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【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常  作者: ニキニキちょす
国内無双編

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お分かりいただけただろうか

 それから家に帰った次の日。


 昨日は久しぶりに暖かい気持ちになって機嫌は上々。

 やっぱ夜ご飯までいるべきだったかなぁ。


 南と拳哉に会えなかった。

 まだ休みは3日程残ってる訳だし、会いに行こうかな。

 

 ──と。


 「お兄ちゃんー怖い!」

 「きゃー!」


 子供二人が俺の両腕を掴んで離さない状況だ。

 あ、ちなみに今の絵面は思った以上に中々に酷い。


 「大将ー!!!!」


 更に重い重量のゴリラの感触。

 俺達って⋯⋯結構な歳頃だったはず。


 「伊崎さん!ほら、リプレイ見てくださいよ!いますって!」


 ウチのリビングでは数十人が居ても問題ないくらい広いのだが、そこは今詰め込まれた狭さである。


 まだ現代のように個人で何かをする時代ではない為、娯楽はテレビや最近出始めたスマホの一部機能くらいなものだ。


 夏が過ぎた今だが、俺達の目線の先にはまだ寒くなる為の心霊番組を見ていた。


 発案は俺と鈴ちゃん。


 みんな実は心霊が苦手だったらしいのは反応で分かるのだが、元とはいえ極道の漢達が心霊でギャーギャー騒いでいるのは下手な番組より衝撃的な面白さを感じる。


 そう。俺は。

 

 ーープルルル!


 「伊崎さーん?」


 分かってる。

 電話が鳴っているのは分かってる。


 ーープルルル!


 「大将、電話がなってるぞ?」


 おう。分かってるんだ。


 ーープルルル!


 「おい! 怠惰に過ごすつもりが、なんで一生電話が鳴るんだこのクソッタレが!!」

 

 ガラケーを真後ろに投げ飛ばすと、全員が一斉に俺を見る。


 「誰っすか?」

 「伊崎のアニキ頭いいじゃないっすかー、しょうがないのでは?」

 「そんな事よりランキング5位始まるっすよ!」


 聞いたか?

 これでも元極道の奴ららしいぞ?


 しかも、銀の下っ端は元関東で一番強かった奴ららしいから、下手な奴より強い。


 そんな奴らが心霊番組でウッキウキなんだが。


 『第5位──ヴェルの誕生日』


 「うわー!お兄ちゃん怖いー!」


 大丈夫だ、俺法則。

 怖く──



 














 

 「うわァァァァァ!!!」






 「はい」


 『何度も悪いね⋯⋯なんでそんな死にかけの声をしてる?』


 「あぁ、全く問題ないっす。ちょっと今日は寝れなそうなんで」


 『そ、そうか』


 電話の相手は白波会長。

 どうやら木村さんの企みは上手く行ったようで、早速挑戦状の効果は瞬く間に広がったらしい。


 通販では既に電話がパンクしそうになるほどらしく、白波というブランドもあるおかげで料亭やそちらを専門にしている人間からも問い合わせが多いとの事だ。


 会長の知らない所で遊んでいた俺と木村さんに仲間外れ感が嫌で不貞腐れた電話だったと言えばいいか。


 詳細を話すと今のまま行けば、初月売り上げ金額は三億ほど。


 少なく聞こえるかもしれないが、実際広告のCMだけで、他は俺の力のみで起こせる謂わば超効率の黄金の山だ。


 普通ならアレやこれの支出と収益を考える必要があるが、俺のは必要ない。


 ⋯⋯言い方を悪く言えば、今会長が若干俺を立てているという答えである。


 俺の機嫌を取って強化したいというのが見え見えだということだ。


 実際、白波水産は業界でも評判が悪い。

 水産の子会社を設立した事で中心の水産関連の売上も期待できるからだ。


 まぁ子会社を設立しようと話した当初を考えれば、あちらはここまでを想定していなかっただろうからな。


 「あれ、会長食べました?」


 『食べたぞ! なんでもっと早く言ってくれなかったんだ──あんな金塊、ウチでもっと広げられたんだがな』


 「最初から言ったところで──信じてくれました?」


 嫌味ったらしく言ってやると、一つ咳払いが返ってきた。


 「⋯⋯冗談です。次はしっかり呼びますから」


 "次"があるかどうかは、知らんがな。


 あくまで俺の有用性を広げてやろうというつもりでやっただけだし、あとは──アイツが万が一何かあった時の場合に用意した保険だからな。


 『頼むぞ。早速だが、何かあったりするのか?天才少年』


 「もう次を?」


 『言い方があるヤツの言い方ではないか。ウチなら全開放出来るぞ』


 「お金に困ってないっすよ」


 『んん⋯⋯』


 俺、今のところはまじで何も困ってないんだよな。

 親戚のオジサンみたいな立場が欲しかっただけだし。


 『⋯⋯では高校のコネとかは』


 「是非そちらでお願いします」


 欲しい答えとしては理想な即答である。


 『早いな』


 「そういえば高校の事をすっかり忘れてまして」


 『あぁ⋯⋯。確かに娘から聞いた話から勉学が恐ろしく低下していると聞いたが』


 「そうなんですよ。ちょっと色々ありまして」


 『そうしたらすぐにでも手続きしよう。場所はこっちで決めてもいいのか? それとも、行きたいところがあるのか』


 「いや、目利きに任せます」


 『そうか。なら早速。こっちはスムーズに話が進むのは間違いない。伊崎くんは、次はどんな面白い事をしてくれるのか、楽しみにしているよ』


 「勿論──水産の利益になるようにしますよ」


 よし、やっぱサバじゃなくてアレの方がウケが良かったのか。


 ──鰻さん。

 うんん⋯⋯やっぱり地球人の感性は分からん。


 あ、俺も地球人か。

 

 というか俺の亜空間が開ければ、今すぐこの世界を征服出来るのになぁ。


 魔導書も武器も概念も出せるのにぃ。

 警備だの金だの⋯⋯全てが無に帰す。


 やっぱり──こんな雀の涙しかない魔力でも貯まらないと糞だ。

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