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竣&美華 デート8

竣と美華はデート中に瀬都子に偶然会いました。瀬都子は民族の土産用の木彫りの仮面を顔に掛けてたのしそうに踊っていましたね。ディーン・マックィーンは走り去り、竣と美華が誰か尾行されているようで…。気になりますねぇ。

只今、竣と美華はデート中です。


 僕は電柱の後ろにいる怪しい人影に気付いたが、しばらく様子を見ることにしようと考えた。


 「竣くん、さっきから、一体どうしたのよ?」美華ちゃんは僕が見ている視線の先を確認しながら言った。


 「あそこの右側の電柱に誰かいるんだよ。全然、体を隠しきれていないんだけどもね。ずっと付きまっている奴だと思う」僕は電柱に向かって目を細めて言った。


 「電柱? 本当? ……。そうね。確かに誰かいるみたいだね」美華ちゃんも僕と同じ様に目を細めて、しゃがみ込みながら電柱を見ていた。


 「2人とも、一体、どうしたんですか?」僕たちの傍に来た瀬都子が僕の肩を叩いて言った。


 「瀬都子、あそこの電柱に誰かいるみたいなんだ」


 「どれどれ。……。あれですよね? ピアノ教室の紙が貼ってある電柱。確かに確認しました。いますね。どうします? 私が今から突撃しましょうか?」瀬都子は腕を振って走る構えをしながら言った。


 「しなくていい。ほっとくよ。様子を見てみる」僕は言って向きを変えて歩き出した。


 「竣くん、美華ちゃん、付かぬ事をお聞きします。ひょっとして、2人はデートをしている最中なのではないでしょうか?」瀬都子は眼鏡を外して右目の瞼を掻きながら言った。


 「うん、そうだよ」僕は遠のいていく後ろの電柱を気にしながら言った。


 「それは素敵! 邪魔しちゃ悪いので、私はこの辺で煙幕をします。ここはあえて『ドロンします』と気取った言い方はしません」瀬都子は忍者の真似をして走り去ろうとした。


 「待った! 瀬都子! せっかく会えたんだから『ルーシー』に行って何か食べようよ」と僕は瀬都子のリュックサックを両手で掴んで引き留めて言った。瀬都子にしては珍しいピンク色のリュックサック。


 「一緒に食べようよ!」と美華ちゃんも瀬都子の手を握って言った。


 「本当に良いんですか? じゃあ、ちょっとだけ、2人の時間をお邪魔します」と瀬都子は顔を赤らめて照れながら笑顔で言った。


 「さっき見たカウボーイの事だけどね、詩音に聞いたら良いよ。あのカウボーイは詩音の友達だから」と僕は詳しい事情を控えて、瀬都子に教えた。


 「詩音君が!? 何でまた、見事に得体の知れない友達がいるんでしょうかね? 分かりました。後で聞いてみますね」と瀬都子は頭を下げてお礼を言った。


 「瀬都子は何で、何処からカウボーイの話を知ったんだい?」


 「先日、私が買い物で、スーパー『サン』に行く途中、『馬に乗ったカウボーイが人を引きずっていた』と話す通行人と偶然スレ違ったんですよ」と瀬都子はカウボーイの投げ縄を回す動きを真似して言った。


 「昨日も『街でカウボーイを遭遇したわよ』と目撃した日時や場所を詳しく話す買い物袋を持ったおばさん方2人組が、本屋で話しているのを盗み聞きしたんですよ」と瀬都子は耳に手を当てて盗み聞きをする真似をしながら言った。


 「なるほどね」と僕は言いながら尾行されているのをさりげなく確認をした。謎の人物は電柱から電柱へと隠れながら尾行しているようだ。


 「美華ちゃん、瀬都子。尾行をされているのは、僕か美華ちゃんのどちらかなので、今から二手に別れてみよう。

 そこの角にある白い建物がカフェ『ルーシー』だ。入り口前で会おう」と僕は自然に振る舞って話した。

 

 「わかったわ」と美華ちゃんは『ルーシー』を確認しながら言った。

 美華ちゃんと瀬都子はお互いを見ると黙って頷いた。


 「竣くん、何かあったら私が美華ちゃんを守りますからね。武器はリュックサックの中に沢山ありすぎますから。ジーンズのポケットにも携帯していますので御安心を」瀬都子は何回も頷きながら頼もしい事を言ってくれた。

 

 「ありがとう」と僕は瀬都子の肩を叩いて言った。


 僕は左折、美華ちゃんと瀬都子は右折して別れた。


 僕は警戒しながら道をゆっくりと歩いていた。


 不審者だったら、一発殴った後に警察か交番に連絡をすれば直ぐに解決する。それ以外なら、例えば、スパイや闇の組織とかだったら、上手く巻くしかないなと思うし。


 僕は立ち止まると急に後ろを振り返った。誰もいない。電柱の後ろにも人の気配がなかった。

 

 『もうしばらく歩いて様子を窺ってみるか』


 3メートル先の道路を右折して細い路を真っ直ぐ歩き、更に突き当たりを右折したら『ルーシー』のある大きな通りに出られる。


 僕は右に曲がると、追尾がないかを見るために顔だけを出して来た道を覗いてみた。誰もいなかった。


 2分間だけ様子を見たが尾行する者はいなかった。


 僕は来た道を引き返し、美華ちゃんと瀬都子の元へと急いで走った。

 通りに出ると美華ちゃんたちは『ルーシー』の入り口前で僕が来るはずの道路を見て待っていた。


 美華ちゃんと手を繋いでいる女の子がいた。


 「美華ちゃーん! 瀬都子ーっ!」僕は2人の後ろから声を掛けると、2人は驚いてターンをした。


 「竣くん! どうして!? なんで後ろから来たのさ! ビックリしたー」美華ちゃんは自分の胸を押さえて言った。


 「僕が付けられていないと分かったから、心配になって来た道から戻ったんだよ」僕は言ってから視線を女の子に移した。


 「うん? あーっ!! 君は前に、猫を追い掛けて僕の家に来た女の子だろう?」と僕は思い出して美少女に話し掛けた。

 

 「こんにちわ~!!」と女の子は顔を真っ赤に染めて、丁寧なお辞儀をして言った。


 「えっ? なになに!? この女の子の事を知っていたの!?」僕は美華ちゃんと女の子が手を繋いでいるのを見て言った。

 

 美華ちゃんは女の子に微笑み掛けると女の子の髪を優しく撫でながら笑った。


 「竣くん、美華ちゃんには妹がいたんですよ」と瀬都子は女の子の頬っぺたを摘まみながら言った。


 「美少女姉妹とは素晴らしいよ。こんにちは! 改めまして、お名前は何て言うんですか? 僕は瀬川竣と言います。宜しくお願い致します」と僕は女の子に握手をしてから言った。


 女の子は僕と久しぶり会ったせいなのか、恥ずかしがり屋のようで照れ笑いを浮かべていた。


 「ほら、どうしたのよ? ちゃんと自分で言って挨拶をしてごらんなさい」と美華ちゃんは頼もしくて、お姉さんらしい言葉使いで妹に言った。

 

 僕は今までに聞いたことの無い美華ちゃんの話し方に逆に畏まってしまった。





つづく

ありがとうございました!また読んでね♪

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