疲れない程度に回想
読者の皆様、カフェ「キャッツ」の店員さんを呼ぶには『にゃんにゃんにゃん!』と言わなければならないぞぉ(笑)カフェ「キャッツ」は温かい雰囲気のカフェだよ✨✨✨✨✨
「憲二、疲れない程度に回想をしよう。事の始まりは500円のチラシからだ。あの冒険は夢だったのかな?」僕はポケットから500円のチラシを出してテーブルの上に広げた。
「う~ん、バーチャルリアリティのゲームかもしれないね」と憲二は言うとチラシに目を落とした。憲二はチラシに触れないで静かに見ていた。
「そうだったら悲しいね。ソフィアたちが実際しないとなったら切なくなるよ」
「竣、不思議な経験だったよな」
「うん、そうだな。憲二、皆に話しても信じてくれないと思うからさ黙っていようぜ」
「了解」
「憲二、まだ、この500円のチラシは使えるのかな?」
僕は「ナイト・オコットルさん、ねぇ聞こえるかい? ナイト・オコットルさん?」と小声で呼び掛けてみたが何も反応がなかった。
チラシの裏側を見たが何も変わった所は見当たらない。つまりは、このチラシの役目はもう終わったんだと分かった。
もしバーチャルリアリティのゲームだったとしても構わない。素晴らしい時間と経験を与えてくれたのだからね。あまりにもリアリティがありすぎて現実と夢との境目や見分けがつかないくらいだったけどもね。
僕は500円のチラシを隣の席に置いてあった誰かが忘れた新聞紙の間に挟んだ。
「竣、良いのかい?」
「ああ、これで終わりさ。楽しかったよね」僕は新聞紙を持って立ち上がるとレジの横にある新聞入れに置いた。
「お待ちどうさまです。メロンソーダとオレンジジュースです」先ほどの、アイドルデビューができるほどプリティーな店員は言ってテーブルに置いた。
「ありがとう」僕はメロンソーダを渇ききった喉に一気に流し込んだ。美味い合成着色料だ。体に悪いけどもさ。
「竣、あのボヘミアンの男と緑色のテントはどこに消えたんだろう?」
「あっちこっちに渡り歩くジプシーみたいなもので、すぐに何処かへ移動したのさ」僕はメロンソーダを飲み干した。小腹が空いてきたので『にゃんにゃんにゃん』を言うべきかどうしようか迷っていた。メニューを見て考えることにした。
「憲二、楠見オールナイト祭りは世界中から才能が集まっているからね。未知の世界に触れて成長するチャンスでもあるんだ」僕はメニューの値段を見ていた。メロンソーダとオレンジジュースは200円という破格な安さだった。
「憲二、1つだけ後悔している事があるんだ」
「なにさ?」憲二はオレンジジュースを飲み干した。
「パカタニチュリオカ・ペペピンポンを食べれなかったことさ」と僕は言ってタラコスパゲッティを運ぶアイドル級の店員を眺めた。
「あ~っ、確かに最後まで見ることができなかった謎の食べ物だったよな」
「よし、出ようか?」僕は立ち上がってアイドルを越えた可愛さを誇るあの店員に向かって「にゃんにゃんにゃん!」と大きな声で呼んだ。
今度は直ぐに飛んできた。
「お客様、御注文ですか? どうなさいましたか?」アイドルを越えた美貌の持ち主の店員は笑顔を見せていた。
「すみません、会計します」と僕は言ってレジに移動した。
「400円です。またお越しくださいね。ありがとうございました~っ」アイドル越えのチャーミングな店員は3回転もしてくれた。
「御馳走様でした。あっ、そうだ、すみませんが店員さん、カフェ『キャッツ』では、パカタニチュリオカ・ペペピンポンという食べ物はありますかねぇ?」僕は半分冗談で半分本気な期待を込めて尋ねてみた。
「はっ!? ないですねぇ」と店員は困ったように言った。
「わかりました。ありがとう。変なことを聞いてごめんなさいね」と僕は言って店を出た。
つづく
ありがとうございました!
また読みにおいでね✨✨✨✨✨
待っているよ~!
(●’∇’)ノ
o(゜▽^)ノ
ヾ(´・ω・`)ノ゛




