表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コポォエッセイまとめ

ダイエットの為に作った『おからクッキー』で、私の尻が散った日。

※本エッセイは下ネタが本編という感じがありますので、人によっては閲覧にふさわしくない可能性が多分にあります。

 後半になるにつれ、その表現が過剰になってきますので、閲覧の際は、その旨どうか十分にご注意ください。






「そうだ。ダイエットをしよう。」


 ある日、私は人生何度目か分からない閃きが降ってきて動き出した。


 私はダイエットが得意だ。これまで何回もダイエットをしている。きっと10回以上しているだろう。

 そう。すでにダイエットのプロフェッショナルになっていると言ってもよい程だ。


 これまでの経験から最も良いダイエットとは、筋トレ、全身を使う適切な運動、そして食事管理であることを知っていた私はすぐに減量に取り掛かりはじめた。


 プールに通い、そして懸垂用の器具を買い、眠っていた腹筋ローラーを探し当て、歯磨きの時にはスクワットをこなす。なにせ春はダイエットに丁度良い季節。始めるには最高の時期なのだ。


 元気に身体を動かすのは精神面からも健康的にしてくれる効果があり笑顔が増える。

 そしてやはり飯が美味い。体を動かせば腹は減る。空腹は何よりも御馳走というが、実際その通りであり間食まで始める始末。

 そしてそのすべてが前よりずっと美味いと感じられるのだから素晴らしい。


 いやぁおやつが美味い。

 体がエネルギーを欲して食べたがるのだから仕方ない。もちろん私は食べる。

 だって体が欲しがっているのだ。


 食べた分は動くからへーきへーき!

 だって美味しいんだもの。食べたいんだもの。

 頑張って動くからへーきへーき! だいじょーぶ食事管理できてるできてる!




 オカシイ。



 痩せない。



 いや、痩せてはいくけれど、減り具合が微妙すぎる。


 ダイエットプロフェッショナルであるはずの私としては、これはもう失敗と言っても過言ではない……これはいけない!

 こうして私は、ダイエットの為に食事を管理する事にした。

 もやしだ。もやしを食おう。

 でもチョコ食べたい。ゼリー食べたい間食最高! うんむむむむ……


 そうだ! 口寂しいならガムを噛めばいいじゃない!


 だめだ。あまりに数を食いすぎてお腹壊しそうになった。

 あと、結構値段が高い。カロリーもそこそこあったわ。


 そうだ! ならば昆布だ乾燥昆布を食おう! しゃぶろう!


 だめだ……1袋が1日で無くなる。ガムより高くつくわ。

 口の中が塩っ辛いしときどき刺さって痛い。


 なによりこれは…………お菓子じゃない……



 こうして私はオヤツに思い悩む事になり『もうっ! 無いなら作ればいいじゃないっ!』の精神でダイエットに相応しいおやつを作り始めるまで、そうはかからなかった。


 さて、作るとなれば、是非ともちゃんとお菓子を食べた感じがして、腹もちが良く、低カロリーな物にしたい。

 頭を捻って知恵を絞り、知恵の源泉たるインターネッツを彷徨い私はある物に辿りついた。


 『おからクッキー』


 そう。おからクッキー。

 原材料のおからは安いし、ダイエットと聞いて「あっ。おから」と思いつくくらいに浸透しているダイエットフードの代表格だ。


 これだ! これが良い!

 いや……これしかない!


 レシピは無数にあった。

 その中で最もシンプルな物を選び作ってみる事にした。


 そのシンプルなレシピは、おから200グラムに砂糖70グラムくらいを混ぜて成形して焼け。というもの。

 なんて簡単なのだろうと材料であるおから400グラムを買って分量に合わせた砂糖を混ぜた。

 ただ混ぜていて、元々料理が好きな方なので『いやこれ、つなぎになんか入れないとボロボロになってクッキーは無理じゃね?』という思いに駆られ卵を2個追加した。


 相当な圧力をかけて成形すれば形を保って焼けるだろうけれど、それだと煎餅じゃん! と思えて不安だったのだ。私は煎餅じゃあなくクッキーが食べたいのだ。

 オーブンは面倒なので、成形してトースターでじっくり弱~中火を行ったり来たりしながら調整して20~25分程焼くと、見た目はそこそこの物が出来あがった。

 合間にキウイフルーツのジャムも作った。


 出来にうんうんと納得しながら試食。




『ゲロ甘い』




 もう砂糖だった。


 砂糖を食ってる感すらあった。

 なにこの砂糖この野郎。あめぇ。くそあめぇ。


 さらに超絶パッサパサ。

 軽く齧っただけで口の中の水分が砂漠に水を撒くが如く全て吸われていく。

 飲みこんで喉を越していくと喉の水分すら吸われている気がする。いやもう飲み込めない。


 食道が詰まるような苦しさから逃れる為に冷蔵庫にあった炭酸水に手を伸ばす。そして私は一度死んだ。


 パッサパッサな口内に乾燥おからがのこり、喉に大量のおからクッキーが詰まった状態で炭酸水を飲むと人は一体どう感じるか。それを知りたいのであれば、是非一度やってみて欲しい。

