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朝靄

久しぶりの更新です!読者の皆様、大変長らく御待たせ致しました!待っていてくれたファンの方には心から感謝を致します。これからもどうぞ宜しくお願い致します!

蒼井真ノ介より

 僕は眠れずにいた。

 

 顔を上げると、グレーとオレンジが混ざった朝焼けに包まれて窓辺にいたリュウ・エイジ・オコットルに気付いた。決意を秘めた顔をしていた。メグミムに思いを馳せていたのだろう。

 

 憲二とソフィアも寝付かれずにいて天井を見つめていた。

 

 「トテカルザンの館」に行く心の準備はできていた。

 

 その前に「宿屋ルラル」に行き凄惨な現場を確認すると同時に、昨日、目撃したマントに覆われた全身黒ずくめの男の痕跡を探しに行かなければならない。躊躇いはあるがラビオムーンの亡骸を葬ってあげたい気持ちの方が強かった。

 

 「行くぞ」とリュウ・エイジ・オコットルの声が聞こえた。僕と憲二、ソフィアは黙って頷いた。

 

 外に出て円を描くように集まると、お互いの手を取り合い空を見上げた。

 

 「ダグファニジャズ」とリュウ・エイジ・オコットルが魔法の呪文を唱えると空気が震え出して霧が立ち込めてきた。静かに体が浮かび上がると今までよりも速く一気に空へ飛んでいった。

 

 ワープと思える程の速さに戸惑いと恐怖を覚えたが、下を見下ろすと早くも宿屋ルラルが見えてきた。

 

 「降りるぞ。体に力を入れてくれ」とリュウ・エイジ・オコットルの声が響き渡った。

 

 僕らは朝靄に包まれた宿屋ルラルの手前に降り立った。みんな緊張感に包まれていた。誰も口を開かずにいて、しばらく立ち尽くして入り口を見ていた。

 

 最初に声を出したのはソフィアだった。

 

 「入りましょうよ」ソフィアの声が震えていた。

 

 「わかった」とリュウ・エイジ・オコットルは言って僕らは扉に手を重ねて一気に開けた。

 

 驚くことに血溜まりのあった場所が綺麗になっていた。

 

 ガダリイと格闘した痕跡すら消えていたのだ。コーヒーの香りさえしていた。僕らはお互いに顔を見合わせて目を見開いていた。

 

 受付の奥にある部屋にラビオムーンの亡骸があるはずだが、ラビオムーンの慌てた声が聞こえてきた。部屋のドアが開いた。

 

 「お客様、すみません。取り込んでいたもので。おや、人間が3人も! 珍しい! ご宿泊ですか?」とラビオムーンが愛想よく言った。

 

 僕らは声を失ってしまったかのように呆然としてラビオムーンを見ていた。

 

 「お客様? どうかなさいましたか? お部屋は有りますので御安心くださいませ」とラビオムーンが笑顔を浮かべて優しく言った。前の陰気なラビオムーンとは、まるで別人のように明るく見えた。

 

 「他に宿泊している方はいらっしゃいますか?」と僕は言った。ラビオムーンは初めて僕をみるような目つきで見ていた。

 

 「ええ、3階の奥の部屋に1人だけいらっしゃいますよ」ラビオムーンは後ろにある鍵棚を見ながら言った。

 

 「310号室に男性のお客様が御1人様で宿泊しています」ラビオムーンは空いている310号室の鍵棚を指差していた。

 

 「お客様、ひょっとして、瀬川竣様でしょうか?」ラビオムーンは畏まって言った。

 

 「え、ええ、そうですが」僕は頭が混乱しながら言った。

 

 「申し訳ありませんでした。大変失礼致しました。3階のお客様が瀬川様をお待ちしておりますので。宿泊のお代は結構です」とラビオムーンは言って丁寧に頭を下げた。

 

 「分かりました」僕の代わりに返事をした憲二は早足でスカラーの前まで歩いていった。

 

 リュウ・エイジ・オコットルもソフィアも困惑していた。

 

 僕は不安な気持ちを押さえながら、ゆっくりとスカラーまで歩いた。

 

 

 

 

つづく

ありがとうございました!

更新出来るように頑張ります✨✨✨

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