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【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常  作者: ニキニキちょす
世界征服編

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駄々をこねる20代半ばの成人男性

 なぁ。


 「やーだー!やーだ!」


 なんで俺は。


 「なんで泣いてんだよ」

  

 20代半ばの駄々をこねているのを眺めなきゃならんのだ?


 





 この話をするには、色々前提がある。

 というより、前後が大事だ。


 「どうだ?こんな所だろう?」

  

 俺が初めて錬金術を見せた時だ。

 まぁ、正直に言えば、俺が極限まで自分の持つ専売特許をエリクサーだけに絞ったのにはわけがある。


 ⋯⋯当たり前だが、ある程度力が戻った段階である意味この世界の人間からしたらゲームセットだろう。


 俺には自前の錬金術がある。

 

 俺の創れないものに制限はほぼない。

 それこそ生き物くらいのものだ。


 しかし。

 それではつまらない。


 たったそれだけだ。

 わざわざそうしなくてもいいように。

 

 だが。


 「ねぇ!?」


 「いきなりなんだ」


 「こんな化物な事できるのに、なんで俺に事務所なんてやらせたんですか!?」

 

 石田の顔は酷いものだ。

 しわくちゃなお婆ちゃんそのものだ。


 「俺あんなに働く必要ありました!?

 俺、毎日アホほど残業してましたよね!?

 見てましたよねぇ!?」


 「⋯⋯あ、あぁ」


 「ホールの押えだ、コラボ会社との打ち合わせ!


 ブッキングだ、ギャラの交渉、原石のオーディションに会長との会食、しかも目の前に芸能人がずっといるもんだから下半身とも付き合わないといけない!


 嘘ですよね!?

 もっと楽に行けたでしょー!!!!」


 あぁもう、何言ってるか分からんくらい叫んでるわ。


 「いや、いきなりそんな目立ち方したらまずいのはお前も分かるだろう?」


 「クラブ行く為にあんな必死になってたのに⋯⋯。


 これなら⋯⋯くうっ!」


 出来上がった一軒家は嬉しそうだが、石田の顔が死んでいる。


 まぁ、それもそうか。


 「だからほら、基本ここはお前の好きにしていいから」

 

 「俺ぇ⋯⋯ちゃんと頑張ったのにぃ⋯⋯」

 

 傍から見たら酷い有様だ。

 四つん這いでマジ号泣する20代半ばの姿を見下ろす変な二人組。


 「お前額面で30億はあるだろう?

 株とかコネクションもあるんだから、いいだろう?」


 「え!?

 てことはですけど、伊崎さん魔法使えるんですか!?」


 突然息を吹き返した石田。


 「ん?まぁ近いような事はできるぞ」


 まぁ、それで異世界で王様みたいなもんって言ったら、今のコイツは何をしでかすか分かったもんじゃない。


 「え!見せてくださいよ!

 パッ!ってやったら炎とか出せるんすよね!?」

 

 「とりあえず部屋入るぞ」


 入ってとりあえず見せたのは、お望み通り。


 「うわー!!すげぇ!!」


 掌を天井に向けては炎を見せてやる。


 「熱くないんすか?」

 

 「いや別にだな。 

 制御で伸ばしたりする事もできるし、飛ばしたりもできる」


 「まーじーで異能じゃないですか!」


 「だからそう言ったろ」


 子供みたいにピョンピョンして喜んでるぞ。

 まじかよ。


 まぁ、でもそうか。


 「ていうか、厨二病だと思ってましたけど、実際に使えたら厨二病でもなんでもないっすよね?てことは」


 「まぁな」


 「うわぁー待ってください?

 待ってください?」


 「慌てるなよ」


 俺に手で静止させ、必死に何か考え込んでる石田。


 「いや、伊崎さんのこの感じ、次は無いと思うんですよ。


 機嫌が良い今じゃないと」


 おぉ、よく分かってるじゃん。


 「あっ!てことは、家が出来るって事は⋯⋯洋服も?」


 「当たり前だな」


 「ま、マジ⋯⋯?」


 「おい、涎、涎」


 「あぁーごめんなさい、ごめんなさい」


 本当欲望に忠実だなこいつは。


 





 という流れだ。

 まぁその後に色々やってやったのだが、そうして今。 


 コイツは俺の魔法がもっと見たいと駄々をこねているのだ。


 「いやだぁー!」


 床で3歳の子供のように両手両足をブラつかせて駄々をこねている。


 「分かった、分かったから」


 「え!?魔法見れるんですか!?

 あぁ、異能でしたっけ?」


 「あぁ」


 「なんかこういうのみたいっす!!」


 と、出されたのは、拳になんかを纏わせてメラメラふよふよしている炎。


 まぁ出来そうか。


 魔力を通して、形状を変化させて⋯⋯出力変えて⋯⋯こうか?


 ジュォ!みたいな音が聞こえると、拳には炎が見事纏わりついている。


 目の前の石田は大興奮である。


 「うおー!!!マジでかっけぇっす!!」


 「こんなんで大喜びじゃん」


 「いや、だって影月の秘伝の双虎楼ですよ!?」


 いや。

 これただ見栄えだけ良くしたもんだし。


 「いやなんの技なのか知らんけど」


 「これで敵に触れると業火に焼けてジワッと触れたものすべて燃やし尽くす影月の最強技なんすよ!」


 「ハイハイ嬉しそうだな」


 「あ、なんか異能で色々できそうなのに、なんでそんな勿体ない⋯⋯」


 そうじゃん。

 異能といえば俺にもなんか眼の能力がなんちゃらと母と父から言われていたな?

























 "今まで使った記憶がないから"、ちょっと漁ってみるか。


 「ねぇー伊崎さん!

 これやってくださいよ!お願いします!」


 「はぁ」


 「あー!!


 そうやって馬鹿にして!

 こんなにかっこいい技なのに!!


 自分はいいですよね!?

 いつでも使えるんですからね!


 ※→×∨【∨【→【【」


 はぁ。何言ってるか聞こえねぇ。


 ま、なんかコイツをみてると平和って凄く良いものなのかもしれないな。

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