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ゴースト

99話です!あと1話で、念願の100話です♪


今回は竣の苦手な物が登場します!

 気配を感じた。誰かが深夜に僕の部屋の中を歩き回っていた。


 『寝れそうだったのに。うるさいなあ。寝かせてくれよ。やっと、寝かかっていたのに! まだ、午後11時だよ。誰だよ。一体何してるんだ』と僕は思って瞼を閉じたまま布団から体を起こしみた。


 ベッドの側にあるスタンドの灯りを付けたまま寝ていたので、部屋の中の様子は良く見えた。


 知らない女の人がいた。青白い顔をして白のワンピースに裸足で部屋の中を歩いていた。


 女の年齢は18〜20歳位だろうか。どうやって忍び込んだのか全く検討も付かなかった。

 

 楽しかったデートを終えて1日を振り返りながら布団に入ったのは午後9時頃だった。

 

 寝る前に戸締まりの確認をしているし。


 女は僕が体を起こした事に気付いていないようなので、僕はそっと布団に潜り込んで寝たふりをしながら女の動きを観察してみた。


 女はジェームス・ディーンのポスター、ビートルズのポスターを見ていたり、本棚の本を眺めていたり、描き掛けのデッサン画や並べて置いてある油絵のキャンバスを見ていたり、机の上に置いてあるマンガやノートを見たりしていた。


 『美華ちゃんかな!?』と一瞬だけ思った。女の顔がはっきり見えなかった。


 僕はくしゃみが出そうになったので、慌てて枕に顔を埋めてから「ぶえっ、ぶえっ、ぶえっくしょんっ」と大きな声が漏れ出てしまった。


 僕は枕から顔だけを上げると女の姿が消えていた。


 時計の刻む音が異様に歪んで聞こえていた。


 『これって、皆さん、ご存知の夏の夜の風物詩じゃないのか?』と気付いた。

 

 冷や汗が一気に出てきた。


 「こ、こわいわ。マジで怖いよ」と僕はビビりながら布団に深く潜り込んだ。


 僕は異星人や宇宙人や未確認生物などは全然怖くないし、屁でもない。


 異星人や宇宙人が僕に襲い掛かってきても、返り討ちにする自信があるし、既に宇宙人をボコボコにした実績があるからね。


 また宇宙人が侵略しに来た場合には、今度は白黒決着を着けたいと思うし、もっと捻り潰してやろうとも思っているし、2度と起き上がれなくしてやるからよ、いつでも何処からでも掛かってこいよ! ベルトは絶対に渡さないからなとマイクを持って威嚇するレスラーみたいな心境ではいるんだけどもね、幽霊やお化けだけは本当に絶対にダメだ。危険だし怖いよ。


 僕はお経か念仏を唱えたかったが、知らないし良く分からなかったので、ビートルズの「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」を歌ってみた。

 

 ジョン・レノンが「ずっとCコードだけで作った曲だよ」と言って作曲したサイケデリック風な曲だ。緊急事態の今は、この歌しか頭に思い浮かばなかった。

 

 女の幽霊は部屋にはいないけど、また出てきたら困るので歌うしかない。


 幽霊に居着かれたら、夏奈子の部屋と変えなければならない。夏奈子なら幽霊と上手くやっていけるだろう。


 歌を歌おうとした瞬間、扉のノックがした。


 「誰? そこにいるのは誰なの?」とホラー映画でお馴染みのセリフが自分の口からまさか出るとは思わなかったので、自分で自分に衝撃を受けていた。


 「お兄ちゃん、今さ、私の部屋に来た? 誰かいたんだけどさあ」と『モンタレー・インターナショナル・ポップ・フェスティバル』のTシャツを着た夏奈子は言った。僕のTシャツだ。また勝手に着ていた。


