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新しい出会い



ヨダカに会えたのが嬉しくて鼻歌を歌いながらお店の手伝いをしていた。


手元を見るたびに光る黒のリングを見ては嬉しくてニヤニヤしてしまう。

私を見てはため息やガッカリする人、温かい目で見てる人がいる気がする。

私、浮かれすぎかしら?


そんな姿を見てか、おばさんが声をかけてた。

「あらあら、まあまあ。凛は明日デートなのね」

「は、はい。」

照れくさくって、思わず顔が赤くなる。

「楽しんでおいでね。」

「はい」

コクりと頷き、注文のあったテーブルに向かうと

よく治療に来ていた年の近そうな女の子が私をニヤニヤしながら見ていた。

「聖女様も恋してるぅー?」

「ビーフシチューです…」

「ねぇ!恋してる?」

「…」

「ねぇってば!」

「………してます」

答えると少女はパァっと顔を輝かせ

「やっぱり!そうだと思ったんだ。だって、いつも美人で美しい聖女様が今日はいつも以上に可愛いんだもんっ!」

「そ、そんなことないですよ。」

突然褒められて両手で頬を触り顔の火照りを冷ます

「ねぇ、聖女様!よかったら私と恋話しない?実は私もロイって好きな奴がいるの!ずっと誰かに相談したくて!」

「そんな、私でよければ…」

「うわあ!やったー!じゃあ、わたしの事エメリーって呼んでくれる?」

「じゃあ、私も聖女様じゃなくて凛って呼んでくれる?」

「もちろん!」


お昼の忙しい時間を終えた後エメリーと一緒にお昼を食べながらこの世界で初めての「恋話」をした。


「ロイってばありえないんだ!毎日ずっと一緒に居るのに好きだって気付いてくれないの。ありえなくない?だからちょっとでも意識して欲しくてデートに誘ったのに「暇だし、いーよ!」なんて言われたら悲しくって…凛はどうやって誘ったの?」

「私は、えーっと、デートに誘う前から告白されてたの…。

私も彼の事をカッコいいなって思ってたから返事と一緒に誘ったの」

「いいなあああ!凛ってほんとに美人だもんね。凛ほどの美人な人今までに見たことないもん!それに、性格だっていいし!人に無償で治療するなんて人今まで見たことないもん」

「だって、目の前で苦しんでる人が居たら助けたくなるじゃない」

「さすが、聖女様だ.」

「もうっ!」

「「ハハハハハハハハハ」」

2人の笑い声が食堂に響いた。

明るく元気なエメリーは人懐っこく、ひまわりや太陽のような温かさがあり人見知りな凛ともすぐに打ち解ける事が出来た。


すると、何か思い出したようにエメリーが話す

「そうだ!私も明日のためにおしゃれしないと!凛は仕事何時に終わる?良かったら一緒に選んでくれない?お願い!!」

「夕方頃になると思うけど、いいかしら?」

「まってる!まってる!」


2人は街へ買い物する約束をした。

仕事が終わった凛と合流したエメリーは市場で気になった服を自分に当てては「うーん」と悩んでいる。


「ねえ、凛!これどう思う?」

「赤もいいと思うけど、私は黄色のこのワンピースの方が可愛いと思うわよ」

「ほんと?」

「きらめく茶色の髪に薄いオレンジ色の瞳には黄色のドレスが似合うと思うわ。」

「そう?なんか褒められてるみたいで照れちゃうな」

「ふふっ。全て事実よ」

嬉しそうに凛に選んでもらった服を買う。

すると、一緒に並んでいた銀色の雪の結晶のようなワンピースをエミリーが見つけ、「凛はこれよ!絶対これ!凛のためにあるような服じゃない」とおすすめするので思わず買ってしまった。


その後も美味しそうな饅頭などを見つけては食べたりとお喋りや食べ歩きを楽しみながら歩いた。

あまりにも夢中になり、気がつくと陽は沈み星が輝く時間になっていた。


「楽しかったね!」

「ええ、すっごく楽しかったわ。明日お互いに頑張りましょうね」

「うん!絶対にロイを振り向かせるんだ!」

「うふふ。またお話聞かせてね」

「凛もだよ!ラブラブしすぎて食べられちゃうかもね。」

「そんなことないわよ!」

そんな話をしながら、エミリーと解散しお店へ向かう。



帰り道、暗い路地に差し掛かったところで声が聞こえる


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」


ビクッ

あまりの大きな声にビックリする凛。

おそるおそる、声の方を見ると男が血まみれで倒れいる。すると、奥から男が笑いながら歩いてきた。


「あーあ、いい声だね。ぷぷっ。誰も助けに来ないけどね。」男は倒れている男の関節を踏み砕いた。

バキっ


「いだあ”あ”あ”あ”ああ”あ”あ”あ”あ」


ハッハッハッハッハッハッ

「最高すぎるじゃん?全部折ったらどうなるの?笑」


男は何度も関節や足を踏み、その度に叫び声と笑い声が混ざって聞こえる


ー怖い…。だれか。


そう思っていると叫んでいた男から声が聞こえなくなる


「あれ?気絶した?おーい」

それから声が聞こえることは無かった。


「チッ、」




舌打ちをしたあと、懐から剣を出しておなかに刺し男の血をあびる。


その瞬間、雲がはれ月の光が輝き剣を持っている男を照らす。








「え、そんな…………うそ。」






凛は静かに涙を流し物陰から男の死体を剣に刺し、振り回して笑いながら暴れる男…ヨダカを見つめ事が落ち着くのを静かに待つのだった

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