってしまう。



 ⋯⋯1分くらい。

 動けずにただ、落ちた財布が映る。


 よくよく考えれば、この周囲に人気は全く無い。


 長い事忘れていた、この感情。


 ガリッ!!!

 少しずつ顎が無意識に震え、砕けた音が聞こえた。


 普段は反応すらしない魔力。

 重く、振動が止まらない。

 制御が上手く行かない。


 ゆっくり財布を拾って、紙袋にしまう。


 隣を見れば、何かオレンジ色の結界のようなものがある。


 全く気付かなかった。

 なんだ?


 「イレ、アラシュアメルンダクレジアイラ」

 (私は少しどころかだいぶボケていたのかもしれないな)

 

 忘れていたのかもしれない。

 

 自分が何者で。

 自分が何をやってきた人間なのか。


 「アラミディ、ロアゲイレ、ソファリラ」

 (この世界に、まだ敵意を私にを持つ人間がいる)


 この反応は、魔力?

 だが、少し性質が異なる。


 「ロッツリイゴ。イレ──ロハネモクシロイダンテコメルヤ」

 (なんでもいい。私が手塩にかけて育てたあの子供に手を出したあの魔王は、毎日犯して子供を1000回産ませてやってた)


 「ッハハハ!イレガマクシネライニオットルケデオルバ。」

 (ハハハハハ!忘れていたよ。私が私である理由を)


 結界に近付く。

 それだけで結界は振動し、今にも割れそうだ。


 「イレアイラミレガ?ファルスデァゴ」

 (私が近づいただけで壊れそうではないか)


 どいつだ?

 俺に斬撃を飛ばした輩は。


 忘れていたよ。

 俺が、伊崎湊翔ではなく──今はケルビン・アスファル・ディア・アウグスベルファウスだと言うことを。



 人間国の王族が寿命を伸ばしたいと言った。

 だから、娘を寄越せと言ったら喜んで差し出した。


 嫌だと言った人間も、じゃあ俺の子を産ませろと言ったら喜んで納得した。


 縄張りだと言った龍帝もぶちのめしてその妻を孕ませた。


 毎年お前らの子供を寄越せと言ったら渋々でも笑顔で渡してきた。


 ある時は魔族を率いて魔王が侵攻してきたので、部下諸共消滅させ、必要な女だけを研究室で使い込んだ。


 種族派生を促したのも俺だ。


 エルフとの取引で手に入れた長老を使い込んだのも俺だ。


 そして、王と呼ばれる者は──誰も近づく事はなかった。


 魔神すら寄らなかった。

 どんな存在でも、俺に頭を垂れた。


 時には女を。

 時には彼らの素材を。

 時には生命を。


 万物の王に敵意を持った存在は居なかった。


 薄々分かってはいたが、この世界もそうなのか。


 馬鹿はどこにも存在している。

 そして被害者ヅラする。


 魔王も泣いて謝っていたが、許されない。

 万物の王の前では全て平等である。


 触ろうと腕を上げる。

 指先が結界に触れそうになった次の瞬間。


 ガラスが割れるように。

 細かく波状に全体に広がっていき、最後にはパリン!と音を立てて結界は崩れ去る。


 そして、俺は侵入し。

 教えてやる。


 結界と言うのはこういう事を言うと。


 法式を構築し、絶対に出れない強度で作り直す。


 そして、女だった場合は、犯し。

 男だったら達磨にして投げる。


 俺という人間はそういう存在だったはずだ。

 こっちに来てだいぶボケていたようだ。


 泣いても叫んでも変わらない。

 それが──俺という存在。


 「な、何!?」


 一人の女が人差し指と中指をピンと立ててこちらを見ている。


 もう一人は男。

 片膝をついて肩で息をしている。


 そしてその先に二人の女。


 口が歪む。

 丁度今日は機嫌が最悪だ。


 「イレ、イルバノレシアルバハウト」

 (私に敵意を向けたのはお前らか?愚か者が)
































 お前ら──今日は良い夜が送れるといいなァ?

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