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お隣さんとベランダごはん  作者: シルヴィア・紫の夜明け


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合い挽きカレーと丁寧な肉じゃが ハイネケンを添えて

 一人暮らしを始めてから二年。

 ベランダでご飯を食べるようになっていた。

 テーブルにランチョンマットを敷き食器を並べて丁寧に食べたり、台所で食器に盛らずに食べたり。半身浴をしながら食べたり、モニータやスマホで動画を見ながら食べたり。どれも味気ないものだった。

 ある時ベランダに出て夜景とまではキラキラしていない風景を見ながら缶ビールを飲んだら、解放感と幸福感に包まれた。

 個室ではなくギリギリ外で飲み食いすることによってとても孤独感が薄くなる。

 なので今日も手すり壁をテーブルにしながらご飯を食べる。


 今日の晩御飯はカレーライスとハイネケン。

 甘口と中辛の合い挽きカレーをお米と共に口に含んだ後、カシュッと缶をプルタブで開きハイネケンで洗い流す。

 ホップの苦みが強いせいか、口の中に後味の余韻が残る。

 なぜカレーの合い挽きになっているかというと、興味本位で混ぜて美味しく感じてしまった後、ルーが単体カレーでは身体が満足できなくなった為。

 ふたくちめを食べようとした所、左隣の隔板の向こう側から

「ぐゅるぐゅるぐおー」

 と少し大きめのお腹の音が聞こえてきた。

 あー、カレーの匂い。

 勇者よ食欲がそそられてしまうのは仕方がない。

「食べます?」

 と左隣にカレーの皿をスプーンごと指し出してみると

「ありがとうございます、いただきます」

 と皿を受け取ってもらえた。

 左からパクパクと可愛らしい咀嚼音が聞こえてくる。

 え、左隣さん女性だったの!?

 皿は以前の反省を生かして紙皿なのはいいとして、口つけたスプーン渡しちゃったんだけれど……。

 それにご時世的に新しい皿にカレーを持った方が良かったのでは?

 そんな事を頭に抱えてハイネケンをちびちび飲んでいると左隣から声を掛けられた。

「まだいらっしゃいますか?」

「ああ、はい」

「お礼と言ってはなんですけれども、どうぞ」

 そう言われて左隣から返ってきた紙皿には肉じゃがが乗せらていた。

 肉じゃがにはきぬさやが散らされていてお隣さんは丁寧に生きている人なんだなと感じた。

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