何事にもポジティブですよね!
「ほんとに出れない」
ドアに魔法がかかっているのかビクともしない
それに、ヨダカが居た時には気づかなかったけど手足についてる魔法リングのおかげで一定異常の魔法が使えなくなっている
なんで取れないのよ
「あーあ、なんにも出来ない。」
天井を見つめながらぼーっと考える
顔だけで選んだら大悲惨とはよく言ったわ
異世界に来て監禁されてよく分からないまま死にたくはないわ。
お世話になったおばさんには絶対に会いたい
それなら、体力つけてヨダカメロメロ脱走作戦よ!
このまま、体力をつけてメロメロになったふりをしてヨダカの弱点を見つけるわ!
それから、隙を見つけて脱走!!
いつまでも気弱な凛ちゃんじゃ、異世界ではやっていけない!強くならなきゃ
2度目の人生ここでおさらばなんて嫌よ!
脱走して、イケメンじゃないフツメンと普通の恋をして異世界生活楽しまないと損よ!
「うふふ、がんばらなくちゃ」
まずは、軽いストレッチね!
グーパーグーパーと手先の運動をした後にラジオ体操!
いくら異世界だからって魔法に頼りすぎるのもダメよね
魔法の知識を誰かから詳しく習ったことは無いけれど昔おばさんが1人1元素しか使えなくって、2元素以上使えたら国でも優遇されるって言ってた。
それなのに私は治療魔法は使えるし、日常で使いそうな火、水、風、土、電気、探索が使えた。
治療魔法だけでも凄いと褒められたのに、他の魔法も使えると保護されるのだろうか?異世界チート能力だと思うんだけど目覚めた時から監禁されてたことを考えるとあんまり良い事では無い気がする…
密かに隠して生活してたけどヨダカにはバレちゃってるしなー
「やっぱり私って、長く生きていけないのかしら………いや、ダメダメ暗くならない!さっき強く生きるって決めたとこなのに!!何事にもポジティブにいかないと!」
暗くなるところだったけど、監禁されても明日は久しぶりに外へ出れて人生初めてのデート!!今を楽しまないと!自分を鼓舞する
昔散策して集めたラベンダーのポプリを取り出し頭の上に乗せ「クリーン」魔法をかけると、あら!不思議!全身からラベンダーの香りとスッキリ綺麗に!
「乾燥肌だからクリームも欲しいけどさすがにないわよねー…」
それから、明日着ていく服を!…って言っても知らない間に連れてこられたしこれ以上何も出来ないのよね
諦めて寝ることにした。
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「おはよう!凛。
なんかいい匂いがする。なんかつけた?」
目を覚ますと優しい顔で凛の髪をといでいた。
「お、おはよう」
「今日も可愛いね」
挨拶をしたあとヨダカは凛の唇にそっとキスをする
「ありがとう、髪はラベンダーのポプリがあったからつけてみたの」
「凛は器用だね。普通そんな発想出てこないよ」
褒められたのと寝起きの姿が恥ずかしくて毛布で顔を隠しながら話す
「だって、ヨダカがデートって言ったからちょっとお洒落したいなっておもって」
さっきまで笑顔で尻尾を降っていたが突然顔が赤くなり尻尾もピンッと立った
「え」
驚いた凛は驚き思わず
「私変なこと言った?」
「全然!!むしろ、俺のためにしてくれたの!?」
「う、うん…」
「凛だいすき!!」
ギューッと抱きしめられ複雑な気持ちになる
「よ、ヨダカ!私服を着替えたいの」
「いいよ!どんな服がいいの?」
「自分で着替えるわよ」
「え、でも番でしょ?オレがするよ?」
「嫌よ、自分でする」
「なんで?」
「だって、恥ずかしい……」
「大丈夫!慣れるよ」
「慣れたくないわ!それと、服を取りに家に帰ってもいい?」
「服も荷物もぜーんぶここにあるよ」
「なんで…」
「お店の人が大家さんだったんだよね、ちゃんと凛は結婚するから引っ越すって伝えて荷物も運んできたよ」
「そんな…
私挨拶も何もしてないわ」
「大丈夫、オレがしといたから!」
笑顔で話すヨダカにゾクッとする
何も言わずに突然こんなことって…
これ以上は変に話して刺激しないほうがいいわね
少し涙目になりながらも切り替える
「あ、ありがとうヨダカ!じゃあ、服どこにあるかしら?」
「こっちだよ!おいで」
初めてこの部屋以外の外に出る
長い廊下が現れヨダカと手を繋ぎながら1番奥の部屋に入るとそこは凛の部屋そっくりだった。
こんなの漫画だけかと思ってたけど本当に再現する人が居るのね
「どう、びっくりした?凛が住んでた家みたいにしたんだ!小さくて可愛くて凛の香りがいっぱいしてオレのお気に入りだったからここにもしてみたんだ!」
「ありがとう。親近感があってすぐに馴染めそうよ」
「ほんと?じゃあ、好きな服着替えてて良いよ!
俺はこのベットの上から凛を見とくから」
「着替えるから出て行ってくれる?」
「なんで?番なんだから着替えくらいみたっていいじゃん」
「お願い。じゃないとヨダカを嫌いになりそう…」
「え!わかった!じゃあ、俺布団に潜っとくから」
「グスッ」
キラリとした涙が凛の頬を伝う
「わ、わわかった!出ていく!扉の前だったらいい?」
「うん!お願い♡」
ヨダカは急いで部屋を出た扉の前へ行った
水魔法使えてよかった…
番のことなんて何も知らないから街へ出たら魔法書と番についての本も買わないと
私、ここから脱走なんてほんとに出来るのかな
不安になりながらも急いで着替えることにした