 とりあえず私は、なぜ牛乳ではなく炭酸水に手を伸ばしたのか自分で自分を殴りたくはなった。

 だけれどちょっと新感覚を感じることができたらから、まぁ良しとしよう。


 さて、このゲロ甘い上に砂漠の乾燥剤であり、爆弾でもある試作おからクッキー。

 砂糖とおから含め、540グラム分もある。


 だけれどもおからクッキーとして数えれば40枚程度。


 折角手間暇かけて作ったのだから、ゲロ甘かろうが乾燥剤だろうが砂だろうが捨てるなどもったいなさすぎる。

 というワケで全て焼き続け、二日かけて平らげた。


 ビバもったいない精神。


 だがその食していた二日目、私にある変化が起きた。

 特にお腹の調子が大きな変化を迎えていたのだ。


 おからとは食物繊維が大量にある物体。つまり……あとはみなまで言う必要はないな?


 ……いや……あえて言おう。



 私は……


 私の尻からは……


 私の尻からは……大量のおからが生まれたのだと。 




 んっほぉおおおっ!

 食物繊維しゅごいのぉおおおっ!




 と、ダブルピースを想像してもらっても構わない。

 それほどにしゅごいのぉぉお! と、おからを産んだのだ。


 正直1日目の夜に腹がパンッパンだぜと、苦しさで唸り夜に目が覚めたが、まぁ、それは許せた。


 さて、ここまでしゅごいのぉお! になるのであればダイエット効果で考えた場合、プラマイかなりプラだろうと私は判断し、まだ残りがあるにも関わらず追加おからクッキーを作る事にした。


 もちろんゲロ甘いレシピなど頭から消し去った。

 あんな砂糖など食えるものか。


 自分なりに頭を捻り、砂漠のパッサパサおからクッキーの改良点を上げ、材料を購入する。


 用意した物は、おから400グラム(2袋)、砂糖80グラム、卵3個、小麦粉おおよそ50~70グラム(目分量)、スキムミルク30グラム(目分量)レーズン1袋(150グラムくらい?)、バター20グラム。

 レーズンを包丁で細切れにし、わっちゃわっちゃと全部を混ぜて、レンジで溶かしたバターを混ぜ込んで風味をつける。

 後は成形して焼く。

 合間にイチゴジャムも作ったけど、レモン汁入れすぎてゲロまずくなった。泣きたい。



 改良おからクッキー試食。


 カントリーマ○○みたいな厚めにしているので、トースターで焼いても中がしっとりしている感はあった。だけど、口に広がる甘さは控えめ。干し葡萄がアクセントになっていて食べ飽きず、パッサパサ感も大分緩和されている出来に仕上がった。バターは感じ難いけれど、風味としてはどこかに残っているはずと信じている。


 これはクッキーである。

 そう言っても良いにちがいない。

 パッサパサ感のおからであるけれど、おからクッキーだから問題ない。


 満足だ。


 食べた。


 サクサク食べた。


 サクサクおいち~。と食べた。

 結構食べた。



 この時……止めておけば良かったのだ。



 私は、この2回目の改良版おからクッキーを作っている最中にも、しゅごいのぉお! と、おからを生み出したのだが、その時、少しの違和感を感じていた。


 違和感を例えるならば、


 しゅごい、い? いのぉお! だ。


 微かな違和感。

 微かな直腸の違和感だった。


 私はこの時に気が付くべきだったのだ……

 私が生み出している物が『おから』であることを……そして生み出す事により人知れず傷つく物があるという事を。


 私が、3回目のしゅごいのぉぉっ! の際に、


 しゅごいいいってぇなちくしょうっ!


 と、痛みに尻を締めた時には、もう取り返しのつかない事になっていた。


 おからと共に…………血が流れていたのだ。

 そして私は悟った。


 おからに含まれる大量の食物繊維は溶けず、吸収されず、その固さのままに私の直腸をやすりのように傷つけたのだと。

 その事実に気が付いた私は、静かに両手で顔を覆う。


 なぜならば、すでに改良版おからクッキーすらも、ばくばくと食べてしまっていたのだから…………


 今日もまた、生み出されるのを今か今かと待ち構えるおからと戦わなくてはならない。

 これが、ダイエットの為に作った『おからクッキー』で、私の尻が散った日の顛末である。





 ケッツ超いてぇ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 久々にこーゆーエッセイを見て大爆笑させてもらいました(笑)(´ω`) 食べる際には程々に。 体を張ったチャレンジお疲れさまです。
2020/08/13 17:41 退会済み
管理
[良い点] 色々とチャレンジしてらっしゃること。 中でもこれは強烈。 「体に良い」と言われるものでも、大量に摂取するのはダメという強い戒めになりました。 [一言] 日本神話のオオゲツヒメも、お尻から大…
[一言] おからについてなので、こちらの感想欄に再び失礼致します。 どうしても伝えておきたかったのです。 「『おから』は、どこまで行っても『おから』」は 正に至言であったと。 ※現在はおからパ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