美味しい、クリームシチュー
しばらく商店街を歩いていると
静かな通りにたどり着いた
美味しそうな匂いに思わず中へ入ってしまった
「いらっしゃい、好きな席に座りな」
優しそうなおばさんが出迎えてくれた。
辺りを見回すと、広い部屋に数人の人が
ソファーやカウンターに座りくつろいでいた
日当たりが良さそうなソファー席をみつけ座る。
メニューを開くと美味しそうなクリームシチューを見つけ思わず釘付けになる
「うふふふ。注文は決まったかい?」
「あ、え、えーっと、この、これをください…」
注文をする心の準備が出来ておらず、
慌てて頼むと優しい笑顔で注文を取ってくれた。
「すぐにできるからまっててくださいね。」
その数分後にはホカホカの美味しそうな
クリームシチューが運ばれてきた
なんと、おまけにふわふわの美味しそうなパンまで!!
一口食べると身体中が幸せな気持ちになった。
「お、おいひぃ〜」
深く被っていたフードが取れたのにも気付かないほど、夢中で食べていた。
最後の一口が無くなると、満腹で何でもできる気がした。
「うふふふふ」
声のする方を見て、恥ずかしくなった。
なんなら、店にいた人全員が私を見つめていた。
そこで、フードが取れていることに気づき慌てて被るとおばさんが水を入れに来てくれた。
「お姉さん、凄く美人だね。
この辺ではあまり見ない美しさだよ。」
「あ、ありがとうございます…」
「ここまで美味しく食べてくれて私も嬉しいよ。
ありがとうね。」
「いえ、こちらこそ…。
すごく、美味しかったです!
また、、来てもいいですか?」
「もちろんだよ!いつでも待ってるわ」
「はい!」
会計先に向かっていると
おばさんが腰を摩っていた。
ーそういえば、光魔法は何かを消すのに有効だったから、痛みも消せるのかしら……?
好奇心からおばさんに
「少し、腰を触ってもいいですか?」と聞くと
「ふふっ、私も歳でね。美人さんに触ってもらえると治るかもしれないわね」と許可をしてくれた。
光魔法を発動させながら触ると何かが消える感覚がした。
おばさんは思わず瞬きをし、腰を摩ると驚いた様子で「あら、本当に治ったわ。お姉さんありがとう!」と感謝をされた。
なんでも、治療師が来るのは月に1度で皆が向かうので中々治療をしてもらえず「腰くらいなら…」と諦めていたそうで。
その後は様子を見ていたお客さん達に
「もしできるなら、俺も腕を怪我して治して欲しい」
「お姉さん、私火傷が治らなくて」と何人かの人の怪我を治すことになった。
治し終えるとおばさんがオマケで美味しいミルクティーを入れてくれた。
「あなたは聖女様だったのね」
「え?わたしが?」
「おや、違うのかい?」
「違いますよ……」
「うふふ、それでも治してくれたお姉さんに私は聖女様と呼ぼうかしら。聖女様はどこに住んでいるんだい?」
「え、えーっと…」
ー監禁されてました。なんて言えないし…
「引越し場所探してるんです…」
「まあ、あてはあるのかい?」
「な、ないです…」
「良かったらうちの2階はどうだい?空き家になってて結構広いわよ。聖女様は腰を治してくれたお礼に3食ご飯付きで250ゴールド!どうかしら?」
好待遇すぎる提案に思わず身を乗り出して
おばさんの手を両手で握りしめる
「喜んで!!!!」