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何やら黒い影です。
場面が変わります
コツンコツンコツンコツン…
風の音も聞こえない静かな廊下に鳴り響く靴音。
男は輝くような金髪に凛とした耳を立てて姿勢よく歩いていた。
左の窓から少しの光が見えた瞬間
黒髪猫目の男が突然現れ金髪の男に向かっていた弾丸を剣で撃ち落とす。
「王子〜、今日で何人目っすか?」
「仕方がない、王が倒れてからというもの国の財政が傾いている。母も泣いてばかりで何もできなくなったからな。」
「まあ、お金増えるんでありがたいからいいけどおーっ」
「シュリの方は何もないか?」
「姫は今日も庭でパーティーしてるって言ってましたよ。」
「何も無ければ良かった。翌月には結婚も控えている。私の方は大丈夫だからシュリの周りだけでも警備を固めてくれ」
「ヘイヘイ。王子が死んだら意味ないと思いますけどね〜」
銀髪の男は窓の方へ走り、木の影に隠れていた刺客を切り落とした
剣についた血を見つめ男は呟く。
「〜〜〜っ、この感触、最高♡」
パリン。
新たに狙撃され割れた窓の音が響くが、黒髪男の剣に遮れる。
王子はため息をつき、終わらぬ暗殺未遂に疲弊していた。