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自力で帰還した錬金術師の爛れた日常  作者: ニキニキちょす
世界征服編

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下見

 そのまま俺は秦派の幹部席5人のうちの一人、詩蔓という女と華国を回る事になった。


 「どう?華国は」


 「思ってたより綺麗だな」


 「うわ、両親と離れた途端ね。

 そっちが本性なのね」


 「そりゃそうだろ。

 両親の前で一生本性なんて出せるわけないだろ」

 

 「それもそうね」


 車は北京に入ったようで。

 俺は窓越しに風を浴びながら耽る。


 やべぇな、空気が馬鹿きたねぇ。

 自動空気洗浄機の魔導具でも使うかねぇ。


 「何?考え事?」


 「そりゃねぇ。

 そっちは大したことないかもしれねぇけど、俺としたら一大事だ」


 そう。

 いくらなんでもだろ。

 

 両親が実は名家の出自で、こうして華国に歓迎されてよ。


 「知らなかったんだっけ?」

 

 「あぁ。

 普通の人間だと思ってたよ」

  

 「確かに。

 それなら、色々思うところはあるか」

  

 唸るエンジンはゆっくりと収まる。


 「観光で来たっていうのに、まさか北京をご所望なんてね」

  

 「個人的には色々用があるんだよ」


 横をチラ見して、俺は北京の地を踏む。

 まず寄ったのは出版、品揃えなどの確認。


 「あっ、漫画じゃん!」


 「日本のじゃないだろ」


 「別に日本じゃなくてもおもろいし!」


 「なぁ、日本の漫画ってシンプルに面白い?」


 「⋯⋯まぁまぁかな」


 「面白いということでまとめるな」


 「ふざけんなー!!ムキー!!」


 ほうほう。

 少年漫画はやっぱり需要はありそうだ。

 同人誌もいい感じ。


 女性向け漫画もいい感じだな。

 むしろこっちが意外とウケそう。


 「はぁ、なんで今度は服屋?」


 「写メるぞ?」


 「はぁ?急にどうしたの?」


 「次だ」


 続けて宝石、ジュエリーショップ、スーパー、商店街と、全てまわりきる。


 大体2時間掛からなかったくらいかな。

 だが、詩蔓の顔色は悪い。


 「ちょっと⋯⋯さすがあの体力おばけの息子ね⋯⋯どんだけノンストップなのよ」


 「そっちも普段から気の修行とかやってるんじゃねぇのか?

   

 こんくらいで根上げやがってよ」


 「それとこれとは別なのよバカ!」


 「まぁそれはいい。

 いくつか聞きたいことがあるんだが」

  

 「はいはい。

 こっちの言い分は無視よね?」


 「よく分かってるな」


 「とりあえずあそこのスムージー飲みたいから買って」

 

 指差す店は結構老舗の構えをした小さい区画の店。

 そこで飲みたそうにしている物を買う。


 「ほら、早く行くぞ」

  

 「けっ、その割には自分もミルクティー飲んでるじゃない」

   

 「⋯⋯アぁ?」


 「はいごめんなさい。

 言うこと聞きます」


 「──それでいい。

 とりあえず聞きたいのは二つ。


 一つは華国のビジネスに礼儀があるのか。

 二つめはどこが取り仕切っているのかだ」


 ストローで吸いながらもごもご言っている。


 「喋りながら飲むな」

  

 「はわってるでしょ?

 これ美味ひいのよ!」


 「ハァ」


 女はなんて面倒くさい生き物なんだ。

 ⋯⋯いや。散々向こうであんな目に遭ったんだ。


 俺もいい加減学習しないとな。


 「と。簡単な質問ね。

 一つ目は大あり。

 2つめは一つ目と密接。


 というより、ほぼ分かるでしょ?」


 「⋯⋯まぁな。

 仕切り先は?」


 「どこで、何でビジネスをしたいのかにもよるかな?」

 

 「まぁめんどいから全部教えてくれ」







 『おい伊崎!!』


 ビクッと思わずスマホを耳から離す。


 「なんだ」


 『てめぇいつまで休学なんて冷めた真似すんだよ!』


 「仕方ないだろ。

 ニュース見てるだろ?」


 『あぁ。

 何やってんだ?

 日本じゃ飽き足らず、全世界を敵にするつもりか?』


 世界⋯⋯か。

 悪くねぇな。


 「世界征服してやろうかな」


 『ま、マジでやんのか!?』

 

 全部の国の美女を家に迎え入れてパーティー三昧してぇしなぁ。


 煙草の灰を落としながらマッサージを受けている足を上げながら答える。


 「意外とありかもな」


 『伊崎が言うと冗談に聞こえねぇよ』


 「ん?そうか?」


 『当たり前だろぉ!?