 「いや、行かない。夏奈子、今、兄ちゃんの部屋に女がいたんだよ! 凄い怖かった」と僕は夏奈子に駆け寄った。


 「美華ちゃん以外の女を連れ込んだんでしょう?」と夏奈子は僕に疑いの眼差しを向けていた。


 「妹よ、妹よ。よくお聞きよ。そんな馬鹿なことをするお兄ちゃんではありません」


 「お兄ちゃん、暗いからさ、一回、部屋の電気を付けたら?」


 僕は灯りを付けようとして扉の横のスイッチを押した。


 つかない。電灯が切れていた。


 「お兄ちゃん、こんなタイミングはホラーだよ。私の部屋の電灯も切れているのよ」


 「ヤバイ、怖い。もっと明かりを。明かりが欲しいよ」と僕は何度もスイッチを押したが乾いた音が空しく響いていた。


 「お兄ちゃん、替えの電灯はどこにあるの?」と夏奈子は部屋の中を見回していた。


 「茶の間の棚の中にあると思う。それか洗面所の隣のスペースかな?」


 「取ってきてよ」


 「嫌だよ」


 「良いから取ってきて」


 「嫌だって言ってるだろうがよ」


 「男らしくないね」


 「女らしくないよな」


 「男なら意地を見せて」


 「女は度胸があるはず」


 「お兄ちゃん、16歳にもなって、闇が怖くてさ、どうするの?」


 「夏奈子、お前だって暗闇恐怖症だろう?」


 「私はまだ15歳だよ」


 「良いから、行ってこいって。昔はよくお兄ちゃんの言うことを聞いていただろう? 昔を思い出せ」


 「子供の頃の話を持ち出さないでよ」


 「いいから早く行ってこいよ」


 「嫌だって」


 「机の中にあるお菓子を無料であげるから」


 「いらん」


 「朝まで、まだ5時間もあるんだよ」


 「知ってる」


 「夏奈子、早く取ってこいよ。この部屋と夏奈子の部屋は、兄ちゃんが、しっかりと見張っとくからさ」


 「見張っている間にお兄ちゃんの側に幽霊が来たらどうするの?」


 「……。 気を失うかな」


 「でしょ? だから、お兄ちゃんが行って取ってきた方がいいって」


 「……」


 「たかが洗面所や台所までの道のりだよ。自宅なんだし慣れてるじゃん。待っているから行っておいで」


「……。 腑に落ちない」


 「大丈夫だって」


 「大、大丈夫かな?」


 「うん」


 「じゃあ、どうしようかなあ、行ってみようかな」


 「はい決定です! おめでとうございます」


 僕は、なんとなく納得しつつ。夏奈子に言いくるめられたような気がしたけども、兄としての威厳を見せないといけない。


 ゆっくりと自分の部屋の扉を開けて廊下に出た。


 ちょっと待てよ、どっち道、これから行って幽霊に遭遇したらヤバさは変わらないんじゃないの。夏奈子め。時間差で気付いたけども、完全にハメやがったな。


 台所に行くまでの間に、さっき見た女の幽霊が現れて、後ろから僕の肩を叩き『お兄さん、今からさ、私と良いことしな〜い? あっちは綺麗な所だからさ行きましょうよ〜と言われたらどうしよう? 行くかもしれない』と僕は思いながら1歩ずつ歩いていった。


 これはいかん。行ったら三途の川で魚釣りをしそうになる。もしくはピクニックかな。


 「ねえ」と後ろから声が聞こえたので、僕は震えながら飛び上がった。


 「なに、ビビってんの。お兄ちゃん、懐中電灯持っていきなよ」と夏奈子は手渡した。


 「驚かすなよ!!」


 「お兄ちゃん、電源が落ちているかもしれないからさ、玄関の横にある電源の様子も見てきてね。ジョンとミッシェルが起きちゃったみたいだから寝かし付けるよ」と夏奈子は言ってから、僕の部屋にいるジョンとミッシェルをあやしに戻った。


 「なんだよ、まったく」

 

 僕は恐る恐る1階の玄関に着くと、電源の確認をした。ONに入っていた。玄関の明かりを点けると、ほっと吐息が漏れ出た。




    ガタッ




 台所の方から音がした。


 僕は動悸がしてきたので右手で右胸を押さえた。間違ったので左胸を押さえ直した。


 扉を開けて台所を見ると女の幽霊がいた。お腹でも空かせているのだろうか、女の幽霊は冷蔵庫を開けようとしていたが、体全体、手が透けているので開けられないでいた。


 「誰ですか?」と僕は恐怖のあまり歯を鳴らしながら話し掛けてみた。


 『大丈夫よ。私を怖がらなくて良いのよ』と女の幽霊は台所にいたのに、瞬きよりも早く移動して、僕の目の前で言った。


 僕は怖くて頷いた。


 『竣くん、改めて見るとずいぶんと立派になったし体も大きくなったわね。私が誰だかわかるかい?』


 「いや知りません」


 『スズのお母さんだよ。名前はね、華絵(はなえ)よ』


 「はあ」僕は怖すぎて女の幽霊の話が頭に全然入ってこなかった。


 『いつも皆を見守っているのよ』


 「はあ、そうですか」


 『今ね、お盆が終わったばかりでしょう? 私ね、有給休暇を取ったからね、あの世には戻らず、しばらくね、ここに居着いているのよ』


 「普段からいるんじゃないんですか?」


 『それが違うのよ。普段は、竣くん、夏奈子、幸子やスズの背後に行ったり来たりしているけども、普段はあの世での生活があるからさ、他の場所には自由に身動きが出来ない状態なのよ』


 「あなたは僕の守護霊なんですか?」


 『まあ、大体そうね。正式にはまだなんだけどね。近いうちに竣くんの守護霊になるよ。スズや幸子や夏奈子には、それぞれに守護霊かいるからね』


 「僕には、まだいないんですね」


 『先日までは居たけど、輪廻転生したからね』


 「これは夢ですか?」


 『リアルよ』


 「質問ですが、お婆ちゃんのお婆ちゃん、華絵さんが若いのは何故ですか?」


 『18歳の頃が一番美しかったし幸せだったから。この時期にしてもらったのよ。どう? 私、綺麗?』


 「いやあ〜、言い伝えの口にマスクをしている女性の幽霊の言動と似ていて、怖くて、『綺麗です』とは素直に言えないんです」


 『あはははは』


 「ちょっと電灯が必要なので、取りに行っても良いですか?」


 『怖がらせてゴメンね。また会いましょうね』


 「分かりました」

 

 僕は頭を下げて御礼を言った。顔をあげると華絵さんは消えていた。


 「あは、あはは。凄い」と僕は言ったあとに、気を失ってしまった。





つづく


ありがとうございました!100話目も頑張ります!!



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