テスト1週間前
6月の中頃、いつもの様に授業を受け、昼休みとなり俺は護と昼食をとっていた。
「いやー、あの部に入って1週間経つけどなかなかいいなぁ」
とても満足そうな顔を浮かべた護に対し、俺は呆れた表情で見ている。
「お前は気楽だな、もう時期期末テストだぞ」
「うぅ、駿、知らない方が幸せということもあってだな」
満足そうな顔から一変し、絶望の表情を浮かべる。
「いや、現実見ろよ。お前普段の授業ずっと寝てるだろ」
体が震え、そのまま机に突っ伏し護は嘆き始める。
「畜生! なんでテストなんてあるんだよ、必要ないだろ!」
「いや、基本教養は必要だろ」
「社会に出て使うんかよ!?」
涙を流しながら声を上げている。
いや、泣く程か?
「それに駿は頭いいからな、俺みちたいな奴の気持ちは分からねぇんだよ」
「いや、俺普通くらいだろ」
「というわけで……」
その日の放課後
「みんなで勉強会をしよう!」
護がみんなの前に立ち、声を上げた。
にしても本当に言いやがったなこいつ。
「へぇ、あんたにしてはいいこと言うじゃない。1人だとどうしてもやる気が出ないのよね」
日向、それを他の生徒の前で言ってみろ。
お前みたいな頭のいいやつが言っても説得力ないから。
「おい護、本当にやんのか?てかどこでやるんだよ」
「そんなのファミレスに決まってるだろ!」
「……は?」
何故ファミレスなんだよ。
「ファミレスで勉強会、高校生ならやるべきだろ!」
「あーはいはい」
護の言葉を軽くあしらうと小さくため息をつく。
「……ちなみに空と北条」
俺が2人に声をかけると、2人ともビクッと反応し、視線を机に落とす。
「2人にとっては都合がいいよな、勉強会」
「それも確かね。あんたに同意だわ」
震えながら虚ろな目をした空が俺の方を見る。
「本当にやるの? 勉強会」
「お前、前回の結果忘れたとは言わせないぞ」
前回のテストで空は全教科1点足りて赤点を回避しているが流石にギリギリすぎる。
「……咲ちゃん」
「……うん」
2人が合図を交わすと、素早い身のこなしでカバンを手に持ち扉へと走り出す。
しかし、扉には既に日向が立っていた。
「見え見えよ2人とも」
俺も椅子から立ち上がり、2人の後ろに立つ。
「さぁ、覚悟を決めろよ」
空と北条は涙を浮かべながらその場に座り込むと、嘆き叫んだ。




