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ミステリー研究部

桃色の景色が青々とした緑へと変わる5月。

俺、御影駿は机で突っ伏していた。

この心地良い気候だ、どうしても眠たくなる。

昼休みということもあり、教室はざわついているが俺には関係ない。

午後の授業をちゃんと受けるために仮眠をとっているのだ。


そのようにしていると、誰かが机のそばに立っていることに気がつく。

ゆっくりと体を起こし、たっている人物を見る。

「駿、また昼寝してたの?」

女子生徒が声をかけてくる。

また、俺の方にクラスの男子から視線が送られてくる。

「2時間目体育があっただろ。あれで体力を使ったからな」

欠伸をしながら答える。

「あれ、駿って運動苦手だっけ?」

「そんな事は無いよ。それよりも空、何か用か?」

「あ、そうそう、駿にお願いがあってね、放課後空いてる?」

「あぁ、これといってやることはないけど」

そう言うと空は笑顔で、

「それじゃあ今日の放課後また来るね!」

と言い残して自分の教室へ戻っていく。

クラスの男子生徒は彼女のことを目で追っている。

そして周りからは、

「太刀川さん今日も綺麗だな」

「なんであんなやつと話してるんだ」

といった声が聞こえてくる。


彼女の名前は太刀川空。

黒髪のハーフアップで元気が取り柄の女の子。

俺と同じ高校1年で幼なじみだ。

そして、天真爛漫で可愛らしく、学年でも人気が高い。

一体用事というのが何なのか皆目見当もつかない。

……とりあえず邪魔もいなくなったしまた寝ようと、机に伏せる。


放課後になり、教科書などをカバンにしまっていると空が教室に入ってくる。

それと同時にクラスがザワつく。

俺は小さくため息をつき、

「……来るの早いな」

「えへへ、ホームルームが早く終わったからね」

満面の笑みで答える。

この時、俺はとてつもなく嫌な予感がした。

「それじゃあ駿、着いてきて!」

空は腕を掴むと俺を引っ張って走り出す。

「ちょ、空!?」

どういうことだと思いながらも空に引っ張られるままでいる。


しばらく走っていると、ある教室の前で止まる。

そしてその教室の中へと俺を連れ込む。

教室には本棚が沢山置かれており、目の前の机には女子生徒が2人座っていた。

「4人目の部員見つけてきたよ!」

空は笑顔で俺に手を指す。

「……え?」

俺は状況を理解出来ず、唖然としたまま教室を見ていた。


「……おい空、どういうことだ? 4人目の部員ってなんだよ」

入口の前で俺を4人目の部員と紹介した空を睨みつけるように見ながら尋ねる。

「あはは、ごめんごめん。だっていきなり入部してって言っても入ってくれないと思ってね」

「というか、ここは何部なんだよ。てかお前いつの間に部活に入ってたんだ?」

状況の理解が追いつかず、どうしたものか分からない。

「ふっふっふっ、ここはミステリー研究部! オカルトとか不思議な現象を調査する部活です!」

……あぁ、そういうこと。

空はオカルトや都市伝説といったものやミステリーものなどが好きで、よくその類の話を聞かされたものだ。

なんでここに居るのかも納得がいく。

「……そういうことか、それはいいんだが俺を巻き込むなよ。別に入る必要ないんじゃないんか?」

空に質問したのち、椅子に座っていたツインテールの女子生徒が咳払いをした。

「ちょっとあんた、騒ぎすぎよ。もう少し大人しくしなさいよ」

「いや、何も聞かされないで連れてこられてこっちは被害者なんだぞ」

女子生徒は興味無さげな表情で、「で?」と答えてくる。

この反応に怒りが込み上げてくるが、一度冷静になる。

小さくため息をつき、空に尋ねる。

「で、なんで俺を入部させようとしてるんだ?」

空は少し困った表情になり、

「実はこの部は今年できたばかりなのよ。正確には廃部寸前のオカルト部を改名したんだけど。それで、部員が4人以上いないと廃部になっちゃうんだよね」

「なんだ、そういう事情があったんだな。それならそうと言ってくれよな」

やれやれといった表情を浮かべ、ゆっくりと口を開く。

「わかった、入部してやるよ。空のおかげで俺もオカルトとかの知識が身についちゃったしな。それに嫌って言っても入れるだろ?」

空の表情は明るくなり、

「ホント!?ありがとう!みんなこれで廃部にならなくて済むよ!」

と声をあげ、女子生徒たちのもとへと行き廃部を免れることを喜んでいる。


「それはそうと、そこの2人は……誰?」

女子生徒の元にいた空が俺の方を見る。

「あぁ、紹介してなかったね。こっちが日向茜」

と、手を向ける。

しかし、茜は「ふんっ!」とそっぽを向く。

あまり印象良く思われてないらしい。

空は俺の元へと戻ってき、耳元で小さく

「本当は素直で優しい子なんだよ」

と教えてくれる。

向き直ってもう1人に手を向ける。

「それで、こっちは北条咲」

俺と目を合わせようとせず、そわそわしながら小さく頭を下げる。

……また変わった子が多い部だこと。

そんなことを思いながら、頭に手を当て口を開く。

「えっと、御影駿です。これから宜しく」

そういうも内心では、これから疲れそうだなと思うのだった。

忙しい生活を乗り越え帰ってきました!


と言っても私を知らない人ばかりでしょう。


できるだけ定期的に更新していくのでよろしくお願いします!

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