 渡瀬金融なんて日銀とは言わねぇがそれくらいの金回り持ってんだろ?


 もしかして日銀の上役と仲良くないだろうなぁ?』


 「少し前に飯行った」


 『そんな軽く言うことじゃねぇよ!

 てか、悪い。話が逸れたが、俺に何の用だ?』


 「木下、確か実家がブランド経営してたよな?」


 『んぉ?おぉ』


 「華国でビジネスする機会があるって言ったらやる?」


 『⋯⋯はぁ!?華国ぅ!?

 オイオイ大丈夫かよ!?』


 「あぁ。もう会食もして仲良くなったよ。

 今丁度気に入られて、極上マッサージ施設でお世話になっているところだ」


 『闇深いぞ。

 後で後悔するパターンはねぇか?』


 「心配は分かるが、一応正当な手続きは踏んでるし、影響力がある人間との話だ⋯⋯そう簡単に事を起こそうもんなら地獄行きだろうよ」


 『まじか。

 当たれば──』


 「月8000も全然狙えるぞ?

 広告費と影響力を考えたら、すぐにでも広がる」


 通話越しに喉が鳴ってやがる。

 正直過ぎるだろ。


 『すぐに親に聞く』


 「おう」


 『てか世話になってるけど、良いのか?』


 「まぁまぁクラスメイトだしな」


 『そんなんで受けていい待遇じゃねぇけどな!

 てか俺はそんな事より早く学校に来いや!!』


 「どうせ受験終わってもう暇だろ?

 行ってもしゃーないだろ」


 うちの学校にいるやつなんてほぼテストなんて受けんでも結果なんてわかりきってるんだから。


 『逆に暇なんだから今が遊べるチャンスだろうが!』


 「キャバクラに連れて行ったのが裏目に出たか」


 木下コイツ。

 将来奥さんにしこたまキレられるだろうなぁ。


 数回連れて行ったが、見るからに鼻の下伸ばして吐息荒々しく貪ってたしなぁ。


 『う、うるせぇ!

 ちょっと興奮しただけだよ!』


 「ハイハイ。

 そうだ、神村は?どうしてる?」


 『あー神村はあんま来なくなったな』


 「そうなのか?

 居心地は悪くねぇはずだけど」


 『いや悪かったと思うぜ?

 虐めとは別に、男の目線とか告白ラッシュにうんざりしたんだと思うぜ?』


 ⋯⋯そっちか。

 確かにそれは嫌だな。


 『だがまぁ、神村は大学決まってるらしいぜ?』


 「そうなのか。

 まぁアイツ真面目だしな」


 『あっ、それより!』


 「ん?」


 『親から聞いたぜ?

 まじで今海外でやってる事って事実っつーか、マジなんだよな?』


 「今更なんだよ」


 鼻で笑いながら二本目に火をつける。


 『気を付けろよ、華国が怖いのはそれもあるんだが、どうやら一部の人間が日本で前暴れ回ったのあっただろ?』


 水道の話か。


 「あぁ。それがどうした?」


 『今、左にいる人間に少しずつ会食を通してハニトラ狙いで狙ってるみたいだ。


 知り合いの事業家は伊崎に世話になってるからって断ったらしいんだけどよ、そしたら経済制裁だったりタチ悪いことばかり起こってるみたいだぜ?


 俺の周りもちょくちょく言ってるから一応考えてやってるんだよな?って考えを聞きたくてよ!』


 はぁ。全く少し離れればここぞとばかりに。


 「1本電話を入れておく。

 すぐに収まるはずだ」


 『よっ! 

 さすが未来のキャバクラ王!』


 「オイオイ。一緒にすんなよ?

 女の機嫌を伺うような事なんてしてねぇぞ」

 

 『う、うるせぇ!』


 「そうだな。

 なら、今年一度帰って遊びに行くよ」


 『ま、まじか!!

 いつもの奴ら連れて行くわ!』


 と、通話終了を押す。


 木下も結構律儀だな。


 だが、まぁどうだろうな。

 詩蔓に確認しねぇとな。


 敵対するにはしっかりとした準備が必要だ。


 「ねぇ、今なんの話ししてたの?」

 「そろそろ構ってー!!」


 俺の目に映るのは、6人の美女。

 少し間を開けて、俺は久しぶりの美女を前にニヤる。


 「やっぱこうでないとな。

 最近動きすぎた。


 でも、もう一週間は空けてるから早く戻らねぇと」

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